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令和5年2月

更新日:2023年1月24日

「二月に想う」  子どもの声を  聞く  聴く  訊く

 2月になりました。暦の上では、立春。まだまだ寒い日が続いていますが、庭の木々にふと目をやると、たくさんの硬いつぼみが春を待ちわびているようすが見られます。さて、昔から「1月は往ぬる。2月は逃げる。3月は去る。」と言われるように、3月末までのこの時期は、時の流れが早く感じられ、あっという間に過ぎてしまいそうな日々です。また、一方で子どもたちにとっては、1年間の締めくくりと次の学年、学校に向けての期待が膨らむ時期でもあります。特に、新入学を控えた皆さんは、入学準備の一つ一つが家族と共に過ごす楽しい時間でもあることと思います。
  
 私自身の過去を振り返った時、教員として、また、親としてのこの時期の反省点として思い浮かぶのは、「子どもたちとしっかり向き合って、十分に話を聞けたかな。」ということです。忙しく感じる時期というのは、ついつい自分の考えや思いを伝えることを優先させてしまって、ゆったりと子どもたちの話に耳を傾けることを後からにしてしまいがちです。

 以前、英語の教員をしていた頃、言語やコミュニケーションに関する本をたくさん読みました。言語活動には「読む」「聞く」「話す」「書く」といった領域がありますが、日本語でも英語でも、多くの著書が、人とのコミュニケーションに際しては、まずは「聞く」ことの大切さを取り上げています。そう言われてみれば、授業中、子どもたちが、しっかりと落ち着いて発表できるクラスの先生の共通点として挙げられるのが、皆さん、どの子の意見に対しても、うなずきながら心から耳を傾け、とても聞き上手だということがあります。
  
 また、ある本には、「聞く」と「聴く」、「訊く」の違いについて書かれていました。
 「聞く」は、英語で言う「hear」で、自然に音や声が耳に入ってくる状態、ありのままに聞いて受け入れることです。「聴く(listen)」は、文字通り耳だけでなく目や体、心を使って聞くこと。言葉やしぐさの裏側に隠されている気持ちを推し測る聞き方で、言葉の語尾に漂う「・・・」の余韻の部分を読み解く努力をすることです。「聴」という文字には「ゆるす」という意味もあるそうで、ゆるす心がないと子どもの声が聞こえてこないかもしれません。さらに、「訊く(ask)」は、問い尋ねるように、相手に積極的な関心を寄せていくことだそうです。

 私は、その頃から、学校では、できるだけこれら三つの漢字の意味を意識して児童生徒と接するよう心がけましたが、家庭で、親として実行に移せたのは、恥ずかしながら、子どもたちがかなり大きくなってからだったと思います。
  
 春を待ちわびる、1年間のうちで、あっという間に過ぎ去ってしまいそうな時期だからこそ、子どもから「あのね・・・」と声をかけられた折には、どんなに忙しくても、「どうしたの?」と手を休め、ほんのわずかな時間でもいいので、子どもの目を見ながら、じっくりと話を聞きたいものです。なぜなら、まさしく子どもが語ってくれるその瞬間は、おそらく春になっても二度と訪れることはないかもしれないからです。
  
   

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