このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動
  • くらしの情報
  • 観光・文化・スポーツ
  • 事業者の方
サイトメニューここまで

本文ここから

平成30年2月

更新日:2018年3月1日

教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「二月に想う」努力の喜びを感じることが、自分への心のご褒美

 暦の上では、立春を過ぎたとはいえ、氷点下になるなど例年にない寒い毎日が続いていますが、子どもたちの健やかな成長を願う関係団体の皆様と共に開催しました「たかまつこどもサミット」や「新春子どもフェスティバル」などで、子どもたちの懸命に頑張るたくさんの姿に出会え、私の心はとても温かくなりました。
 1月13日には、県総合運動公園で「高松地区中学校駅伝競走大会」がありました。バトンをつなぐリレーと同様に、人と人とがたすきをつなぐ駅伝競走がこんなに盛り上がり熱くしてくれるのは、走る者も見る者も、人の間と書く「人間」だからでしょうか。
 当日、スターターの役を務めるために位置していた私は、スタートライン後方に立つ一人の男子生徒に目が行きました。彼は、陸上選手が身に付けるランニングシャツにパンツ姿で、凍てつくような風を全身に受けながら、心を落ち着かせるようにじっと前方を見つめ、まるで彼だけ時間が止まっているように静かに立っていました。そして、「スタートまで1分」の声がかかると、まるでそれを合図にしたかのように大きくジャンプして、自分を叱咤激励するように、頬を、両手を、そして、両足を叩き、それまでとは全く違う、毅然とした表情になったのです。この生徒だけではありません。それぞれのルーティンでスタートを待っていたすべての生徒が、これから始まる苦しい自分との闘いに挑もうとするとてもいい表情になっていました。やんちゃな年頃であろう中学生が、学校の期待を背負い、仲間へたすきをつなぐために全力を出し切ろうとする姿には、厳冬の風など感じていないような決意が見えました。
 そして、号砲と共に、だれの手も借りられない孤独な、自分の力だけを信じて走った数分後、中継所に帰ってきた生徒は、要した時間に違いはあったものの、自分の限界に挑戦し、精いっぱいに力を出し切り、待ち構えた仲間に支えられていく姿には、全く差はなく、私はこみ上げるものさえ感じました。
 子どもたちが、駅伝を走り切ったという経験が、今後の意欲ある行動に生かされるかどうかは、レース後に子どもにかける大人の一言がとても大事です。自分に与えられた距離を、だれにも頼ることができない状況の中で、これまでの練習で培った力を信じて、仲間の声援を受けて走ったという事実に、周囲にいる者が、それがその子どものあるがままの成果だと満足し、その気持ちを伝えることで、子ども自身に自らの喜びを十分に感じさせることです。喜びを感じた子どもは、自発的に次の行動に向かうことができるようになります。「よかったよ。この調子で何事もがんばろうね。」などと、早くも次への目標を与えるような言葉には、子どもが主役であるとの理解がありません。「よかったね。あなたの走りを見ていたら感動した。」「よかったね。毎日、がんばって練習していたものね。」などと、主役である子どものがんばった姿への思いを率直な言葉で語り、子どもに喜びを感じさせることです。子どもにとって、自身の努力の喜びを感じることが、がんばった自分への心のご褒美となり、心が満たされ、次の行動への意欲となると私は信じています。

お問い合わせ

このページは教育局総務課が担当しています。
〒760-8571 高松市番町一丁目8番15号本庁舎10階
電話:087-839-2611
ファクス:087-839-2615

Eメール:kyoikusomu@city.takamatsu.lg.jp

本文ここまで


以下フッターです。

高松市

〒760-8571 香川県高松市番町一丁目8番15号
電話:087-839-2011(代表)
法人番号1000020372013
Copyright © Takamatsu City, All rights reserved.
フッターここまでページ上部へ