【令和7年度前期展｢水の遺跡｣】下川津遺跡展示資料の観覧は6月10日まで

現在開催中の前期展「水の遺跡」では、水にまつわる出土品を紹介しています。
昔から水不足に苦しむ讃岐では、安定した暮らしを送るための必需品である「水」が尽きぬように、また水害に苦しめられぬように、と人々が願いを込めたと思われる出土品が多数見つかります。今展では7遺跡の水にまつわる出土品を紹介していますが、その中でも特に注目していただきたいのは、香川県埋蔵文化財センター所蔵の下川津遺跡出土木製品です。

下川津遺跡は、瀬戸大橋建設に伴い1984年から香川県埋蔵文化財センターにより発掘調査が行われた大規模遺跡です。弥生から室町時代にかけて集落が営まれていたと考えられますが、今回は古墳時代前期から平安時代前半に当たる人形の木製祭祀具を中心に借用し展示･紹介しています。
1,000年以上も前の木製品が朽ちず現在の私たちが目にすることができるということ自体が大変珍しいのですが、それは下川津遺跡の周辺の環境に大きく起因します。残されていた木製品の大部分は周辺低地部の含水層の流路中から見つかりました。木製祭祀具の出土地点は流路、そして流路と流路の合流部に多いことから、何らかの水にまつわる祭祀に使われたことがうかがえます。
下川津遺跡出土の木製祭祀具は薄く、軽く、繊細な切り込み等がなされ、顔を表現する墨書も描かれています。保存処理は施されていますが、高温多湿は天敵です。資料保全の観点から展示期間は短期間が望ましいと考えられることから、今展では6月10日火曜日を展示期限といたしました。どうぞ御理解くださいますようお願い申しあげます。
展示終了期間まであともう少しです。ぜひ御観覧ください！

1　期　間　　令和7年4月17日(木曜日）～9月26日(金曜日）
　　　　　　　※下川津遺跡出土木製品は6月10日(火曜日)まで

2　場　所　　高松市埋蔵文化財センタ－2階展示室

3　時　間　　午前9時～午後5時

4　休館日　　土･日曜日、祝日

5　観覧料　　無料

※写真撮影は可能ですが二次転載利用はお控えくださいますようお願いいたします。
◎お問い合わせ先：高松市埋蔵文化財センター(TEL:087-823-2714)