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令和2年7月

更新日:2020年7月15日

教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「七月に想う」 七夕さまへ「みんながずっと、元気でいられますように」

 夏至から数えて11日目の7月1日頃から七夕頃までを半夏生といいます。天から毒気が降ると言われる半夏生の日までに、畑仕事を終えたり、田植えを終わらせたりして、しばらくは休みを取る農家の人にとっては節目の頃でもあります。その理由に、夏の梅雨明け頃にやってくる半夏生は、カビや雑菌が繁殖しやすい時期で、疫病が広まらないように毒があると言い、注意を促したという説や、この時期には「半夏雨」という集中豪雨のような雨が降る時期で、井戸水の水質が大雨によって変わることで、その水を飲んでお腹を壊すなどを防ぐためという説もあるようです。どれも昔から言い伝えられてきたことですが、コロナ禍のことや、九州などに甚大な被害をもたらせた大雨のことを思うと、今に通じることがあり、先人の教えに驚きを覚えます。
 さて、ある学校が、学校再開後に保護者の皆様を対象に行った「保護者の方から見て、お子様は再開後の学校生活を楽しんでいる様子ですか。」とのアンケートでは、学校生活を楽しんでいるとの回答が約95%もありました。
 また、同様なアンケートをした他の学校では、保護者から「家にいる時とは全く違った明るく穏やかな表情で帰ってきたので安心した。」、「先輩と部活動をしたことをとても喜んでいた。」との感想もありました。さらにある学校の掲示にあった再開しての児童の感想には、「友達と会えてうれしかった。」「早く下級生のお世話をしたい。」ということや「みんなと一緒に、…。」と思う言葉がたくさん並んでいました。
 昨今は、社会と関わって生きるのは面倒とか、組織の一員になるのは苦手だなどと、人間関係を避ける風潮がありますが、今回のコロナ禍による臨時休業によって、やはり、人は、社会の中でこそ健全に生きられるということを強く思いました。何日間も、人や社会との、ごく限られた関わりの中だけで子どもが生活するには、限界であったということを、多くの方々が子どもたちの心の在り様から気付いたのではないでしょうか。
 確かに、人間関係では、時には面倒なことが起こります。しかし、人は進化の過程で、直立歩行になったことで、産道が曲がり、一人で出産ができなくなりました。つまり、人は、一人で生まれることができずに、助ける人が必要になり、生まれる瞬間から、だれかに助けられて、人に面倒をかけて生きることが始まるのです。臨時休業を終えた子どもたちが、人との関わりを求め、心の安定を図ろうとしたのも、人間の進化した姿なのかもしれません。
 私は、人に迷惑をかけずに自立して生きていきなさいというようなことを子どもたちによく言っていましたが、こうしたことを考えると、人は、一人ではなく、助け合いながら、喜びや苦しみや悲しみも分かち合いながら生きていく、もっと言えば面倒をかけ合いながら生きていくものかもしれません。
 今回のコロナ禍では、社会そのものが大きな痛手を受けています。社会の中で生活していくには色々と面倒なこともありますが、こういう時こそ、学校が再開されて子どもたちが感じたように、みんなと一緒に助け合って、面倒をかけ合いながら生き抜いていきたいと思います。
ある学校で見た半夏生の終わりの七夕の飾りに、こう書かれてありました。「みんながずっと、元気でいられますように。」

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