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令和5年6月

更新日:2023年5月26日

「六月に想う」  子どもをみる目

 あじさいの花の色が、一雨ごとに鮮やかさを増し、目を楽しませてくれる季節になりました。ふと花に見とれていると、日本の梅雨の季節も、時にはいいものだなと思うことがあります。  
 
 先日、高松市内の学校医の先生方とお会いする機会がありました。各小・中・高等学校では毎年、4月から6月の間に健康診断が実施され、内科、眼科、耳鼻科など多くの学校医、学校歯科医の先生方にお世話になっているところです。また、学校保健委員会等で、児童生徒や保護者を対象に健康や生活習慣に関するご講演をお願いする場合もあります。特に、この3年間は、新型コロナウイルス感染症の新たな波が訪れるたびに、感染対策や学級閉鎖等についてご助言をいただくなど、これまで以上にお世話になったことに対し、お礼を申しあげました。
  
 さて、学校医の先生方との会合の中で、たまたま、十数年前に子どもがお世話になった、ある小児科医の先生と再会しました。当時のエピソードとともに、子どもの育ちと大人のかかわりについての話題になったことがきっかけで、先生ご自身が執筆された本「子育てかるた~育児の悩みが軽くなるヒント集~」(秋田裕司 著)を拝読する機会をいただきました。小児科医として、また子育て経験者としてのメッセージが分かりやすく、かるたにまとめられている本です。読み進めていくにつれて、先生が小児科医として、子どもの病気だけに目を向けるのではなく、病気の症状を訴えている、目の前の子どもの心、保護者の思いも丸ごと受け止め、ご自身の為すべきことや子どもにかける言葉を判断されていることに驚きました。   
  
 同時に、教職に携わる者だけではなく、子どもと関わる仕事をされている様々な職種の人々にも同じ考え方が当てはまることにも気づかされました。目の前の子どもの学習や生活の様子、行動だけを見るのではなく、子どもの心の奥深くにあるものや、友達関係、家庭環境、保護者など、全てをひっくるめてその子どもを受け止め、一人の人間として接することの大切さです。
 先生の著書の子育てかるたには、

という読み札がありました。本の中に何回も出てくるのは、目の前の子どもの立場に立って考えること、子どもの立場に身を置くことの大切さです。
  
 一方、私自身が学級担任をしていた頃に、特に心がけていたことの一つに、毎朝、登校して教室に入ってくる子どもたち一人ひとりの様子をしっかり見るということがありました。「おはよう!」と声をかけた時の表情や席に着いた時の様子、朝学習に取り組む一人ひとりの姿を傍で、時には教室の後方から観察するなど、当時、先輩の先生から教えられた、「子どもたちの小さな変化に気付くことができる教員」になりたいと思い、日々子どもを観ること、診ること、また、看ることを心がけ、直感的に気になる時には、「なんか、あった?」と、さりげなく声をかけることから始めていました。

 急に涙を見せる子どもの話を後でゆっくり聴くと、登校前に親から厳しく注意され、自分が悪いのが分かっているけど素直になれない子。前の晩に家の中でもめ事があり、つらい思いをしている子。けんかをしている友達に謝りたいけれど、できないでいる子。しんどくて本当は休みたかったけど、頑張って学校に来た子。子どもたちがその日、背負っていることは様々です。
  
 そして私は、教職経験がたとえ何年になろうと、このことは、努力して磨き上げ続けなければならない教育のプロとしてのスキルだと考えています。
  
 あじさいの花の咲く季節は、子どもに小さな変化が起こりやすい時期です。教員として、保護者として、また、子どもを支援する地域の応援隊として、みんなで子どもをみる目を磨いていきたいものです。
  
  

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