史跡高松城跡の歴史
更新日:2018年12月28日
史跡高松城跡
史跡及び名勝指定範囲
パンフレット
高松城の歴史
天正15年(1587)に讃岐一国を与えられた生駒親正は、翌年から数箇年かけて高松城を築城しました。このとき、「野原」の地名を「高松」と改めました。生駒氏の治世は寛永17年(1640)の生駒騒動による転封まで4代54年間に及びました。
生駒氏転封後の寛永19年(1642)には、松平頼重に東讃12万石が与えられました。頼重は城内の改修を行い寛文10年(1670)には天守の改築を完成させ、翌年から東ノ丸、北ノ丸を新造し、2代藩主頼常は月見櫓や艮櫓などを建て、大手を南側から南東側に移動し、三ノ丸に御殿を建てました。その後、城は大きく改変されることなく、11代に亘って松平氏の居城としてその姿を見せていましたが、慶応4年(1868)、官軍に開城することになりました。
お城といえば「いくさ」と考えがちですが、高松城はいくさを経験していない城です。高松城が築城された天正16年(1588)には、既に豊臣秀吉により九州から東海地方まで平定されていました。また、慶応4年(1868)鳥羽伏見の戦い後に朝敵とされ、土佐藩を中心とする官軍に包囲された時も戦うことなく開城しています。
明治時代に外堀は埋立てられ市街化が進み、城郭の北側も埋立てが行われ海城の雰囲気が薄れました。また、中堀より内側は兵部省(のちの陸軍省)の管轄となり、城郭建物の多くは破却され、明治17年(1884)には老朽化を理由に天守の解体が行われました。明治23年(1890)に再び松平家に払下げとなり、天守台に玉藻廟、三ノ丸に現在の披雲閣が建築されました。昭和29年(1954)に高松市の所有となり、翌年に国史跡として指定され、同年5月5日から高松市立玉藻公園として一般に公開しています。
往時は3重4階+地下1階の天守がそびえ、要所には約20の櫓が建ち並び、その威容を誇っていましたが、現在では艮櫓、月見櫓、渡櫓、水手御門が現存し、重要文化財に指定されています。このほか、大正6年(1917)に建築された披雲閣が、重要文化財に指定されています。また、江戸時代の庭園を一部残しながら披雲閣建築に際して作庭された国指定名勝の披雲閣庭園には、緑したたる老松・名木が立ち並ぶ中、大型の石材を用いた石橋・石燈籠・手水鉢・飛石などが配置され、高松松平家の権威がしのばれます。
史跡高松城跡(高松市立玉藻公園)は市民に愛され親しまれており、年間を通じて多数の市民及び観光客の入園があり、特に花見シーズンには桜の馬場の夜間無料開放を実施しています。
(※歴代藩主の〔頼〕の字は、ホームページ上では略字を使用しています。本来は「束」へんに「刀」の下に「貝」と書きます。)
指定文化財等
艮櫓
披雲閣庭園
重要文化財
高松城四棟
昭和25年8月29日指定
- 北之丸月見櫓
- 北之丸水手御門
- 北之丸渡櫓
- 旧東之丸艮櫓
披雲閣(旧松平家高松別邸)三棟
平成24年7月9日指定
- 本館
- 本館付倉庫
- 倉庫
附 裏門一棟、袖塀二棟、井戸屋形一棟、四阿二棟
名勝
披雲閣庭園
平成25年10月17日指定
都市計画決定
昭和23年11月25日(当初)
昭和49年4月30日(計画変更)
高松城案内
高松城は瀬戸内海に面して築城された海城で、日本三大水城(高松城、今治城、中津城)の1つに数えられています。
城は大きく分けて本丸、二ノ丸、三ノ丸、桜ノ馬場、西ノ丸、北ノ丸、東ノ丸、外曲輪からできています。また、本丸、二ノ丸を囲む内堀、三ノ丸、桜ノ馬場、西ノ丸、(北ノ丸)、(東ノ丸)を囲む中堀、外曲輪を囲む外堀の三重の堀に囲まれており、そのすべてに海水を引き込んだ城です。明治になり、外堀が埋め立てられ、外曲輪部分などが市街化していますが、本丸、二ノ丸、三ノ丸、桜ノ馬場、北ノ丸が往時の姿を伝えています
過去の高松城跡見学会等の資料
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