平成24年第1回高松市議会定例会(平成24年3月5日)
更新日:2018年3月1日
平成24年第1回高松市議会定例会市長提案説明(所信表明)
平成24年第1回高松市議会定例会が開会されるに当たり、提出いたしました諸議案の説明に先立ち、所信の一端を申し述べたいと存じます。
東日本大震災という未曾有の大災害の発生から、今月11日で、はや1年を迎えようとしております。日本の「戦後」が終わり、「災害後」という意味での「災後」が始まると記す有識者がいるように、正に、東日本大震災が起こった平成23年は、歴史の記録と人々の記憶に残る年になるものと存じます。
被災地の復興は緒に就いたばかりであり、壊滅的な被害と様々な形で起きる風評被害、更には原発事故と全国的な電力不足などにより、復興の道のりは、前途多難でございます。しかしながら、震災を契機として、いろいろな形で強固になってきております人と人、あるいは地域の「絆」を大切にしながら、一日でも早く、明るい未来の展望が開けることを強く望んでいるところでございます。
本市といたしましても、職員の派遣など、必要な支援策を継続して講じるとともに、今回の災害を教訓として、地域防災計画の見直しなど、市民の皆様の安全と安心の確保のため、防災対策の一層の充実を図ってまいりたいと存じます。
さて、私は、昨年4月の統一地方選挙において、再び市民の皆様の御信任を賜り、引き続き、高松市長として就任をさせていただきました。再任以降、その重責を噛みしめながら、1期目の4年間に築き上げてきた確かな土台の上に立ち、同時に、選挙時にお示しした私の「マニフェスト2011」の施策の実現を中心にして、誠心誠意、職務に当たっているところでございます。
平成24年度は、20年度から27年度までの8年間を計画期間とする「第5次高松市総合計画」の折り返しとなる、後半の4年間がスタートする年でございます。そのため、新たな第3期の「まちづくり戦略計画」に基づき、総合計画の最終年度である27年度を見据えて、総合的かつ計画的に市政運営に努めてまいりたいと存じます。
私は、本市の未来像として、2期目のマニフェストにおいて、「創造性豊かな海園・田園・人間都市へ」というテーマを掲げております。これは、中心市街地を核として瀬戸内海に浮かぶ島しょ部やウォーターフロント、また、郊外の田園部とが機能的に融合し、都市的利便性と潤いある海や田園の穏やかさが、共に享受できること、さらには、そこに住んでいる人々が幸せと感じる人間中心の都市のことでございます。
本年は、この「創造性豊かな海園・田園・人間都市」のイメージを確立し、本市の個性や魅力を国内外に広く発信してまいりたいと存じます。
具体的には、「創造都市」をテーマに掲げ、来年度から設置する創造都市推進局を中核的推進組織として、産業、ものづくり、国際交流、観光、文化芸術、スポーツの各分野を有機的に連携させた「高松」の都市ブランドを確立し、総合的かつ効果的にシティプロモーションを行ってまいりたいと存じます。
この創造都市を推進することにより、市民の皆様の地元・高松に対する誇りや郷土愛を根付かせ、より自主的なまちづくりへの参画やまちの発展・飛躍への貢献に対する動きが高まることが、期待できると存じております。加えて観光客等に対するホスピタリティの精神がより強まるなど、一過性でなく持続的にまちが発展していく環境が創出されるものと存じます。このような循環型のシティプロモーションの展開によりまして、観光や産業の振興が図られ、地域社会の活性化や経済基盤の安定につながっていくものと考えているところでございます。
一昨年の瀬戸内国際芸術祭、昨年のアジア太平洋盆栽水石高松大会と続いた国際色豊かなイベントの成功を受けて、今年は、その成果をより確かなものとして今後に生かすとともに、NHK大河ドラマ「平清盛」の放映を契機として、「平家物語」の舞台で、源平の古戦場として縁のある「屋島」の魅力をPRし、観光屋島の復活を図ってまいりたいと存じます。
さて、本年1月、国立社会保障・人口問題研究所が公表した今後の将来推計人口では、50年後の日本の総人口は、現在の約3分の2まで減少し、高齢化率は約4割まで上昇するなど、超高齢社会が、一層、進展するという厳しい未来像が示されたところでございます。
本市におきましても、一昨年の国勢調査の確定値では、前回の調査から、微増となったものの、この確定値を用いて、改めて本市の将来人口を推計しますと、全国の傾向と同様に減少が続き、2050年には約31万人まで落ち込み、高齢化率が約43パーセントになることが予想されるところでございます。
また、近年、人々の意識や価値観が多様化する中で、人々の心は、経済的豊かさの追求のみならず、心の豊かさを重視する方向へ変化してきております。
こうした本格的な人口減少・超高齢社会においても、それぞれの地域が経済的、社会的に活力を失わず、人々が真の豊かさや幸せを実感しながら生きていくことのできる方策を、真剣に模索、検討しながら都市を再生する必要があると考えております。このような厳しい時期こそ、私が1期目のマニフェストで掲げた「文化の重視」と「人間性の回復」という理念が一番、大切になってくるものと存じているところでございます。
心の豊かさをもたらし、生活にも、ゆとりと潤いを与えてくれます文化芸術やスポーツなどの持つ創造性を生かした産業振興や地域活性化の更なる取組、また、良好な都市景観と環境美化にも配慮した、市民との協働によるコンパクトで美しいまちづくりなど、創造都市の推進を通じて、1期目の「文化の重視と人間性の回復を基本理念とした真の田園都市・高松」と2期目の「創造性豊かな海園・田園・人間都市へ」に共通する本市の理想とする都市像を具体的な姿にしてまいりたいと存じます。
昨年は、一部職員による不祥事が相次ぎ、市民の信用を失墜するような恥ずべき事態となりました。私は、年頭の仕事始め式の挨拶で、本市のどんな施策も市民の信頼なくしては決して進めることができない旨、訓示したところでございます。今後の再発防止と、市民の皆様の信頼回復に向けて、私が先頭に立って、市民の信頼と期待を自覚し緊張感を持って職務に当たるとともに、本市の目指すべき都市像「文化の風かおり 光かがやく 瀬戸の都・高松」の実現に向け、全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じますので、引き続き、議員各位並びに市民皆様方の格別の御理解、御協力を賜りますよう、お願い申しあげる次第でございます。
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