木造智証大師坐像
更新日:2019年1月21日
彫刻
指定区分 県指定有形文化財
指定年月日 平成25年3月29日
所在地 根香寺(高松市中山町1506)
解説
根香寺本堂外陣に安置される智証大師坐像は、像底の銘により元徳3年(1331)に阿闍梨道忍が根香寺へ奉献したものであり、制作仏師は上野法橋政覚、彩色は大輔法橋隆心であることが判明する。文化財指定された智証大師像が全国で5例しか確認されていない中で、制作年及び制作者がわかる智証大師像として非常に貴重である。根香寺において古文書などの中世期のものが失われている現在、本像底銘が根香寺の最も古い記録となり、円珍を開基とする当寺の歴史を遡って確認できる資料である。さらに像底には元禄11年(1698)及び元文5年(1740)の修理銘も追記されており、元文5年は智証大師850年忌にあたることから、本像が造立されて以降、当寺において如何に大切に守り伝えられてきたかを知ることができる。
智証大師像の鎌倉時代以前に制作された彫刻は、滋賀県大津市の園城寺(三井寺)が所有する3軀並びに京都府若王寺及び聖護院が所有する像の合わせて5軀であり、うち園城寺唐院大師堂に安置されている平安時代の木造智証大師坐像2軀は、それぞれ「御骨大師」、「中尊大師」と呼ばれ、いずれも国宝に指定され、智証大師像の基準作となっている。
なお、智証大師に関する文化財として、香川県内には善通寺市所在の金倉寺が所有する重要文化財絹本著色智証大師像がある。
本像は、その着衣法が彫像の基準となる「御骨大師」「中尊大師」のものとは異なり、金倉寺本画像などに類似しており、典拠とすべき別の図像の存在を想起させる。いずれにしても、本像は鎌倉時代以前に遡る数少ない智証大師像の基準作例であり、彫刻史上においても注目されるべきものである。
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