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市長定例記者会見(平成24年5月22日)

更新日:2018年3月1日

日時・場所

(日時)平成24年5月22日(火曜日)午前11時30分~12時
(場所)4階会議室

報告事項

(1)新病院整備事業に伴う埋蔵文化財調査について

(2)平成24年度高松市職員の募集について

(3)菊池寛記念館第21回文学展「川端康成展-日本的抒情の世界-」の開催について

市長説明

 おはようございます。

 それでは、定例記者会見を始めさせていただきます。
 まず、題材に入ります前に、昨日の衛生処理センターで発生しました事故について、御報告いたします。
 すでに、お知らせしておりますが、昨日の午後、業者の作業ミスによりまして、衛生処理センターの施設内に塩素ガスが充満し、施設内で作業していました4人(職員3人、業者1人)が病院に搬送されるという事故が発生いたしました。
 病院に搬送された4人は、現在のところ命に別状はなく、回復に向かっていると聞いております。
 現在、この事故について、警察において、詳細な原因等について調査中ですが、その事故調査結果等を踏まえ、市といたしましても、今後、同様の事故が発生しないよう、具体的な方策等について、検討してまいりたいと存じます。
 次に、昨日、住宅課における「樹木伐採等工事の契約」について、庁内の調査委員会で取りまとめた現時点での調査結果を、取り急ぎ、中間報告として市議会の建設水道・総務消防合同調査会において説明し、様々な観点から御指摘をいただいたところでございます。
 また、その中間報告は、専門委員に提示をし、検証をお願いしており、今後、合同調査会での御指摘や専門委員の検証結果などを踏まえて、できるだけ早く最終的な調査結果を取りまとめ、業者への対応、関係職員への処分、また、再発防止策などを検討してまいりたいと存じます。
 いずれにいたしましても、法令等に照らしまして、厳正、適正に対処してまいりたいと存じます。

 それでは、題材に入らせていただきます。
 まず、1点目は、新病院整備事業に伴う埋蔵文化財の調査についてでございます。
 仏生山町での新病院整備事業に伴いまして、平成23年度から萩前・一本木(はぎのまえ・いっぽんぎ)遺跡の発掘調査を教育委員会で進めており、これまでに、多くの成果もあげております。
 今回は、6世紀から7世紀初め頃の古墳時代後期に周辺地域を治めていた首長の居館と考えられる遺構が、香川県内では初めて確認されたものでございます。
 発見場所は、萩前・一本木遺跡の北東部で、首長の居館を囲む方形に区画すると想定される溝の南西部分が見つかり、この近辺で出土しました土器から、溝は7世紀の初頭までに掘削されたと推定されるようであります。
 また、区画内では、多数の竪穴建物等の遺構が確認できており、溝と同じ年代の7世紀初頭のものが多くあるようでございます。
 以上の状況や、区画溝から約30~50mの距離をおいて、竪穴建物が取り囲んでおり、一般の集落構造とは大きく異なることから、溝及び区画内部の遺構が、周辺地域を支配していた首長の居館の一部であると判断したものでございます。
 これまでの発掘調査の成果から、この遺跡では、古墳時代中期から奈良時代にかけての大規模な集落が展開していたことが明らかになってきており、この地域の歴史を知る上で、重要な知見が得られることから、今後とも、その調査を進めてまいりたいと考えております。
 この遺構の市民向け現地説明会を、5月26日(土曜日)午前10時から開催いたします。事前申込みは不要で無料でございますので、できるだけ、公共交通機関を利用して、お越しいただきたいと思っております。

 次に、2点目でございますが、昨日、平成24年度の大学卒等の職員募集要項を配布いたしており、5月14日(月曜日)には、病院局の職員募集要項も配付しておりますが、あらためて、私から説明させていただきます。
 来年4月1日採用予定の大学卒等の職員採用試験は、6月24日(日曜日)に実施し、また、病院局の職員の採用試験につきましては、これまで、市長部門と同様の日程等で行ってきたところでございますが、病院事業においては、公営企業法を全部適用したことを踏まえ、今年度から病院局で独自に採用試験を実施することとし、試験日については、県庁や市役所の職員採用試験から、1週間前倒して6月17日(日曜日)に実施することとしたものでございます。
 募集職種、採用予定人員、受験資格等は、それぞれ募集要領に記載のとおりでございます。
 募集人員は、病院局を含めまして、昨年度に比べ6名増の88名となっており、事務職は、一昨年、昨年に引き続きまして、情報処理技術者の資格を有する者を1人募集いたします。
 また、病院局では、昨年度に引き続き、診療情報管理士1人を、来年度以降の新病院の対応のため、助産師2人、看護師20人を募集いたします。
 申込み受付は、大学卒等の職員募集が、5月28日(月曜日)から6月8日(金曜日)まで、病院局が、5月21日(月曜日)から6月1日(金曜日)までとなっております。
 募集要項等は、本市ホームページで閲覧できますほか、庁舎の案内所や支所・出張所などに置いております。
 優秀な人材の確保のために、できるだけ多くの方に受験していただきたいと考えておりますので、周知方、よろしくお願いいたします。

 次に3点目でございますが、菊池寛記念館では、毎年度、郷土が生みました文壇の大御所・菊池寛の業績をたたえるとともに、広く市民の皆様に文学への理解と関心を深めていただくため、菊池寛記念館文学展を開催いたしており、本年度は、「川端康成展-日本的抒情の世界-」を6月9日(土曜日)から7月22日(日曜日)まで開催いたします。
 川端康成は、昭和43年に日本人で初のノーベル文学賞を受賞し、「伊豆の踊子」や「雪国」などの作品で親しまれておりますが、本展では、「雪国」の直筆原稿の展示など、川端康成の栄光と文学の軌跡をたどり、その抒情の世界を探究するとともに、一流画家によって手がけられた装丁につきましてもあわせて紹介したいと存じます。
 初日は、午前9時30分からオープニングセレモニーを開催し、菊池寛の直系の孫であります菊池夏樹名誉館長をお迎えして御挨拶をいただく予定にしております。

 私からは以上です。

記者との質疑応答要旨

【記者】
 政府は、四国電力管内の節電目標を7%と決めたが、それに対する受け止めは
【市長】
 政府からの節電要請を受け、18日(金曜日)に四国電力から本市に節電の協力依頼があった。7%以上という厳しい節電目標であり、また、計画停電の準備も進めると聞いており、四国においても、今夏の電力需給が非常に逼迫した状況であると感じている。
 本市も大口需要者として、特に、電力使用量の多い、ごみ焼却施設や上下水道施設は、電力使用のピーク時となる午後1時から4時ぐらいの時間帯に稼動せず、他の時間帯に操業をずらすことにより、ピーク時の使用電力を10%程度削減できないかを検討している。
 計画停電については、市役所のみならず、市民生活全体にわたって影響が大きいものなので、できるだけ避ける努力を四国電力にはお願いしたい。
 ただ、計画停電が起こった場合の対応策を、市が中心となって取りまとめられるように、今後検討したい。
 また、「広報たかまつ」や市ホームページなどを通じて、これまで以上に広く市民に節電を呼びかけるとともに、夏場の節電を促すようなキャンペーン的なものや、公用車に「節電へのお願い」といったステッカーを貼って、周知啓発をしていくことも考えていきたい。

【記者】
 香川県は、計画停電が実施された場合、自家発電装置を持つ県立病院などに優先的に燃料供給を融通してもらうなどの方策を考えているが、市としての対応策は。
【市長】
 県の対応策は、市立病院も含めて県下の病院等での自家発電等に対応いただける内容なので、県と十分に連絡・調整をしながら対応していきたい。
 現在、本市としては、大口の電力需要がある施設などには自家発電装置を備えているものの、本庁舎の自家発電装置では、庁舎内の一部設備にしか電力を賄えない。
 このため、計画停電が発生した場合に備え、FAXやパソコンなどのオフィス機器が起動し続けられるよう、非常用電源装置の購入などを考えていきたい。

【記者】
 市として使用電力10%削減というのは目標値なのか
【市長】
 数値目標は検討中だが、市として、四国電力から協力要請があったのは、ピーク時の使用電力7%カットなので、それを上回る節電ができるように、各施設で実施できる施策などを検討している。

【記者】
 節電目標値の7%について、どう受け止めているのか。
【市長】
 23年は、22年の7月から9月の電力使用量に対し、5%減の節電目標を掲げ、6%減の実績をあげており、今年は、それ以上の節電を行いたい。
 しかし、夏場において電力使用量のピーク時となる昼間は、空調などの使用により、どうしても消費電力が高くなってしまうので、ここを対前々年比で7%以上カットしなければならないとなると、事前に十分な対応策を決め、目標を定めて、それに沿って行わなければ、実現は難しいと考えている。
 本市は、大口の電力需要者の一つなので、7%を上回る10%程度の目標を定めて、ピーク時の電力使用量カットを行っていきたい。

【記者】
 ゴミ焼却や上下水道の処理施設の運転を止めることはできるのか
【市長】
 できるものについては、処理を止めたり、昼間に稼動せず、他の時間帯に操業をずらしたりすることなどを考えている。
 また、ゴミ焼却施設だと、複数の焼却炉を運転すれば、その廃熱により自家発電装置の発電量が多くなるので、四国電力からの購入電力量の削減にもつながる。
 このように、施設ごとに対策を考えていき、削減目標に届くように取り組んでいきたい。

【記者】
 ピーク時の電力使用量のカットに伴い、温水プールや市民プールの営業に支障が出てくる可能性は
【市長】
 温水プールは別として、市民プールなどでは、電力需要という点では、ほとんど影響がないと思う。

【記者】
 広島県福山市のホテル火災を機に、実効性のある査察のあり方が浮き彫りとなったが、市の対策は。
【市長】
 今回、福山市のホテル火災は、死者7人、負傷者3名という大惨事となったが、これを受け、本市消防局が、火災発生の翌日から管内で営業している全238軒のホテル・旅館等の宿泊施設に対して、緊急立入検査等を実施しており、本年9月中までには、すべての宿泊施設の検査を実施したい。
 特に、営業形態が、今回の福山市のホテルと類似しているような宿泊施設が、市内に35件あるので、ここを優先して、立入検査をすることにしている。
 今後、立入検査で確認した防火設備の不備等の法令違反等のある事業者に対しては、軽微なものは即時改善をしていただく。また、時間を要するものは、改善期日を明記した計画書を提出していただき、これを追跡調査していくことで、これまであまりできていなかった検査の徹底を図っていきたいと考えている。
 改善できていない施設には、管理者等に対して、必要であれば、警告や改善命令などで早期の是正を指導していきたい。

【記者】
 高松城跡の披雲閣が、国の重要文化財に指定されることになった。現在、貸し館として一般利用されているが、指定後の活用に対する考えは。
【市長】
 披雲閣が、今回、国の文化審議会から重要文化財に指定される答申がなされ、非常にうれしいニュースだと喜んでいる。
 これまで、披雲閣は、自由に市民に活用いただいてきたので、これからも、その特徴や良さを残しながら、市民が親しんで活用できる重要文化財として、保存・活用に努めたい。

【記者】
 文化財としての価値を損なわずに披雲閣を耐震化するのは難しいと思うが、どうか。
【市長】
 披雲閣は、昭和の南海地震では、全く倒壊等は無かったものの、平成19年度の耐震診断の際、耐震性に問題があると指摘を受けているので、対策は講じなければならない。
 通常、耐震改修は、筋交いや壁を使用するが、披雲閣の一番の特徴である「蘇鉄の間」や「大書院」のような大きな広間には壁が少ないので、この手法での耐震化は難しい。今後、文化庁の指導を仰ぐとともに、専門家と相談しながら、披雲閣にあった耐震改修の方策を探っていきたい。

【記者】
 樹木伐採等工事の契約について、庁内の調査委員会の中間報告では、「3割程度の工事に無駄がある」とのことだが、それに対する受け止めは。
【市長】
 今回の調査は、住宅課の樹木伐採等工事の発注件数・発注金額が、平成21年度後半になって急増し、しかも、発注が特定事業者に偏った極めて不自然な契約であることから、これを徹底的に調査しようと実施したものである。
 一件ずつ、書類と現地確認等を行った結果、明らかに通行の妨げになっている樹木の伐採工事もあったが、低木の伐採など、どう考えても伐採の必要性が認められない工事が3割程度あった。また、必要があったと認めた工事の中でも、発注単価等が異常に高いものがあり、通常の積算をした結果、かなり安い金額で収まるケースもあった。それらについては、返還を求める方針を固めて、事業者と話し合いをしようとしている状況である。
 全く不必要と思われるような発注が、これだけなされているのは、深刻に受け止めるべきで、組織内のマネージメントやチェック機能がまったく機能していなかったと感じている。
 今後、原因などを、もう少し詳細に分析し、対応策を考えていきたい。

【記者】
 現時点で、架空発注や書類等の偽造などは確認されていないのか。
【市長】
 今のところ、その点は確認されていない。

【記者】
 福岡市では、度重なる職員の不祥事を受け、自宅以外での飲酒を禁止したが、それに対する所見は。
【市長】
 市長の要請で、自宅以外での飲酒を禁止するのは、かなり異例の措置だと思う。
 ただ、福岡市の場合、過去に大きな社会問題になった職員の飲酒運転による死亡事故があり、その後も、飲酒によるトラブルや不祥事が度重なっている。このような状況下での市長の御判断であり、職員の意識改革のための、一つのショック療法ではあると理解している。

【記者】
 もし、大西市長ならどうするのか。
【市長】
 本市でも職員の不祥事が度重なっているので、常に職員の倫理意識の徹底を図っていかなければならない。今回の福岡市の対応も一つの事例として、職員に対し、倫理意識を徹底するよう、さまざまな機会を通して呼びかけていきたい。

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