披雲閣庭園(ひうんかくていえん)
更新日:2019年1月24日
名勝
指定区分 国指定名勝
指定年月日 平成25年10月17日
所在地 玉藻公園内(高松市玉藻町2-1)
解説
大正3年から6年(西暦1914年から西暦1917年)に高松松平家第12代当主の松平頼壽(よりなが)(西暦1874年から西暦1944年)によって建築された披雲閣の庭として、同時期に東京の庭師大胡(おおこ)勘蔵(かんぞう)によって作庭された庭園である。
披雲閣本館北側には北東隅から南西隅に向けて延長150メートルほどの枯川(かれかわ)が適度に曲線を描きながら設けられている。その岸を構成する石材は花崗岩を主体とし、一部緑色結晶片岩も見られる。枯川中ほど北側には本庭園最大の築山が位置するが、2つの頂からなるこの築山は使用された石材や植栽の状況などから周囲とは異なる庭園と評価でき、『旧高松御城全図』に描かれていることから、江戸時代の御殿に伴う庭園を取り込んでいると考えられる。
枯川や築山のある庭園の重要な箇所には、雪見灯籠や春日灯籠など様々な形状と大きさの石造物が配されている。特に枯川の中ほどに架かる庵治石製の石橋や大書院の北側に置かれた銀閣寺型手水鉢は例を見ない石造物である。飛石や沓脱石とともに必要以上に大きさを誇る石造物・景石は本庭園の特徴の一つでもある。
植栽は松やウバメガシなどを中心とした海浜に適したものが中心となっているが、江戸時代から所在したと考えられるハゼ、イブキなどの古木も見られる。また、蘇鉄の間の北側に造られた築山上には全体に蘇鉄が植栽されるなど、披雲閣の各部屋には植栽された樹木にちなんだ名称がつけられており、披雲閣と一体化した庭園といえる。このほか特筆すべきものとして、昭和天皇・香淳皇后の御手植松も見られる。
また、披雲閣本館内には大小6カ所の中庭が造られているほか、披雲閣の東側には藤棚や花壇を設けた裏庭が所在する。
旧大名家が近代になって自城に作庭した例は、全国的にも少なく、その代表的事例とも言える。
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