平成30年4月
更新日:2018年3月1日
教育長ひと言
教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。
「四月に想う」ただ、唯、子どもたちの健やかな成長を願う春
日本の春を彩る桜が満開の中で、新しい年度を迎えました。例年より早い開花でしたので、今年の桜の花は、新しい学年の子どもたちが登校して来るのを、待ってはくれず、花吹雪の中の新学期となりました。
そのような季節の移り変わりの中で始まった平成30年度ですが、子どもたちにとって、新しい友達や担任と出会う始業式の日は、何かわくわくする、そして、ちょっぴり不安な一日です。校長時代には、先生方には申し訳なかったのですが、学級担任の発表のあったこの日は、どのような思いで、それを受け止めたのかを子どもたちに聞くのが、とても楽しみでした。
一緒に下校をしていた学級の異なる二人の男子児童に、私が「何先生の担任になったの。」と問いかけた時の会話です。担任になった先生の名前は曖昧だったのですが、
A「担任になったうちの学級の先生、めっちゃ優しんで。ええやろ。」
B「今だけやわ。」 A(絶句)
B「うちの先生や、なんか、あんまり好きではないわぁ。」
A「そんなことないわあ。おれ、あの先生、大好きやわ。」 B「えっ。おまえほんま、それっ。」
と、出会ったばかりの二人のそれぞれの学級担任の印象を、私に語ってくれました。
子どもたちは、自分の意思が及ばないところで新しい学級担任や、様々な教科の授業を担当する教員と出会い、学校生活を共にする関係となります。最初の印象は、様々であろうかと思いますが、その印象が、それぞれの学校で、それぞれの子どもたちにとって、これから先、どのように変化、充実していくのかを、そして、「あの先生に教えてもらってよかった。」と、今でなくても、将来でもいいですから思ってくれ、素晴らしい師弟関係が結ばれることを楽しみにしています。
さて、保護者の皆様には、新しい学年を迎え、期待が大きい反面、不安なことも多くあろうかと思いますが、しっかりと子どもとの会話を楽しんでほしいと思います。
「子どもと話をしたいとは思っているのですが、忙しくてなかなかできません。」ということを、よく聞きます。しかし、家事をしながらでも結構ですから、会話の時間を生み出してください。特に、低学年の子どもたちは、いろんなことを話したくてたまらない時期です。「後で聞いてあげるから。」などと言ってしまうことがありますが、「話したい時が話す時」です。この時期の子どもにとって後はありません。子どもの言ったことを聞き、子どもが言ったことと同じことを繰り返し、終わりに、「の」を付けるだけでいいのです。
子「集団登校が一緒の、まさる君と同じクラスになったよ。」
親「そう、集団登校が一緒の、まさる君と同じクラスになったの。」
これでいいのです。「愛」という字は、「受ける」という字の中に「心」がありますが、一本「ノ」が足りません。それがこの「の」なのです。「の」をつけて、心で子どもの言葉を受け止め繰り返す、まずは、これだけで子どもは大満足なのです。
いろいろな人たちが、自分を見守ってくれているのだと子どもが気づく、素晴らしい出会いや愛ある会話があることを、ただ願う春です。
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