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令和2年8月

更新日:2020年7月15日

教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「八月に想う」  部活動によって育まれる人間としての成長

 梅雨明け前のぐずついた天気の中でしたが、高松地区中学校総合体育大会の「代替の取組」が行われました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、甲子園での高校野球等、様々な大会が中止になっていますが、中学生にとって運動部活動の最大の目標でもあり、集大成でもある総合体育大会も、全国を始め、高松地区大会の開催が叶いませんでした。
 そうしたことから、関係者が、本地区独自の安全対策ガイドラインを策定し、更に各競技の中央団体の感染症対策を踏まえた可能な限りの対策を講じながら、せめて3年生だけでも積み上げてきた練習の成果を発揮し、活躍する場をとの強い願いから「代替の取組」として実現したものです。
 子どもたちの日頃の部活動を最も支えてきた保護者も見学できない、1チーム2試合程の取組でしたが、懸命に競技する子どもたちの姿に、そして、後日のすがすがしい表情に、指導に当たった関係者は感無量だったことと思います。
 部活動は、子どもたちの成長にとって大きな糧となります。目標達成に向けて努力する経験や、団体競技はもちろんこと個人競技であっても仲間とともに取組む中で培われるコミュニケーション能力やチームワーク力、時間を守る大切さや挨拶等の礼儀やマナーなど、人間としてとても大切なことを学んでいきます。
 オリンピックの水泳競技で2大会連続2冠という偉業を達成した北島康介さんを始め、多くのメダリストを育てている競泳日本代表ヘッドコーチの平井伯昌さんは、早稲田大学水泳部のマネージャー時代に「水泳を強くするのは人間性だ。」と感じた経験が、指導者としての原点となっていると言います。トップクラスの選手が2人入部し、平井さんはロサンゼルス五輪を目指す練習をさせるために監督の補佐役を命じられたそうです。1人は、五輪代表入りを有力視されていましたが、ほめると「全然ダメっす」とむくれ、修正点を指摘すると「こういう動きを試していたんです」と言い返すありさまです。その後の選考会で勝ったのは、助言に素直に耳を傾けていたもう1人の選手だったという経験から、真摯に競技に向き合う人間性を培うことを、泳ぎの技術と同じ比重で大切にしているという話を聞きました。
 中学校の部活動は、日本代表を競い、オリンピックで世界と戦うという競技スポーツの頂点を目指すものではありませんが、それだからこそ、なおさら、礼儀やマナー、人の和を大切にする心を培うなど、人間的な成長を期することを目的に活動することが大切です。周囲の人から、「この生徒を強くしたい」「この選手を応援したい」と思われるような人間的な魅力を育むような指導が求められます。
 遠くからでもと思い、サッカーの試合会場に行き、名札を付けて車を降りるとすぐに出会ったユニフォーム姿の数人の中学生から、「こんにちは」と立ち止まって元気な挨拶をもらいました。それだけで十分でした。
 プロ野球の名監督と呼ばれる野村克也さんが、著書「名将の条件」の中で、「野球が仕事であるならば、野球を通じて人生を知り、人間的に成長をしてこそ技術的進歩も実現する。そのために指導者は、選手に対する人間教育が必要不可欠となるだろう。」と著されていましたが、多くの部活動の指導者が、そうしたことを大切にしてくれていることをとても嬉しく感じた、子どもにとって間違いなく次のステップとなる「代替の取組」でした。

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