平成22年第1回高松市議会定例会(平成22年3月4日)
更新日:2018年3月1日
平成22年第1回高松市議会定例会市長提案説明(所信表明)
平成22年第1回高松市議会定例会が開会されるに当たり、提出いたしました諸議案の説明に先立ち、所信の一端を申し述べたいと存じます。
私が高松市長に就任し、市政をお預かりすることになって、早いもので、今年5月には、4年目を迎えます。この間、議員皆様方には格別の御理解、御協力を賜り、厚くお礼を申しあげます。
今年―2010年は、本市が1890年に、全国で40番目の市として市制を施行して、120周年の節目を迎える記念の年であります。60年の倍、いわば2度目の還暦を迎えますことから、市政運営においても、暦と同様に今一度原点に返り、再スタートの新たな気持ちで臨みたいと思っております。そして、改めて本市のこれまでの歩みを振り返り、現在の礎を築いていただいた先人の業績に感謝するとともに、風光明媚な自然と利便性の高い都市機能を備えた本市を、更に発展させ、将来に引き継ぎ、すべての市民が暮らすことに誇りの持てるまちとして、発展させていかなければならないとの決意を新たにしております。
取り分け、今年は、二つの大きな国際文化イベントが開催される予定になっております。一つは、現代アートの祭典・瀬戸内国際芸術祭2010で、サンポート周辺と、女木島や男木島、大島、直島、豊島、小豆島、また、岡山の犬島を加えた瀬戸内海の七つの島々を舞台に、7月19日の海の日から10月末までの105日間開催されます。また、もう一つは第2回高松国際ピアノコンクールで、今月17日から28日までサンポートホール高松で開催され、日本人14人と外国人26人の新進気鋭のピアニストによる華麗なる競演が繰り広げられる予定でございます。これら二つの国際色豊かな催しは、瀬戸の都・高松の魅力を世界に向けて発信する絶好の機会であると思っております。これらの催しには、国内外を問わず大勢の方が訪れることが予想されますことから、是非とも成功に導き、交流人口の拡大や、地域の活性化につなげてまいりたいと存じます。
さて、国においては、昨年の衆議院議員総選挙において、歴史的な政権交代が行われ、民主党を中心とした新政権が誕生しました。新政権の方向性は必ずしも十分に明確になっていない面もございますが、「コンクリートから人へ」などのスローガンの下、大きく政策の転換が図られようとしています。また、明治維新以来続いてきた中央集権体制から、地域主権国家への抜本的な転換が図られ、地方分権改革が加速されるという方向性は間違いのないものと存じます。人に対する行政サービスの多くは、我々基礎自治体が担っているところであり、教育や福祉を中心とした人に対する投資はますます重要性を増し、地域主権への転換とあいまって、これまで以上に、我々の役割は重要となり、責任も重くなるものと存じます。
このような状況下において、本市では、平成20年度からスタートさせた第5次高松市総合計画において、人口減少や少子・超高齢社会に対応し、市民生活を第一とした真の豊かさを実感できる、ソフト戦略を重視する方向へと既に舵を切っているところでございます。その具体的な事業計画となる第1期まちづくり戦略計画を、ここ2年間着実に推進してまいったところでございますが、このたび、社会情勢や市民ニーズの変化を的確に捉えるとともに、今後の地方分権社会にふさわしい、地域特性を生かした個性豊かで活力に満ちたまちづくりを念頭に、来年度からの3年間を計画期間とする第2期まちづくり戦略計画を策定いたしました。
また、昨年12月市議会におきまして、全会一致で可決をいただきました高松市自治基本条例は、本市の自治の基本理念や基本原則などを定めたもので、この条例を市制施行120周年の記念日であります、去る2月15日から施行したところでございます。
この条例において、情報共有、参画、協働を市政運営の基本となる3原則として定め、地域コミュニティ協議会やNPOを協働の重要なパートナーとして位置付け、多様な主体が地域社会を支える「新たな公共」という考え方の下、住民自治の更なる充実を図り、地域自らの自己決定と自己責任を尊重したまちづくりを推進してまいりたいと存じます。
私は、今年の年頭のあいさつにおいて、職員に対し、論語の「近き者説(喜)べば、遠き者来る」という言葉を引き合いに出しました。この言葉は、地域振興において心すべき言葉として、孔子が政治の要諦は何か、と聞かれた時に応えた言葉であり、その地域に住んでいる近い人たちが喜んで慕われるような政治を行えば、自然とその評判を聞いて他の地方から人が集まってくる。そんな政治が最も望ましいという意味でございます。このことは、多くの市民の皆さんが高松市に住んで良かった、良い町だと誇りに思えることが、大事であり、その意味で一番重要視すべきは、市民の満足度である、と訓示いたしたところでございます。
今年は、新政権による地域主権改革がさらに進められる年であり、自治基本条例に基づく、まちづくりを新たにスタートさせる年でもあります。私自身、気持ちを新たにし、本市の新しいまちづくりと更なる発展のために、そして、市民の満足度の向上のために職員一丸となり、全力を尽くしてまいりたいと存じておりますので、議員各位並びに市民皆様方の格別の御理解、御協力を賜りますよう、お願い申しあげる次第でございます。
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