北ノ丸
更新日:2018年3月1日
松平頼重は寛文10年(1670年)に天守の改築が完成すると、寛文11年からはこの北ノ丸と東ノ丸の拡張に力を注ぎました。特に北ノ丸はそれまでは海だった場所を埋め立てて造った曲輪です。現在の石垣にもその痕跡は残っており、継ぎ足した痕跡を見ることができます。なお、この曲輪に所在する月見櫓、水手御門、渡櫓の3棟は重要文化財に指定されています。
渡櫓台に見られる石垣の継ぎ足し痕
渡櫓の東面には、石垣を継ぎ足した痕が残されています。写真は継ぎ足し部分を写したもので、写真左のもともとの石垣は大きな石で積み上げられているのに対し、寛文11年(1671年)に継ぎ足された右側の石垣は小振りな石で積み上げられているのが見てわかります。また、継ぎ足し前の石垣には長方形や○や×といった刻印が見られますが、継ぎ足し後の石垣には刻印はありません。
月見櫓
月見櫓は延宝4年(1676年)に上棟された建物です。3重3階で、南側に続櫓と呼ばれる櫓が付属しています。月見櫓は付属の続櫓とともに昭和22年(1947年)に国宝(現在の重要文化財)の指定を受けました。昭和8年(1933年)松平家による修理、昭和30年から32年(1955年から1957年)の高松市による修理が行われました。なお、月見櫓は着見(=着くのを見る)から名付けられたと言われています。ここからは、瀬戸内海を一望できることから、海上の監視塔としての役割が考えられます。
写真:城内から見た月見櫓
水手御門
北ノ丸は埋め立てられて造られた曲輪なので、海に面しています。特に水手御門は海に向かって開く門としては現存する唯一のもので、重要文化財に指定されています。門は薬医門で、海側には階段状の施設が所在したことが発掘調査で判明しており、現在は石段を復元しています。江戸時代には水手御門から小舟で出て、沖に停泊する御座船飛龍丸に乗船し、遊覧を楽しんだり参勤交代に出かけたりしたようです。写真は明治34年以前の埋立て前の状況(公益財団法人松平公益会蔵)で、石垣の下まで海であったことがわかります。
写真:月見櫓古写真
渡櫓
渡櫓も重要文化財に指定された平櫓です。昭和30年から32年の修理の際には、石垣の継ぎ足し部分で使用木材が異なることも判明しました。なお、継ぎ足し前から存在する石垣上では海手門と呼ばれる門の礎石が検出されています。
写真:城の外側から見た月見櫓、水手御門、渡櫓
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