市長定例記者会見(令和3年8月11日)
更新日:2021年8月20日
日時・場所
(日時)令和3年8月11日(水曜日) 午前11時30分から12時16分まで
(場所)防災合同庁舎301会議室
報告事項
(1)第8次高松市行財政改革計画(令和2年度)実績報告について
(2)たかまつスポーツ栄誉賞の授与について
市長説明
題材に入ります前に、本市の新型コロナウイルス感染症の状況等につきまして、一言申しあげたいと存じます。
御承知のとおり、現在、首都圏を始めとして、全国的な感染拡大が続いており、8月5日には、全国で初めて1万5千人を超えるという多くの新規感染者が確認されたところでございます。そういう意味で、きわめて厳しい状況となっております。
こうした中、本市におきましても、7月下旬以降、急激な感染拡大が続いており、直近1週間(8/3(火曜日)~8/9(月曜日))の新規感染者数は171人で、前の週が156人、これよりも1割以上増えているということです。人口10万人に換算いたしますと、直近1週間の新規感染者数は41.1人となっているところで、これは、国が示めすステージ4(25人以上)を大きく超える状況になっています。このような状況が続きますと、医療提供体制のひっ迫度が増し、緊急事態的な状況にもなりかねないと存じております。
一昨日の対策本部会議におきまして、これまでとは違う対策をぜひ市民の皆様にもお願いをしたいということでございまして、人の流れが活発化する夏休みやお盆の期間中、今年の夏はいつもとは違った、「我慢の夏休み」としていただくよう、私から市民の皆様へのメッセージという形で発信させていただいたところでございます。メッセージは紙媒体と同時に動画で流させていただいているところですが、お手元にも資料としてお配りしているかと思います。
医療体制の逼迫に応じました保健所の体制強化もあわせてやると共に、市民の皆様にもお願いをして、少しでも新規感染者を減らしていこうということでございます。
特に3点お願いをしたいということでメッセージを出させていただいております。
新型コロナウイルス感染症というのは、人から人にうつる病気でございます。人が集まったり、あるいはそれによって飛沫感染、接触感染が起こることによって感染が拡大するということでございますので、その機会を少しでも減らしていただくことが大事ということでございます。特に、現在は夏休みであり、これからお盆に向かう時期でございますので、通常お盆ですと、いつも集まらない親族が集まったり、あるいは友達、同窓が集まってわいわい騒いだりするのが恒例ですが、そういうこと自体が感染拡大に直接つながっていくということで、今年の夏はいつもとは違う夏なんだ、と。昨年も皆様方にお願いをしましたが、それ以上に厳しい状況であるということを市民の皆様に認識をしていただいて、いつもと違った行動をしていただきたいということで、3点あげさせていただきます。
「日中を含めた不要不急の外出・移動は、自粛を」お願いしたいということでございます。どうしても「外出する必要がある場合は、極力、お一人又は少人数で、あるいは家族だけで外出をお願いしたい。そして、混雑した場所や時間を避けて」いただきたい」、また特に「県境をまたぐ不要不急の旅行や帰省、イベント参加などにつきましては、御家族などとも慎重に御相談いただき、基本的には『行かない』、御親族を『呼ばない』、集まる予定がある人も『延期』の選択を」ぜひ取っていただきたいということでございます。特にお盆の時期ということで、皆様方ご留意いただきたいというお願いをメッセージとして発信をさせていただいたところでございます。
本来であればお盆の時期ということで、御家族や親しい方と、楽しい時間を過ごされる時期であるとは存じますが、今回の状況に鑑みますと、御自身や御家族、大切な方の命と健康を守る意味があるわけでございます。そのために、これまで以上の感染防止対策の徹底と、お一人お一人の自覚と責任を持った行動を市民の皆様にお願いいたします。
ワクチンの接種につきましては御報告申しあげておりましたが、今回から、全体の状況について申しあげたいと存じます。
先週8月7日(土曜日)現在におきまして、294,300回接種を行っており、そのうち1回目の接種を終えた方が、159,833人で37.4%、2回目の接種を終えた方が、134,467人で31.5%となっております。
うち、65歳以上の高齢者の方々につきましては、1回目の接種を終えた方が、109,010人で92.4%、2回目の接種を終えた方が、102,551人で86.9%でございます。
また、先週7日(土曜日)から、64歳以下の方も対象とした集団接種が始まりました。
土曜日及び日曜日の2日間、市役所本庁舎13階大会議室、高松市立みんなの病院1階みんなのホールの2か所で1回目の接種の方、2,592人接種し、特段、大きなトラブルはなかったと伺っております。
さらに、昨日、香川県から、9月以降高松市に配分されるワクチンの量が示されました。接種の予約枠は現在、集団・個別とも空きがない状況でございますが、昨日示されました県からのワクチン量はそれにかなり追加となる見込みなので、地元医師会等関係機関とも協議し、遅くとも来週までには、追加の予約等について市民の皆様にお示ししたいと考えております。
これによりまして、9月半ば以降になろうかと思いますが、ワクチン接種を促進し、11月中には12歳以上、対象者のうちの8割程度の方がワクチン接種2回を受けられるような体制を考えていきたいと思っております。
それでは題材に入ります。
1点目は、「第8次高松市行財政改革計画(令和2年度)実績報告について」でございます。
第8次行財政改革計画では、「持続可能な財政基盤の確立」、「効率的・効果的な行政運営と人材育成」、「参画と協働によるまちづくりの推進」の3つの取組方針に体系化し、全庁を挙げて行財政改革の推進に努めてまいりました。
各年度において、財政調整基金の取崩し額が、決算剰余金による積増し額を上回らないことを目標にしておりますが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う事業の中止や、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を始めとした、国の地方財政措置等により、財政調整基金を取崩すことなく、決算剰余金のうち、14億円を積み立てることができたため、目標を達成できたものでございます。
次に、財政指標につきまして、「経常収支比率」は、地方消費税交付金などの経常一般財源が微増(+1億円)したものの、経常経費も大幅に増加(+18億円)したことにより、前年度比で、1.4ポイント上昇し、目標を達成することはできませんでしたが、「実質公債費比率」は、前年度比で、0.3ポイント改善し、目標を達成しております。
また、歳入増加額及び歳出削減額につきましては、令和2年度単年度では、目標の1億2,703万円に対して、実績は7億1,049万4千円となり、目標を達成しております。
このほか、プロジェクトチームによる取組といたしましては、ICT等を活用した業務改革など、6チームを設置して課題解決に当たり、一定の成果は得られたものと存じます。
また、外部評価において、「改善」又は「縮小」の判定を受けた事業については、計画に追加登載し、取組を推進したところでございます。
今後も引き続き、事務事業の見直しなど、歳出の削減に取り組むとともに、適正な進捗管理を行い、行財政改革の着実な推進に努めてまいります。
2点目は、「たかまつスポーツ栄誉賞の授与について」でございます。
7月23日から8月8日までの17日間にわたり熱戦が繰り広げられた東京2020オリンピック競技大会が終了しました。今大会には本市出身の選手が4名も出場され、素晴らしい御活躍を見せてくださいました。
まず、フェンシング男子エペ団体で出場し優勝した、宇山 賢選手です。初戦のアメリカ戦で、劣勢だったチームをスーパーリザーブとして出場すると、それを流れを変える活躍で、日本の勝利に大いに貢献されました。その後も、決勝のROC戦までエース級の活躍で、見事、日本フェンシング界、初の金メダルに導き、大きな感動を与えていただけたものと存じます。
宇山選手につきましては、本市で初のオリンピック金メダリストとなります。市民の誇りであり、また、コロナ禍において、我々に明るい希望を与えていただいたことを踏まえまして、先般、私から御報告させていただいておりますが、平成12年の中西 太氏、以来21年ぶり2人目となります市民栄誉賞を授与いたしますとともに、本庁舎南側に懸垂幕を掲揚しているところでございます。
そして、ハンドボール女子のメンバーとして出場いたしました、塩田沙代選手、大山真奈選手につきましては、ハンドボール女子としては、1976年のモントリオール大会以来の出場で、残念ながら、準々決勝進出は、叶いませんでしたが、予選リーグのモンテネグロ戦では、実に45年ぶりの勝利を収めるなど、強豪を相手に素晴らしい戦いを見せていただきました。
また、射撃10mエアピストルの堀水宏次郎選手につきましては、個人戦と混合団体戦に出場されました。予選の個人戦で16位、混合では20位といずれも決勝進出には届きませんでしたが、個人戦では、予選通過までの差はわずかで、高い集中力を発揮され、非常に健闘されたと存じます。
このような、塩田選手、大山選手、堀水選手の3名の御活躍を称える趣旨で、今年度、創設いたしました「たかまつスポーツ栄誉賞」を授与することといたしました。
授与式の日程等につきましては、現在、調整をしているところでございます。
オリンピックに出場いたしました4選手の皆様方におかれましては、コロナ禍で、非常に暑さの厳しい中での大会であったと存じますので、まずは、体をゆっくりと休めていただき、今後もますますの御活躍を期待しております。
また、今月24日に開幕しますパラリンピックにおいて、車いすフェンシングの個人サーブル、フルーレの2種目に出場を予定しております、阿部知里選手につきましても、初のパラリンピックの舞台で、大いに活躍されることを期待しております。
なお、たかまつスポーツ栄誉賞の授与につきましては、パラリンピック終了後、別途お知らせをさせていただきます。
記者との質疑応答要旨
【記者】
若い世代のワクチン接種の促進が課題だが、どのように取り組んでいくのか。
【市長】
現在、第5波の中で、特に若い人たちの感染者が増えています。実際、本市においても、年代別に見ますと、若い世代が非常に多くなっているというのは確かです。一方でワクチン接種について若い人たちが比較的消極的であるという話も聞いています。
本市の8月の集団接種の年齢別予約状況は、50歳代が29.4%、40歳代が24.9%に対して、30歳代が14.5%、20歳代が8.8%、10歳代が10.6%といった状況でございます。全体の予約の中の50歳代、40歳代が半数以上を占めており、若年層が予約が少ないという状況です。高齢者の方に比べまして、若い世代は副反応に対する不安を感じている方や、感染しても重症化しないと考えている方が多いのではないかと考えております。
本市では、これまでにも「感染・発症・重症化の予防」といったワクチン接種による効果と、「発熱、頭痛など副反応の発症」というリスクについて、接種券に同封しているリーフレットで広く周知しています。また、多くの方が目にする情報紙に特集記事を掲載するなど、若者に対しても周知に努めてきたところでございます。
現在、第5波が到来する中で、自身の健康だけでなく、身近な人や社会全体の安心した生活を守るためにも、若い世代の皆様に、ワクチン接種への不安をできる限り払拭していくことが重要であるものと存じます。
国からのワクチンの供給量がどうにか目途がついたので、今後これまで以上に若い人たちも含めて、市民の皆様にワクチン接種を受けていただきたいという呼びかけを強化していきたいと思っています。広報高松など各種広報媒体での周知をはじめ、若者がよく利用するSNSやユーチューブなどで、若者層に影響力のあるインフルエンサーを起用した動画の発信、手段を選びながら、若い人たちに対して積極的なワクチン接種を呼びかけまいりたいと思っています。
いずれにいたしましても、副反応を心配されワクチン接種を躊躇されている方もおられると思います。ただ、感染収束の切り札とされているのがワクチン接種と言われているので、感染予防に対する効果、副反応のリスクなど、正しい情報をお届けし、正しい知識を持って、それでもメリットの方が大きいということを御理解いただき、積極的なワクチン接種を受けていただけるよう取り組んでまいりたいと存じます。
【記者】
9月以降のワクチンの配分量と予約体制は。
【市長】
ワクチンの供給量ですが、高齢者接種が一番盛んな時期であった6月は、本市には2週間で50箱程度配分されていました。それが、7月に入り、半分の25箱、さらに1割削減となって、23箱、ワクチンの供給量が滞り、今後の64歳以下の方の接種について、予約を制限せざるを得ない、非常に窮屈な予約枠の中でやっているというのが現状です。
そのような中、国に対する要望が各自治体からも出されており、県とも相談して、これまでは、国の考え方として、ワクチンの在庫を勘案し供給するということで、在庫があるからいらないだろうということで減らされていましたが、我々としては、在庫は2回目の接種分であり、すでに予約済みの分であるということで反論していました。そういったやりとりを進める中で、最終的には12歳以上の方の8割程度打つという結果を出すのが大事であり、今後の非接種率の割合に応じて各自治体に配分するのが効率的ではないのかということで、県とも調整をした結果、第13クール、8月30日から約48箱のワクチン供給がされる見込みとなったということです。その後の14クール、15クールについても見込みではございますが、47箱程度が供給されるということで、8月30日から供給されてもすぐに医療機関に配られるわけではないので、タイムラグはありますが、9月中旬以降は、今の倍の追加が可能となったということであり、しかるべき時に予約開始を行ってまいりたいと思います。
個別接種について、どういう形で個別医療機関に配分するのかは、これから医師会と協議をするので、協議結果が出たら、遅くとも来週の頭くらいまでには市民の皆様にお示しをした上で、具体的に予約開始の手続きを進めてまいりたいと思います。
【記者】
9月中旬以降の予約枠の見込みは。
【市長】
追加の予約枠は取れるということです。本市の場合、オンライン予約とコールセンター予約、個別医療機関への直接予約がありますが、そこの予約枠は今、集団接種も個別接種もほぼ100%埋まっておりますので、それと同数くらいの予約枠が追加になるということです。医療機関でどの程度追加になるのかっていうのは、これからの決め方次第かと思います。
【記者】
保健所のひっ迫具合を、市長はどのように捉えているのか。
【市長】
本市の場合、何度か新規感染者の発生については波があり、例えば6月の終わりから7月の頭にかけてはほぼ0という日が続きました。そういう時には保健所としては、今、療養している方の対応、日常的な業務だけで終わるわけですが、新規感染者が発生いたしますと、その新規感染者の行動履歴などを疫学調査と言いますが、それらを聞き取りした上で調書にまとめて、それを最終的には厚労省に報告するという手続き、あとは報道発表により、概要を市民の皆さまに知っていただくという手続きがあるので、人手がかかるわけです。そのような聞き取りなどは通常の日常支援業務を行っている保健師等が行っていたので、その仕事が重なってきて、しかも病院でPCR検査で陽性が出て、午前中に出たらそこから連絡を取って夕方くらいまでには聞き取りを終えて、保健所の検査、行政検査ででは、昼過ぎまでに検体を取り終え、環保研から結果が出るのが夜になり、そこから該当者に連絡し、聞き取り、取りまとめるということで、どうしても夜中になってしまう、それが4・5人程度であればどうにか前の体制で回っていたけれども、ここしばらくは20人30人超えるような状況になっているので、保健所で回らなくなったということです。聞き取り調査なら事務職にもできるということで、事務職を追加で当て込み、保健師を専門的な療養の対応に回していくということにしています。
基幹病院、協力病院の協力が一番大事なので、私自身も保健所と一緒になって、各基幹病院の院長先生をご訪問させていただき、これまで以上のご協力をお願いした。特に、新規感染者が出た場合に、入院させるか療養施設に送るか、あるいは自宅待機なのか、いわゆるトリアージをより強化していただくと同時に、入院時のベッドについても、より拡充をというお願いをしてまいりました。そういうのも併せて、保健所プラス医療体制という形で感染者数がどんどん増えてもギリギリではありますが対応できるような体制を整えてまいりたいと思っています。
幸いにして、香川県には重症者がほとんど出ていませんので、重症病床はまだあるという状況ですが、いつ何時逼迫した状況が起こるかは分かりませんので、そのための準備はできるだけのことはしていきたいと思っています。
【記者】
病床数が不足する場合の自宅療養について、どのように考えているのか。
【市長】
県全体での調整が必要になるので、県の意向が主体になると思います。トリアージについては、肺炎症状を判断するのはCTを使う必要があるので、基幹病院で対応していただく必要があるということで、基幹病院の対応をお願いするのが1つかと思います。
治療の上で大事なのは、同じ入院でも病状の程度によって専門病院的な病床が必要な場合と、あるいは完全に回復期で、一般病床に入れても数日で退院できるという人がいて、ある程度病状が重い方を中心に入院をして、軽い方は退院できないまでも他の医療施設で面倒を見られるところに移していくという病院間の役割分担と連携体制が取れることが非常に大事だと思っています。そういう意味で、私は各病院を回らせていただき、話を聞いた上で、その辺りの連携をお願いしました。
自宅療養の考え方ですが、国からあのような形で打ち出されて、まずは東京でという話ですが、各地域の事情は全然違うとので、香川県にあった形で、療養のホテルについても、ある程度、枠が確保できていると聞いているので、その辺りの兼ね合いで、どういう体制でやればいいのか、あとは保健所の体制も踏まえた上で県と具体的に相談をしてまいりたいと思っています。
【記者】
まん延防止等重点措置の適用に対する所感は。
【市長】
現在、県独自で、高松市の飲食店に対しての時短営業を要請しています。これまでの新規感染者の発生状況を見て、一時期、県内の感染者のうち高松市が7割8割を占めていたという状況で、非常に多いということと、市内の飲食店において感染したのではないかと疑われる例が多かったということです。この前の保健所の調査でも感染経路不明が一番多く、その次は家族からの感染、その次が飲食店での感染となっていましたので、ある程度、高松市に限って飲食店の時短要請を行い、感染拡大を予防するというのは非常に意味があると思っています。
それ以上に特措法に基づいた、まん延防止等重点措置まで申請するかどうかというのは、総合的に考えた上での県の判断でよろしいのではないかと思っています。今のところ、時短要請についてもかなり協力していただいておりますし、市としても飲食店の協力について折に触れて依頼等もしていきたいと思います。事業者の方への働きかけを折りに触れてやっていきたいと思っております。
要は、飲食店の時短を厳しくすれば感染が収まるわけではございませんので、総合的な対策として、市民の方1人1人が基本的な感染拡大対策はもとより、市中感染が広がっている状況を正しく認識していただき、1人1人の行動を、ある程度制約して我慢していただく、そういった夏休み、お盆にしていただくようお願いしたいと思っています。
【記者】
今後の屋島活性化の展望は。
【市長】
屋島山上交流拠点施設は、ご承知の通り、源平合戦の史跡であり、メサという地形、あるいは植生、動物の生態系等において、非常に貴重な文化財として、国の天然記念物にも指定されています。昭和9年に最初に指定を受けた国立公園の第1号の瀬戸内海国立公園の中心地でもある非常に文化財的価値の高いもので、高松市のシンボルと言っていい存在です。
ただ、この屋島は昭和40年代後半には、修学旅行ブーム等でにぎわった時期がありましたが、その後、山上の旅館やホテル等の廃業が相次ぎ、廃墟となりました。私が市長となった当時、廃墟として本当にみすぼらしい姿をさらしていました。これではだめだということで、平成23年度に屋島をどうにか活性化したいという会議をはじめ、平成25年に屋島活性化基本構想を作りました。44ほどの事業を挙げておりますが、その中の1つ、目玉事業がこの山上交流拠点施設です。
屋島は国立公園として立派な文化財的価値があるものですが、ビジターセンターのような施設が全くありません。また、あれだけの景観があって、特に夕景や夜景も素晴らしいものがありますが、それを楽しむ場がないということもあり、文化庁とも協議し、1つは展望機能を持ったもの、色んな会議をやる場合のユニークベニューとしての施設、またビジターセンター、屋島の文化的価値や自然などを紹介するビジターセンター的な要素をあわせもった、しかもあの場所に合うような、それ自体が芸術的な価値を有するようなデザインの施設を作っていこうということで、国際プロポーザルを経て設計者を決め、現在に至っております。
今年度、入札不調等もあり、いざ着工となったのが令和2年3月、まさにコロナ禍が始まった時期で、コロナ禍の影響で工期が遅れたということと、天然記念物で安山岩のメサの地形も、事前のトレンチ調査では大丈夫だろう、と文化庁長官の許可も得ていたが、実際、基礎を掘ってみると、安山岩が出てきたということで、安山岩を壊すわけにはいかないということで設計変更を余儀なくされました。そのようなことで、9か月の工期延長が必要となり、また、そのための追加経費等も必要となっている状況です。
様々な困難はございますが、どうにか素晴らしい施設ができると私どもは考えておりますので、これをやり遂げて屋島の活性化に繋げていきたいと思っています。
【記者】
屋島山上拠点施設をどのように活用し、活性化につなげていくのか。
【市長】
その施設を使い、会議室、展望台、屋島の史跡にちなんで源平合戦の様子を描いたパノラマ画というのも鑑賞施設に導入するということにしておりますので、その辺施設運営等についても、民間の運営ノウハウ等も取り入れながらやっていきたいと思っております。
【記者】
屋島山上拠点施設の整備により、どの程度の観光客を見込んでいるのか。
【市長】
少し前までは50万人程度の観光客でした。これを基本構想の中では70万人程度の観光客を目標にしています。
【記者】
屋島山上拠点施設基本構想は前回の改正から6年が経過し、状況も変わっているが、構想を見直す考えはないのか。
【市長】
現在、山上交流拠点施設も建設中なので、それができたあと、周りの民間施設、例えば四国村のリニューアル、あるいはれいがん茶屋のレストラン等もリニューアルしている、また、水族館も新たにリニューアルするということです。ドライブウエイについては、民間の有料道路から通常の市道に変わって無料化されています。新たな屋島が見えてきていますので、それに基づいて、どういう風に活性化していくのか、時期を見て色々考えていきたいと思っています。
【記者】
屋島活性化は実現できると考えているのか。
【市長】
やらなければならないと思っています。
【記者】
今後のワクチン接種を推進するための方策は。
【市長】
これまでは接種希望者に対して供給量が少なかったので、いわゆる早い者勝ちでしたが、それでも個別医療機関の中には予約枠が空いているところもあり、まだ予約が可能な機関の一覧をHPで公表して、市民の皆様に予約をしてたいだく方法を取りました。そうすると、1週間も経たずに、全体の枠が埋まるという状況になりました。今後、予約枠がかなり増えますので、それに応じて、オンライン予約、コールセンター予約、個別医療機関での予約、それぞれ自分に応じた方法で予約していただき、ある一定段階で、まだ予約空きがある医療機関一覧をあげながら、全て予約が均等に埋まっていくような形を取っていきたいと思っています。また、集団接種も組み合わせながら、バランスよく、1人でも多くの方が接種できるように考えていきたいと思っています。
【記者】
市民が市からの情報を定期的に確認する必要があるが、ワクチン接種のスケジュールをどのように周知していくのか。
【市長】
広告、チラシ、HPを中心とした色んな呼びかけをしていきたいです。今度の予約は何日から始めますよというのは、きちんと全ての市民に伝わるような形で実施してまいりたいと思います。
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