「閻魔堂」について
更新日:2020年10月11日
「閻魔堂」は大正五(一九一六)年八月号の第四次『新思潮』に発表された菊池寛の戯曲作品です。
「閻魔堂」あらすじ
舞台は退廃しきったある大寺。仏罰をあたえない本尊を嘲弄する小僧たちや、閻魔像の前で逢引きをする少年僧(秀寛)が登場します。小僧たちはある日菩薩像を盗み、それを金にかえて遊びに行く相談を、あろうことか閻魔像の前でしていました。彼らは盗んだ菩薩像を閻魔像中に隠し、去っていきます。
彼らが去った後、秀寛は逢瀬を楽しみますが、寺の堕落に悪口を言い、ついには閻魔像がなんの役にも立たないと殴り始めます。調子に乗った秀寛が閻魔像の口に手を突っ込んだとき、閻魔像の目がギロリと光り、大きな口が開いて秀寛の二の腕に噛みつき、暴れる秀寛をがつがつと噛んで呑み込んでしまいます。
そこへ先ほどの小僧たちが仏像を取り出して金に換えようとやって来ます。しかし菩薩像が手に触れません。不審に思った彼らが次々と手を入れると、ふたたび閻魔像の目がギロリと光り、小僧たちの手首に噛みつきました。閻魔像は彼らの手首に噛みついたまま、もとの木像に戻ってしまいました。
原稿について
原稿に書かれた赤字の俳句「明眸の見るもの沖の遠花火」と「花火やんで美人は酒に身を投ぐる」は、菊池の友人・芥川龍之介によるもので、一つ目の俳句は井川恭宛書簡にみることができますが、二つ目の俳句は未発表と推定されます。創作意欲にもえる若き芥川が、つい友人の原稿に落書きしてしまった貴重な原稿です。
「閻魔堂」全文は『文藝もず 二十号』でお読みいただけます。
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