環境学習活動日誌
更新日:2024年6月17日
こんな講座を開催しています!
~本当のおしゃれって何だろう~ サステナブルファッション・バスツアー(R6.5.18)
本市では、2050年までに市内の二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す『ゼロカーボンシティ』宣言をしています。
二酸化炭素の排出量の実に6割は家庭部門が占めると言われ、市民の皆様お一人お一人の協力なくしてはその大きな目標は到底成し得ません。
本市では、その大きな目標の実現に向け、あまり二酸化炭素を排出しない、地球に優しい生活様式である、『脱炭素型ライフスタイル』を、一人でも多くの方に実践して頂くため、皆さんの生活に必ず関係するような身近な環境問題をテーマに、楽しみながら学んでいただけることを目標に、環境学習講座を毎月開催しております。
5月のテーマは『サステナブルファッション』。最近やたらと目にするサステナブルとは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか?
サステナブル(Sustainable)は、サステイン~持続すると、エイブル~何々できる、からなる言葉で「持続可能な」、「ずっと続けていける」という意味があります。
「サステナブルファッション」とは、地球の環境を壊さず、資源を使いすぎず、未来の世代も美しい地球で、平和で豊かに、ずっと生活をし続けていけるような環境負荷の少ない、「持続可能な」ファッションのことです。
その一方で、ファッション産業は、最新の流行を取り入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売する「ファストファッション」の台頭により、環境負荷の非常に大きな産業と言われ、国際的な課題となっています。
地球温暖化問題が深刻になる中、ファッション産業もこのままではいけないと、衣服の製造から着用、廃棄に至るまでの環境負荷を考慮したサステナブルな取組が、日本でも、大手メーカーを中心に急速に拡がっています。
そうと言っても、衣類の殆ど、実にその98%を海外からの輸入に依存している日本においては、ファッション産業が環境負荷の大きい産業であるという実感が湧きにくい方も多いのではないかと思います。実際、日本のファッション産業の二酸化炭素排出量は、衣料品の原材料となる綿などを始めとする素材の栽培、調達や製造段階でなんとその約9割を占めていると言われています。
その過程の殆どを海外に依存して、身近にその現状を目の当たりにすることが少ない私たちがピンと来にくいのも仕方ない事なのかもしれませんが、地球温暖化待ったなしの今、私たち消費者の『使う責任』として、知らないだけでは済まされないということで、ツアーに参加された方のみならず、少しでも多くの方に『サステナブルファッション』について知って頂きたく、5月の環境学習ツアーの振り返りを掲載したいと思います。
今回のツアーでは、残念ながら、海外の素材の栽培や調達、製造過程の見学は出来ないものの、「大量廃棄」の現場を見ていただくため、最初に、高松市の一部や近隣自治体の各家庭から資源ごみ「布」(高松市の分別でいうと)として出された服が運び込まれる工業用の雑巾である「ウエス」を作る工房にお邪魔し、各家庭から捨てられる服の現状や、ウエスへの再資源化の流れ、仕分けの結果、ウエスにならないその他の衣類が更にその先、どんな行く末を辿っているかなどについて、実際にその現場の見学を通じて、学びました。
ウエス工房に日々運び込まれる衣類の量は1月あたりの平均で約60~80トン、それを2人のスタッフが人海戦術でウエスに適したもの(素材、厚さ、色などで更に仕分け)、海外に古着としてそのままの状態で輸出するもの、いずれにも活用できず焼却処分に回すものに仕分けします。
環境省の統計データによると、各家庭から廃棄される衣類全体のうち、資源ごみとして出されるのが全体のたった約8%。それでこのごみの量です。ウエス工房に運び込まれた衣類のうち、ウエスになるものが約1割、海外にそのまま輸出されるものが約8割、どちらにも回せず、焼却処分に回るものが約1割。実に8割の服は、貿易商社を通じて、ASEAN諸国に中心に輸出されているそうです。
また、工房の方からお聞きした、資源ごみとして今後「布」を各御家庭から出していただく際の注意点としては、
(1)再資源化するその先のことを考えていただき、なるべく衣類が良好な状態のまま回収できる「晴れた
日」に出してほしい。雨の日にどうしても出す場合は中の衣類が濡れないように、ビニル袋の口をしっか
り縛って出してほしい
(2)ウエスとしては「綿」素材のものが重宝されるため、少々シミがついたり黄ばんだTシャツや、下着、
穴があいた靴下なども燃やせるごみで出すのではなく、資源ごみで出してほしい。
(3)お住まいの自治体の分別のルールにそって出してごみを出しましょう。「布」ではない、帽子や靴、
スリッパ、バック、ぬいぐるみのようなものが衣類一括りで出される場合も多々見られます。ウエスに
ならない衣料品はそのまま、「古着」として活用されること知り、そのことを念頭に、あまりに汚れが
ひどいものなど、状態がひどいものは燃やせるごみとして出しましょう。いずれにも当たらず活用で
きないものは、事業者さんの負担で焼却処分しています。
(4)値札がついたままなど、新品同様で出される衣類も中にはあります。要らないものは買わない。
古着としてリサイクルショップなどに出す。少しでも長く大切に着る、など、ゴミ自体の発生抑制に
努めましょう。
ウエス工房見学を通じて、実際に自分の出した「資源ごみ」の行く末を知ることで、責任を持ったごみの分別や発生抑制が大切であると学びました。
ウエス工房見学の後は、午後の講座会場となる高松市庵治町の「アジサーキュラーパーク」へ移動し、地産地消と食品ロスに配慮したカフェの地球に優しい絶品ランチで午後からのエネルギーチャージ♪
特にモチモチ生地に具材のたっぷり詰まったベーグルは大好評で、休憩時間に追加で買い求める方も沢山いらっしゃいました。
午後の1時間目は、午前中の施設見学を踏まえて、更にサステナブルファッションの理解を深めるための「サステナブルファッション講座」。
ファシリテーターはアジサーキュラーパークを運営する中商事株式会社代表取締役社長の中貴史(なか たかし)氏に担っていただきました。
私たちが手放した服のうち、再利用、再資源化される割合はごくわずかで、約7割が燃えるごみとして焼却・埋め立て処分されている現実。午前中の施設見学で学んだことも踏まえ、環境負荷の少ないものを優先的に3R(リデュース、リユース、リサイクル)に取組む重要性、最も優先して取り組むべき発生抑制(リデュース)のために、自分たちが出来ることについて、今所有している服に愛着を持って、少しでも長く大切にいるための秘訣などについても伺いました。
また、ウエス工房でも目の当たりにした、私達先進国から輸出される衣類は、発展途上国の繊維産業等の発展を阻害するなどで経済的な自立を阻む原因になっているほか、大量に世界中から運び込まれる大量の衣類を適切に処理する施設等がないこれらの国において、化学繊維を使った衣類は分解されず、土壌汚染の原因や、火災による有毒ガスの発生など、その環境汚染の原因ともなっているそうです。自分たちが捨てた服は勝手に消えてなくなったりはしません。私たちは、「使う責任」、持続可能性=レスポンシビリティを理解した上で、服とも向き合っていく必要があります。
午前のウエス工房見学を含め、服をめぐる環境問題、影の部分について多く学びましたが、決して服は悪者ではない。服を購入する段階から、服の行く末を考え、長く付き合えるものを買うなど、服を愛し、大切にする人が増えれば廃棄される服も減り、サステナブルファッションは実現できるということ、長く洋服と付き合っていくための秘訣などについて教えて頂きました。
また大人の参加者向けに『経済成長と環境負荷の低減』の両立についてのお話も伺いました。現状、両立は非常に難しいとされている2つの両立ですが、『SLOW(ゆっくり)』をキーワードに、自然の持つ回復力の範囲内でのゆっくりした経済成長であれば、両立が可能になるのではないかといった、日常生活の様々な事象にも当てはまるとても示唆に富んだお話でした。
続いて午後の講義、2時間は、洋服と長く付き合っていくための一つの提案としての『染め直し体験』。タンスの肥やしになっていたり、本来捨てられるはずだった洋服を、『染め』という新しい付加価値をつけてやることで(アップサイクル)、もう少し長く大切に着ようというものです。
イベント当日はお天気も良く、アジサーキュラーパークさんの駐車場での青空教室となりました。お一人での参加も多い中、参加者同士が助け合って和気藹々と作業するなど、笑顔溢れるとても素敵な体験となりました。思い思いの衣類を自分の好きな色に染めて、最後にその染めたお洋服をお持ちいただき、皆さんで記念撮影をしました。
服の購入段階から、飽きたり汚れたりしても“染め直し”というひと手間をかけて、長く付き合える、染め直しに向いた綿や麻などの天然素材のものを選んで買うという楽しみ方もあるということも教えて頂きました。参加者の皆さんも、施設見学や座学を通じて、ゴミとして出した場合の服の行く末やそれがもたらす問題点を知った上で、自分たちが出来る解決策、サステナブルファッションの色々な楽しみ方があることを具体的に学べたことで、より一層心に響いたようでした。
【午前の部】ウエス工房見学 株式会社山城 四国リサイクルプラザ ウエス工房(三木町)
1月平均60~80トンの古着などがこのウエス工房には運び込まれます。
この日見学したこの服の山で約10トン。
工房の作業の概要などをお聞きしたのち、イベント当日は工房の作業はお休みの日でしたが、実際に運び込まれた衣類などを見て頂きました。
こんな大量の古着などの仕分けをスタッフ2名で行っているそうです。
タグが付いたまま、新品同様の衣類もチラホラ。
ウエスを実際に作る様子を見せて頂きました。
素材や色、厚みなどにより細かく分類されたウエス向きの衣類をこの機械を使って適当な大きさにカットしていきます。
ウエスに向かない衣類はこの機械で圧縮、梱包され、ASEAN諸国を中心にそのまま「古着」として輸出されます。
タイミングよく、回収された古着の搬入の様子も見学することが出来ました。
このトラック1台分で更に約2トンの古着の山が追加されました。
また運び込まれる服に向けて、服の山が盛り上げられます。これで約12トンあるそうです。
この工房に1月で60トン~80トンの衣類が運び込まれるのでこの5倍から7倍くらい。
更に、資源ごみで出されるのは家庭から手放される服の8%に過ぎないと考えると本当にとんでもない服が捨てられていることがわかります。
参加者の皆さんでウエス工房見学の記念撮影
【午後の部】アジサーキュラーパーク(庵治町)の食品ロスや廃棄に配慮したカフェの絶品ランチ
アジサーキュラーパークの地産地消、食品ロスや廃棄に配慮したカフェの地球に優しい絶品ランチ。
お野菜やお肉など具沢山のスープ、モチモチ小麦の香り高い生地にフィリングもたっぷり詰まったベーグル、お箸やスプーンなどもリターナブルで、プラスチックごみなどが出ないのも嬉しい。
この日、ランチでご用意いただいた選べるベーグルはなんと全9種類!
大好評で昼休みなどに追加購入される方も多数いらっしゃいました。
全種類制覇したくなる美味しいベーグルはテイクアウトもでき、冷凍タイプもあります。
ショップ紹介
カフェの横には『循環』をテーマとしたこだわりのいっぱい詰まった様々なエコでおしゃれな雑貨や、古着、中商事さんのお洋服づくりの中で出たハギレや糸、庵治石の廃材、ジョージナカシマの家具を手掛ける桜製作所さんの廃材なども購入できるショップがあります。
魅力的なものが沢山あり、ついつい時間を忘れてしまいそうになります。
捨てられるはずだった廃材やハギレなども見方を変えれば可能性は無限大。
あなたならどう使いますか?
午前中の見学先、ウエス工房で資源回収した古着を服飾を学ぶ専門学校生がアップサイクルしたお洋服も!
サステナブルファッション講座
午後は午前中のウエス工房見学を踏まえ、更に「サステナブルファッション」についての知識を深めます。
アジサーキュラーパークを運営する中商事株式会社の中社長様による『サステナブルファッション講座』
日本で1日に廃棄される衣料品はなんと1,200トン、象240頭分にもなります。
古着を手放す際の手段の分布。
約7割が燃やせるゴミとして出されている現実。リユース、リサイクル率の低さ。
古着の主な輸出国と輸入国。先進国から発展途上国に古着が押し付けられている現実。
ファストファッションの終着駅。発展途上国で活用しきれない古着の山が環境汚染や経済的自立を阻む原因に。
私たちが実践できるサステナブルファッションについて考えてみましょう。
すぐに実践できるサステナブルファッションの例を紹介。
まずは、私たちが今所有している服をできるだけ長く着ましょう。
大人向けの発展講座、経済成長と環境負荷軽減の両立は可能か?
自然の持つ治癒力、回復力の範囲内のゆっくりした成長であれば、経済成長と環境負荷軽減の両立という一見不可能な問題も実現可能に。
染め直し体験教室
私達にもできる、サステナブルファッションの提案としての青空染め直し体験教室。
天気も良くて外も気持ちいい♪
理想の色を目指して染料を調合中
染料に水を入れて丁寧に溶かします。
綺麗な緑色が調合できました!染め上がりが楽しみ♪
染めたお洋服を水で3回洗います。
水洗い後、絞ったお洋服を乾燥させるため干します♪とってもカラフルで綺麗です。
染め直し体験終了後、ご自身の染め直ししたお気に入りのお洋服を持って記念撮影
[今回の講座でお世話になったみなさま]
・AJI CIRCULAR PARK(アジサーキュラーパーク)https://ajicircularpark.jp/(外部サイト)
・四国リサイクルプラザ ウエス工房https://www.paper-recycle.jp/(外部サイト)
・アートスペースにしくみhttps://www.art-space-2493.com/(外部サイト)
緑のカーテン講座
夏の強い日差しを和らげ、緑色が鮮やかな「緑のカーテン」は葉から出る水蒸気で周りの温度も下げる役割があります。私たちにもできる身近な地球温暖化対策。それが「緑のカーテン」!
講師は大野校区コミュニティ協議会 環境安全部会の生嶋先生です。苗の植え方、カーテンの上手な作り方をレクチャーしていただけます。参加者にはゴーヤの苗もプレゼントしています。
干潟の生き物観察会
干潟を通じて、地球温暖化や環境問題について学ぶ講座です。
最初に、新川・春日川河口干潟にて実際に生き物を観察。 目で見て、触れて、生き物を採集!
観察体験後は、香川大学瀬戸内圏研究センター庵治マリンステーションにて、採集した生物を「干潟生物ハンドブック」で調べたり、干潟生物の特徴や役割を、実験も交えながら、理解を深めていきます。
野鳥の観察会
公渕森林公園にて、野鳥の観察会を開催しました。
耳を澄ますと聞こえてくる鳥のさえずりや鳴き声、スコープで見る大迫力の鳥の姿!
森林公園の美しさも加わり、日常から解放されてゆったりと自然を感じ、改めて生き物と共存していく環境の大切さを感じることができます。
リサイクル工場見学
ごみ問題には地球温暖化にも悪影響を及ぼす根深い問題が潜んでいます。
株式会社 リソーシズ様に御協力いただき、回収されてきた廃棄物の仕分けやリサイクルをしている工場の案内と説明をしていただきました。
『脱炭素型まちづくり』に向けて、ごみの減量や正しい分別に基づく再資源化の推進など、私たちにできることを考えます。
紙バンドでかご作り
かがわ自然観察会の好井先生を講師に、再生紙を使った紙を使用して自分好みの「かご」を作る講座です。
ものを再利用する意義や、再利用したものを使う意味を考えます。
自分チョイスの、思い思いのかごづくりは集中力もさることながら、出来上がった時の満足感もひとしおです。
参加者の方から「想像以上にしっかりとしている!また作ってみたい!」と嬉しいお声が聞こえてきました。
ごみの分別体験
どうしてリサイクルが必要か、なぜ分別が大切か。毎日の生活にも役立つ体験型講座です。
意外と知らなかったごみの分別方法や、ごみの種類等についての説明を聞いた後、「燃やせるごみ」「破砕ごみ」「プラスティックごみ」「有害ごみ」等を実際に分別する体験を実施します。収集車への積み込み体験もできます。
ペットボトルでランタンづくり
小さいお子様でも環境問題について興味をもってもらえる講座です。
セブン・イレブンジャパン様に御協力いただき、私たちの身近にある使用済みのペットボトルをリサイクルした「手作りランタン」を作りました。
リサイクルや節電など、自分たちにもできる地球温暖化対策を考えるきっかけづくりになります。
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