平成23年第3回高松市議会定例会(平成23年6月28日)
更新日:2018年3月1日
平成23年第3回高松市議会定例会市長提案説明(所信表明)
平成23年第3回高松市議会定例会が開会されるに当たり、まず始めに、これからの市政運営に対する私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに市民皆様方の格別の御理解と御支援、御協力をお願い申しあげたいと存じます。
本題に入ります前に、去る3月11日に発生いたしました東日本大震災により、甚大な被害を受けた皆様に、改めて、心からお見舞いを申しあげますとともに、被災地の1日も早い復興をお祈りする次第でございます。
今回の東日本大震災による被災地の復興に向けましては、復興に当たるマンパワーが圧倒的に不足している中で、多くの地方自治体が、職員の応援派遣や支援物資の提供に積極的に取り組むなど、自治体間の連帯や支え合いを全国市長会などの主導により自治体自らが主体的につくり出し、国難とも言える厳しい事態を乗り越えようとしております。そして、被災地からは、住民相互の助け合いや支え合いといった、人と人との結び付きや地域のつながりの大切さが伝えられ、「地域力」の重要性を多くの人が再認識させられました。また、多くの自治体で庁舎そのものが被災するなど、極めて困難な状況下で奮闘する市町村職員の姿に、改めて、住民に最も身近な基礎自治体の役割と機能の大きさと重要性を私自身も再確認したところでございます。
本市におきましても、被害に遭われた自治体に対し、人員の派遣や物資の提供など、できる限りの支援を行っているところでございまして、今後とも最大の関心と愛情を持って、支援の手を息長く差し伸べてまいりたいと存じます。
さて、私は4月の高松市長選挙において再選を果たし、引き続き高松市長として、市政の舵取り役を担わせていただくこととなり、去る5月2日より2期目の任期をスタートしているところでございます。市民の皆様の御期待にお応えしなければならないという使命感と、その重責を痛感するとともに、第5次高松市総合計画に掲げた本市の目指すべき都市像「文化の風かおり 光かがやく 瀬戸の都・高松」の実現を目指し、これまでにも増して、誠心誠意、全身全霊を込めて、その任務に当たりたいとの決意を強くしているところでございます。
私の1期目の4年間を振り返りますと、平成19年5月に高松市長に就任して以来、「文化の重視」と「人間性の回復」を基本理念として、すべての市民が暮らすことに誇りの持てる「真の田園都市・高松」の構築を目指し、各種施策の推進に全力を傾けてまいったところでございます。
この間、合併により人口42万人を擁することとなった、新生高松のまちづくりの基本方針となる第5次高松市総合計画の策定を始め、都市計画マスタープランの改定や、自治運営の基本原則を定めた自治基本条例の制定など、本市の新しいまちづくりの大きな枠組みや方向性をお示しした、言わば今後のまちづくりの確実な基礎が築けた4年間であったと存じております。
2期目におきましては、これまで築き上げてまいりました確かな土台の上に立ちながら、お示ししたまちづくりの方向性や枠組みに沿って、各分野の政策・施策を、より具体的な内容として実行に移し、目に見える成果として、言わば花を咲かせ、果実を付けてまいりたいと存じます。
国会におきましては、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」などの、いわゆる地域主権改革関連3法が、去る4月28日に成立いたしました。法律の名称や地域主権改革の言葉の扱いをめぐって難航したものの、中央集権体制を抜本的に改め、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担えるようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むという目指す方向性については、これまでの地方分権改革を踏襲しており、それが一歩前進したものと存じます。
中でも、地方の長年の悲願であった国と地方の協議の場の法制化が実現しましたことは、社会保障と税の一体改革など、地方行政に影響を及ぼす重要課題を協議していく上で、大きな意義があるものと存じております。今後、このような国の制度づくりの議論に、実践を担う地方自治体が直接参加することにより、地域の実情に見合った施策展開や行政サービスの向上が期待されているところでございます。
このように今後本格化する地方分権型社会の在り方もにらみながら、私は、今回の市長選挙への立候補に当たり、「高松クリエイティブ・イノベーション 創造性豊かな海園・田園・人間都市へ」をテーマとして、「マニフェスト2011」を市民の皆様とのお約束としてお示しいたしました。このマニフェストには、今後の市政運営において重視すべき12の政策キーワードの下、60の具体的な施策を盛り込んでいます。
12の政策キーワードは、「コミュニティ」、「子ども・子育て」、「教育」、「芸術文化・スポーツ」、「コンパクトで美しいまちづくり」、「環境」、「保健・福祉・医療」、「観光」、「公共交通・自転車」、「ものづくり・産業・雇用」、「安全・安心」、「行財政改革」であります。
そのうち、特に重点的に展開をしたい政策について、その概略を申しあげます。
まず、「コミュニティ」の再生でございます。
都市化や核家族化の進展により、人間関係や地域の結び付きが希薄化している状況において、地域の絆や人の絆を大切にする地域社会を構築するため、地域コミュニティ協議会の活動を中心に、ハードとソフト両面で関連施策を積極的に展開し、真の「コミュニティを軸にしたまちづくり」を推進してまいりたいと存じます。
次に、「安全・安心」な生活の保障でございます。
近い将来に高い確率で発生することが予想されております東南海・南海地震など、大規模災害が起こった際にその被害を最小限にするための対策を早急に講じてまいります。特に、今回の東日本大震災を教訓に、自助・共助の重要性について御理解をいただきながら、地域における防災対策の中心となる自主防災組織が、すべての地区において組織されるよう支援してまいります。また、県と連携しながら地域防災計画を見直すなど、早急に新しい防災体制を構築し、安全・安心に暮らすことができるまちづくりに取り組んでまいりたいと存じます。
さらに「子ども・子育て」支援施策では、家庭の子育て機能の低下などにより、子どもを取り巻く環境が、より厳しさを増している現状を踏まえ、子どもに対する基本的な考え方や、子ども・子育ての支援の在り方を定める「子ども条例(仮称)」を制定したいと考えています。さらに、プラネタリウムなどの学習機能を備えた「子ども未来館(仮称)」を整備するなど、子どもや子育ての支援施策を更に充実させてまいります。
これからの人口減少、少子・超高齢社会において、地域社会が活力を失わず、市民が誇りの持てるまちであるためには、まちづくりの考え方を、これまでの拡散型から集約型へ大きく方向転換していく必要がございます。中心市街地とともに市域内の交流拠点となる地域に、ある程度の機能を集約し、その大小の核を公共交通などで結び、加えて、都市の魅力を高めていくため、「美しい」という観点にも配慮した「コンパクトで美しいまちづくり」に取り組んでまいりたいと存じます。
また、市民の心の豊かさや幸せをもたらす「芸術文化・スポーツ」の振興を図るとともに、「観光」の振興においては、屋島の復活を図るとともに、高松ブランドの国内外への情報発信力を高める施策を展開してまいります。
昨年開催し、予想以上の大盛況を博しました瀬戸内国際芸術祭で地元のわれわれ自身が再認識させられたところですが、「世界の宝石」とも称された美しい瀬戸内海に面した本市の様々な魅力は、まだまだ十分には掘り起こされておらず、情報発信もより積極的に行っていく必要がございます。今後、本市の地域特性を最大限に生かしながら、これまで述べてきたような各政策分野の主要施策の展開を通して、創造性豊かな海園・田園・人間都市づくりを推進してまいりたいと考えております。
以上、私のマニフェスト2011に掲げた、これからの新しいまちづくりの方向性や具体的な施策の一端を申しあげました。
本市では、昨年2月、自治運営の基本原則などを定めた「自治基本条例」を施行し、「情報共有」、「参画」、「協働」による市民主体のまちづくりに取り組んでいるところでございます。
2期目の市政運営に当たりましても、この基本的な考え方にのっとった運営を、特に心掛けてまいりたいと存じており、職員に対しましても、常にアンテナを高くしながら、現場主義を徹底し、積極的に地域に出て率先して行動すること、そして「情報公開の徹底」、「コミュニケーションの活性化」、「説明責任の全う」の3つの方法論の徹底を図ることを訓示したところでございます。
そして、本市の更なる発展のため、私自身が先頭に立って地域や現場に出向き、市民の皆様の声に耳を傾け、職員ともども知恵を出し合いながら、全力を挙げて市政運営並びに高松市の新しいまちづくりに当たる所存でございます。議員各位並びに市民皆様方の変わらない御理解と御協力をよろしくお願い申しあげ、私の2期目のスタートに当たりましての所信といたします。
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