高松さんぽ(令和7年度)
更新日:2025年4月2日
「万博と瀬戸芸」(4月号掲載分)
来たる4月13日(日)、いよいよ「大阪・関西万博」が大阪の夢洲(ゆめしま)で開幕します。そして、4月18日(金)からは「瀬戸内国際芸術祭2025」の春会期が始まります。これら2つの世界的規模のイベントは、現代の日本が世界に誇りうる文化の魅力を発信する絶好の場となるはずです。そして柳田國男が唱えた「ハレ」(非日常)と「ケ」(日常)といった日本文化の根幹をなす独自の視点を映し出すイベントとしての意義を備えているように思えます。
万博がまさに「ハレ」の極致の場であることは言うまでもないでしょう。「人類の進歩と調和」をテーマとした1970年の大阪万博が日本の高度経済成長の象徴であったように、2025年の大阪・関西万博も、わが国と世界の現状を映し出し、新たな未来社会を指し示す場となるはずです。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。先端技術や持続可能な社会への挑戦に関連する展示などが集結し、人の「いのち」に関わる世界中の知恵と文化が交差する「ハレ」の場となることを期待したいと思います。
一方、瀬戸内国際芸術祭は、穏やかな瀬戸内の離島の日常「ケ」の中に「ハレ」を生み出すアートイベントである、と言って良いかもしれません。舞台となるのは、普段は静かな瀬戸内の島々。初回から一貫して「海の復権」と「地域の活性化」をテーマとして、アートが自然や地域の文化、歴史と共鳴し、島民の日常生活と何らかの関わりを持ちながら展開されます。瀬戸芸は「ケ」を豊かにする「ハレ」の場なのです。
万博が非日常の祭典として、人類社会の未来像を描き、社会の発展と持続可能性を示し、瀬戸芸が島の日常に根差したアートの力を見せながら日常を豊かにし、海の復権を図ります。この二つの世界的なイベントが同時期に、しかも「世界の宝石」と言われる瀬戸内海の近接した場所で開催されることで、日本が持つ「ハレ」と「ケ」の文化的バランスが再認識され、多様な価値観を共有する機会となることを心から願っています。2025年、令和7年は日本が再び世界に向けて新しい文化の姿を発信するきっかけの年になるのではないかと今からワクワクしています。
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