No.6 中河与一文学碑
更新日:2018年3月1日
碑主 中河与一(1897年~1994年)
- 所在地
サンポート(ミケイラ横)
- 碑文
「海の幾何學 船が高松の港に近づいた頃の景觀は、なんともいへず明るい。どうしてああいふ感情がわいてくるのかわからない。おそらく左舷にみえる長方形の屋島のせゐかもしれない。これは船と島との距離やその長い島の形にもよるだらう。テーブル・マウンテンと稱するああいふ山の形は、アフリカの南端の喜望峰にある山とこの屋島だけだといふが、平和で、豐かで、明晰である。アフリカでは峯にかゝる霧をテーブル・クロスと呼ぶさうであるが、此處でもさういふ現象は起る。源平合戰の古戰場は丁度この島の向う側の島陰にある。右舷に見える大槌小槌といふ二つの正三角形の島も形の上では實に珍しい島である。その邊の景色を左右するほど大きいものではないが、なんとなく可憐な感情を起させる。外國航路の船はみなこの二つの正三角形の間を通過していく。夕方など西日の中でこれらの島々のシルエットをみると、屋島の長方形と一緒に海の上の幾何學を感じる。港にあがると、そこから一直線に栗林公園の方へ、廣い樟の街路樹をもつた近代的な道がついてゐる。高松といふ街は清潔で爽快なものを第一印象として與へるやうである。 中河与一 作」
- 建立年月日
平成16年3月
- 備考
碑文の「海の幾何学」は、昭和7年に出版された随筆集「左手神聖」からの一遍。高松市上下水道工事業協同組合法人化50周年記念事業の一環として高松市に寄付された。
