彩色蒟醤水指棚
更新日:2019年1月18日
工芸品
指定区分 市指定有形文化財
指定年月日 平成27年3月31日
所在地 高松市美術館(高松市紺屋町10-4)
解説
玉楮象谷(西暦1806年-1869年)は江戸時代後期を代表する漆工で、中国や東南アジア伝来の彫漆(ちょうしつ)・存清(ぞんせい)・蒟醤(きんま)といった漆器の技法を研究し、独自の作風を確立し、讃岐漆芸の祖として知られる。
従来の象谷の蒟醤(剣と称する彫刻刀で文様を彫り、その彫り口に色漆を埋め、平らに研ぎ出す技法)は、タイの蒟醤を模して朱一色の単色であったが、これに対して「彩色蒟醤水指棚」は、ミャンマーの蒟醤を模して朱、黄色、緑、褐色の多色の彩漆を充填した彩色蒟醤である。二重の小棚で、棚の中段と下段に香狭間(こうざま)透かしがそれぞれ三方に透かしてある。
図柄は漆黒の棚表の中央に朱と黄で大輪の牡丹を意匠化し、周囲や柱は帯状に正方形に枠取りして細かく区切られ、黄色の菊を図案化した花文を入れたり、朱の七宝繋ぎに緑の霊芝文、黄と緑の幾何学文などを装飾的に連続文様としている。さらに香狭間透かしは、霊芝文と唐草文を中段と下段で色違いにしている。「青山塵外相明月定中心」など枠内に刻まれた風流な漢詩は、市河米庵の『墨場必携(ぼくじょうひっけい)』から引用されたもので、棚表や側面に相称的に配している。詩句や花文は印刀で彫られ、先の少し丸みがかった蒟醤剣も他の文様に併用して用いられている。
高松市指定有形文化財「玉楮象谷関連資料」の『御用留』によると、嘉永6年(西暦1853年)4月15日江戸への参勤交代時の進物として上納したもので、「一 彩色蒟醤水指棚 井伊掃部頭様御所望 右 彩色蒟醤始て出来」とあるので、彩色蒟醤の初例であり、また後に大老となる彦根藩主井伊掃部頭(直弼)の所望によって制作されたものであり、その歴史的意義も高い。
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