協働で事業を進める際に留意すべき8つのポイント
更新日:2018年4月1日
1.「情報を交換する」
協働事業を検討する前に、社会的課題や市民ニーズを的確に把握することが必要です。NPOと行政との情報交換や提案などが活発に行われるよう、日頃から心がけてください。また、情報を公開する際には、行政が把握している社会的課題や市民ニーズ、行政の政策、施策、事業などの情報を積極的に公開することが必要です。
NPOの意見・提案などから社会的課題や市民ニーズを洗い出す際には、NPOから寄せられる様々な意見や提案などには、公益性のある社会的課題や市民ニーズが潜在していることが多いことから、それらを抽出する機会と捉えてください。
2.「協働の可能性を検討する」
協働の可能性を検討する機会は、NPO又は行政からの働きかけによってつくられます。お互いを協働のパートナーとして認識し、その後の協働を円滑に進めるためにも、この時点で事業の目的や成果などを共有しておいてください。また、「NPOからの提案」でも、「行政からの提案」でも、留意すべき点があるとともに、「協働の検討に当たって確認しなければならない項目」があります。
「NPOからの提案」で留意すべき点について
「行政からの提案」で留意すべき点について
「協働の検討に当たって確認しなければならない項目」について
3.「協働に関する情報を得る」
協働事業の検討にあわせて、関連する分野で活動するNPOがいるか確認してください。NPOがいる場合は、具体的にどのような活動をしているか、どのような運営体制かなどの情報を収集し、それをもとに協働事業の実現性や、協働相手の可能性などを考えてください。また、NPOがいない場合も、課題やニーズに対する市民の関心の高さなどの情報から、市民の自主的な活動が生まれる可能性について考えてください。
行政が協働事業を企画すること自体がきっかけとなって、市民によるNPOの活動につながっていくこともあります。なお、NPOから協働の提案を受ける場合もありますので、これらの情報はできるだけ日頃から収集しておくことが必要です。
4.「協働の形態を選ぶ」
協働事業を実施する場合、事業の成果が最大限に得られるような形態を選択することが大切です。事業の目的や求める成果、NPOの自立化などを考慮して、適切な形態を選択してください。なお、協働の形態については、「後援」、「補助」、「共催」、「事業協力」、「委託」、「政策提言・企画立案」等があります。
5.「協働の相手を選ぶ」
協働形態と平行して協働相手を検討することも必要です。企画公募方式などにより協働の相手となるNPOを選ぶ際には、あくまでも事業の企画内容について審査を行いますが、企画内容を実行できる力を見るために、その団体の公益性、事業遂行能力、財政状況などを確認する必要があります。また、適切な協働相手を選ぶ判断の基となる情報を得る方法として、応募時に団体概要(活動目的、組織体制、活動実績)などの書類の提出を求める、団体のホームページなどにアクセスする、過去の新聞記事を調べることなどをあらかじめ行っておく必要があります。
なお、NPO法人は、その認証において活動実績を問われることはなく、基本的に書類のみの審査となっており、NPO法人であっても、その活動自体に保証を与えられたわけではありません。しかしながら、認証後は事業年度ごとに、事業報告書、役員名簿及び定款などを所轄庁に提出するとともに、一般の閲覧に供することが義務付けられていますので、NPO法人の信頼度については、これら公開されている情報に基づいて自ら判断することが必要です。
6.「協働の目的・成果を共有する」
協働の効果をあげるためには、NPOと行政の特性が十分に活かされるような役割分担が必要です。適切に役割を分担しながら、事業を進めるためには、NPOと行政の間で、事業の目的・成果を共有してください。また、協働事業を実施する前に、NPOと行政が、社会的課題や市民のニーズを的確に把握し、事業内容を十分協議することにより、何をどのようにしたいか、NPOと行政が共に協力して事業を実施する意思を持ち、それぞれが市民に対して、責任を持って協働事業を進められるか、などを明らかにすることができます。
7.「事業を実施する」
事業の実施に当たっては、事前に双方で取り決めた内容に従って進めることになります。ただし、NPOの場合は、目的の達成に効果的であることを事前の計画よりも優先させることもあるため、取り組みの手法などの事業内容を変更することがあります。その点に関しては、契約や協定、事業計画に従った事業の実施が原則であることをNPOに十分説明しておくとともに、事業計画に変更がある場合には、必要となる所定の変更手続について、NPOと確認しておいてください。そのため、お互いが、事業実施前に事業目的等を確認しておくことも重要です。
また、協働事業では、NPOと行政、更には受益者でもある市民が、事業の実施プロセスを共有し、それぞれが変わっていくことが成果の一つです。その点について事後に適切に評価するために、実施プロセスの記録を残しておいてください。
8.「協働事業の意義・価値を評価する」
事業が完了したら、報告書の作成・公開や報告会を実施するなど、市民に対して説明責任を果たしてください。また、事業の意義や生み出された価値を評価し、その結果も公表してください。事業の成果について評価するとともに、協働という手法が適切に進められたかという点についても、評価することが必要です。実施事業の評価の結果、明らかとなった改善点については、次に協働事業を実施する際に反映させ、常に改善することが大切です。
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