【高松アーティスト・イン・レジデンス2017 活動報告】 飯川雄大 デコレータークラブ「衝動とその周辺にあるもの」
更新日:2024年6月6日
高松アーティスト・イン・レジデンス2017にて、アーティストの
滞在内容
市内各所で展示やワークショップが可能な場所を視察し、シンボルタワーのマリタイムプラザ2階のスペースを制作・展示場所として決定。
約55日間の滞在中は、ドローイング制作など展示に向けた準備を進めるとともに、石川直樹氏(写真家)が主宰する写真学校の講座において、本レジデンスで制作予定の作品についてプレゼンテーションを行った。
展覧会概要
日時:2017年12月14日(木曜日)19:00~25日(月曜日)12:00~18:00
会場:高松シンボルタワー マリタイムプラザ高松2F
入場料:無料
内容:
飯川雄大は時間の相対性や人間の知覚のゆらぎなどをテーマとし、映像、写真、立体などを用いた作品制作で精力的に活動しています。これまで飯川は、街の風景を24時間定点撮影した作品や、サッカーのゴールキーパーだけを映した作品など、執拗な眼差しの集積による制作をしてきました。他愛のない風景や周縁にあるものを注意深く観察することによって、日常から見過ごされているものを掬い上げ、中心をずらした世界を差し出そうとしています。
本展で発表される《デコレータークラブ―衝動とその周辺にあるものー》もまた撮影行為と動機の周縁に目を向けた作品です。飯川により「被写体」として設定された装置によって、鑑賞者は撮影の衝動を喚起される一方、見たものを記録し尽くすことができないということを目の当たりにします。私たちが何かを見て、人に伝えるため、あるいは記憶するために撮影する時、その時の衝動はそこで「写真から欠落していくものは何か」ということに再考を促し、私たちが一人の観察者/伝達者であることに気づきをもたらします。
デコレータークラブとは海藻など身の回りにあるもので自らを装飾して擬態する蟹のことで、すべての蟹が異なる見た目を持っています。飯川は長年に亘り、この蟹を衝動にまつわるモチーフとして様々なプロジェクトを行ってきました。今回の展示では装置や映像、写真などの周縁を重ねた作品を通して、衝動の本質とは何か、共有の欲求と眼差しの共有不可能性を複合的に提示しながら、その別の可能性について問いかけます。そして、私たちの世界が周縁の集積によってできているということに触れる時、私たちの視線は複層的な広がりを持ち、また共有したいという願いを繰り返すのかもしれません。
関連イベント
アーティストトーク1「衝動とその周辺にあるもの」
日時:2017年12月16日(土曜日)16:30~18:00
聞き手:正路佐知子(福岡市美術館学芸員)
参加費無料、定員30名、予約不要
内容:これまでの作品の紹介や、「デコレータークラブ」シリーズの制作の動機などを中心にしたトーク
アーティストトーク2「デコレータークラブの話」
日時:2017年12月24日(日曜日)16:00~17:30
聞き手:森本アリ(音楽家・旧グッゲンハイム邸管理人)
参加費無料、定員30名、予約不要
内容:神戸の塩屋町の活動紹介と、その活動において飯川が行ったアートプロジェクト「衝動とその周辺にあるもの」を中心にしたトーク
ワークショップ「シンボルタワーで四コマ漫画を描くぞ!」
日時:2017年12月17日(日曜日)13:30~16:30
講師:甘利彩子(こえび隊)、飯川雄大→藤井佳之(なタ書店長)、飯川雄大
(都合により、当日の講師が藤井氏に交代となりました)
持ち物:鉛筆、消しゴム、色ペン
参加費無料、予約不要、所要時間30分~
内容:飯川が約10年間継続しているワークショップ。オリジナルの四コマ漫画の特訓ノートを使い、四コマ漫画を完成させる。
メディア掲載情報
【新聞】
四国新聞「写真に写せない猫に驚き神戸の芸術家が作品展」2017年12月15日
読売新聞「芸術家 in 高松 作品披露」2017年12月20日
【テレビ】瀬戸内海放送『KSBスーパーJチャンネル』「インスタ映えしそう?思わず撮りたい不思議な作品展」2017年12月15日放送(外部サイト)
西日本放送『RNC news every.』「にゃんとも巨大な〇〇が登場!」2017年12月20日放送
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