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令和3年3月

更新日:2021年4月15日

教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「三月に想う」  うごめくはるに、ちょっとやさしく



 突然の臨時休業となった昨年の三月から早一年、しかし、人々の会話から、新型コロナウイルス感染症のことは消えることなく今に続いています。私たちは、これまでの生活様式の変革を迫られ、様々に自ら進んで行いを慎む暮らしの毎日となっています。ようやく、この時季になって、感染の確認が減少するとともに、ワクチンの接種も始まったということで、ほんの少しだけ明るい兆しも見えてきたのではないかと思わずにはいられません。そして、時季を同じく、夜明けも早くなり、間違いなく、春はもうすぐそこまで来ています。

 この時季になると、思い浮かぶ言葉があります。それは「蠢く」です。「なんだ、この変な虫は。」と思うような漢字ですが「うごめく」と読みます。二匹の「虫」が「春」を担いでおり、思わず微笑んでしまうような面白い構造をしています。「虫がはうように、絶えずもぞもぞ動くこと」という意味ですが、まさに春になり、温かくなるのを待ち切れない、じっとしていられない、むずむずするような気持ちを表すのにぴったりな言葉だと思いませんか。その「蠢く気持ち」を四月からの活動のエネルギーとして、蓄える時が今ではないでしょうか。子どもたちは、そのような気持ちで、厳しい寒さの中でも少しずつ冬芽が膨らんで来るように、夢と希望を蓄えながら、一つ上の学年へ、そして、新しい学び舎や社会への、残り少ない今を過ごしています。

 子どもは、先のこと、未来のことを頭に描いたり、語ったりするのがとても得意です。例えば、遠足の際には、行った後に書いた作文より、行く前に書いた作文の方が、あれこれと思いを巡らせてとてもおもしろい文章ができ上がることがあります。絵を描いても、目の前に見える情景を描くより、空想し、物語を紡ぐように描いたものの方が、大変興味深い作品ができることがあります。そんな子どもの姿を見ていると、子どもは未来に向かって生きているのだと、うらやましく思います。しかし、残念ながら人間は、年を重ね大人になるにつれて、何故か過去にこだわって生きるようになります。どうしてでしょうか。成長するにつれて、これができない、あれもできない、更に、それはしてはいけないと言われることが重なり、諦めることを教えられることから、先のことに希望を持てずに、過去にこだわるようになるのかもしれません。子どものように、未来に、大きな希望や遥かな思いを巡らせながら生きることを、今の社会の状況だからこそ、特に大切にしたいと思いませんか。

 そのためには、この時季を過ごす子どもたちに接する大人の役割が大切です。子どもを育てるということは並大抵のことではありません。子どもは幼い頃には親や近しい人の愛を受け、そして徐々に学校や地域の人々、友達などと成長を共にし、いつの間にか自らの力で歩んで行くようになります。しかし、そのどの時代をとっても親の心配は尽きません。特に、新しく環境が変化する今の時期は、その心配が大きくなりますが、もっと不安なのが当事者である子どもではないでしょうか。ぜひとも、夢や希望と、不安が入り混じった複雑な気持ちでいる今の時季の子どもに、その時にあるあなたの気持ちより、ほんの少しだけ優しく、ほんの少しだけ大らかな気持ちで、子どもに接してみませんか。きっとその優しさや大らかさが、そしてそのための少しの葛藤が、子どもだけでなく、あなた自身をも穏やかにしてくれるのではないでしょうか。

    

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