教育長ひと言
教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。
「十月に想う」 読書のすすめ
連日、気温30度超えの暑かった日々も終わり、ずいぶん過ごしやすい季節になりました。市内学校の図書室には、「読書の秋」ということで、図書館指導員の方々が読書を呼びかけるコーナーを準備してくださり、子どもたちが図書室に足を運ぶ機会も増える時期かと思います。
毎年、10月の教育長ひと言では、読書のことを取り上げています。これまでをふり返ってみますと、令和4年は、「本は好きですか?」というタイトルで、市内の学校の読書環境の説明や、書評合戦ビブリオバトル、「香川の子どもたちに贈る100冊」の紹介、5年は「すてきな本と出会う秋」で、本との出会い、家庭での読み聞かせのことを、6年には「図書館へ行きませんか」ということで、市立図書館の紹介や若者の読書離れについて書いてきました。
そもそも、読書はなぜ大切なのでしょうか。文部科学省の「子どもの読書活動の推進に関する法律」によれば、「子どもの読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないもの」とされています。また、次のような国の各種調査結果も出ています。
また、ある研究者によると、いろいろな教科の教科書の内容を理解した上で、授業の一番大切な部分をしっかり音読したり、書き写したりすることも学力に好影響を及ぼすようです。
では、子どもの発達段階に即して、どのように読書能力をつけていけばよいのでしょうか。鈴木佳苗「読書活動への科学的アプローチ」から抜粋しました。
とは言っても、子育て経験から、子どもの読書習慣は思うより順調には育たないことを実感しています。我が家の長男は、幼児期から読み聞かせをよくしていたこともあり、小学生の頃はよく本を読んでいました。しかし、中高生の頃は運動部に入っていたこともあり、夏休みの読書感想文を書く時と、学校での朝読書以外は、ほとんど本を読んでいませんでした。再び、読書に興味を持ったのは、大学生の頃で、スポーツをする傍らで、かなり多くの本を読んでいたようです。
次男は、子どもの頃、おはなしの本を全く読まず、のりもの図鑑や昆虫図鑑に始まり、宇宙の不思議など、写真や図、イラストの多いものばかりを読んでいました。話の展開がおもしろそうな物語の本をさりげなく置いてはみたものの、見向きもされず、きっとこの子は、大人になっても小説などは読まないのだろうと思っていました。予想通り、理科系の仕事に就き、なるほどと思いきや、親の予想に反し、大人になってから、お気に入りの書店をよく訪れるようになり、小説や評論等も読んでいるようです。人間の成長過程というのは、分からないものです。
さて、「読書の秋」に、子どもたちはどんな本と出会えるのでしょうか。折しも、今年度は10月に、学校図書館に関する県の研究発表会が、本市小学校3校で同時開催されます。各校の取組発表が今からとても楽しみです。学校でも家庭でも、子どもが自然に読書に親しめる環境を意図的に作っていきたいものです。
読書は、自分の知らない世界や、自分が出会うことのない人たちの生き方を教えてくれるだけでなく、美しい文章や優れたストーリーが子どもたちの知性を磨き、感性を豊かにしてくれるはずです。
教育長ひと言(令和6年度)
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