福祉目的の食事提供について
更新日:2021年6月1日
福祉目的の食事提供行為における食品衛生管理指針
子ども食堂や高齢者を対象とする会食・配食サービスやなど、福祉を目的とした食事提供を行う場合があります。本指針は、これらの取組において、安全で衛生的な食事を提供していただくために、施設や食品の取扱いに関して、特に衛生管理で気をつけていただきたい事項について定めました。(令和3年6月1日施行)
指針の対象
この指針の対象の食事提供行為とは、高松市内で営業行為として実施されるものを除き、福祉目的の事業の中で、実費(調理コストを含む)以外の対価を徴収せず、かつ食事の受給対象者を特定して行うもので、おおむね次のようなものを指します。
(1)国所管の交付金事業、県市補助事業及び単独事業として市が実施する高齢者等への食事サービス事業
(2)社会福祉法人、ボランティア団体等が設置する認知症カフェ等において実施するもの
(3)社会福祉施設等において、当該事業者が利用者を対象に、集団給食に該当しない範囲で実施するもの
(4)社会福祉施設等において、当該事業者が調理場所を活用し、地域の高齢者等を対象に実施するもの
(5)ボランティア団体等が、公共施設等の調理場所を活用し、地域の高齢者その他要支援者を対象に実施するもの
指針の対象であるこれらの食事提供行為については、食品衛生法に基づく営業許可は不要です。ただし、実施者が当該福祉目的の事業以外に同施設で営業を行う場合、また、外部事業者が調理行為を受託する場合は、営業に該当するため営業許可が必要です。
講ずべき衛生管理体制の確立
(1)食事提供行為における食品の安全確保を図るため、衛生管理体制を構築すること。
(2)従事者に対して衛生管理に必要な教育を実施すること。
(3)食中毒等事故が発生した場合に備え、迅速な対応が可能な体制を整備すること。
(4)調理部門及び配達部門を飲食店営業者等に委託する場合は、調製能力、衛生管理状況の他、必要に応じ、営業許可の有無を事前に確認し選定すること。
(5)保健所と連携し、食品衛生に関する指導・助言を得るよう努めること。
福祉目的の食事提供行為の実施者が講ずべき衛生管理事項
- 包括的事項
(1)調理従事者から衛生責任者を定め、その者に調理に係る全般を管理させること。衛生責任者は、食品衛生責任者の資格を有する者であることが望ましい。
(2)調理従事者に対して、食中毒予防などの衛生教育を定期的に実施すること。
(3)調理従事者の検便を実施するなど健康状態の把握に努め、食中毒の原因となる疾患又は感染する恐れのある疾患に罹患し、又はその疑いのある場合は、直接食品に接触する作業に従事させないこと。
(4)数量、献立等は、調理施設の規模や設備、従事者数等を十分に勘案し、無理のないものとすること。
(5)調理完了後、おおむね2時間以内に食べ終わるような運営に努めること。
(6)献立、原材料の仕入先、配達先、配達時刻の記録を1か月間以上保管すること。
- 調理施設
(1)調理施設は、専用のもの又は公共施設等の調理場所を活用することが望ましい。
(2)流水受槽式の手洗い設備を設け、洗浄剤、消毒液及びペーパータオルを備えること。
- 調理従事者
(1)始業時には手指の傷や体調を点検し、異常のある者は調理に従事しないこと。
(2)調理時には、清潔な作業衣及び必要に応じてマスクを着用すること。
(3)調理時には、手指の爪は短く切り、指輪、時計をはずすこと。
(4)用便後、調理前、調理中は、必要に応じ、手指の洗浄、消毒を十分行うこと。
- 食品等の取扱い
(1)食品材料の仕入れ
ア 原材料等の仕入れに当たり、衛生上の観点から品質、鮮度、表示、包装の状態等について点検し、異常がある場合は使用しないこと。
イ 保存性のある食品を除き、当日に必要な量だけを仕入れること。
(2)食品の保管
購入した食品は適切な温度で、他の食品を汚染しないよう保管すること。
(3)調理器具
ア 調理器具・食器類は清潔なものを使用すること。なお、調理器具・食器類は、毎日提供する施設は毎日、それ以外の施設は調理開始前に殺菌・消毒してから使用すること。
イ まな板・包丁などの調理器具は、肉、魚など食品の種類、あるいは調理前・調理済など食品の状態に応じて、適宜、適切な洗浄・消毒を行い使用すること。この場合、可能な限り、それぞれ専用のものを用意し区分して使用することが望ましい。
(4)調理
ア 前日調理をしないこと。
イ 魚介類は流水でよく洗ってから調理すること。
ウ 冷凍品の解凍は常温で行わないこと。
エ 提供する食品はできる限り加熱調理したものであること。また、中心部まで熱が通るよう、食品の特性に応じ十分に加熱すること。
オ 調理は一連の作業で行うこと。やむをえず調理途中で作業を中断する場合は、冷蔵庫で保管すること。
カ 盛付けは、箸(トング)又は衛生手袋を使用して行い、素手で直接取り扱わないこと。
(5)検食(保存食)
専用の調理施設で行う場合は、検食はできる限り保存すること。この場合、献立毎に50g以上を清潔な容器等に採取し、冷凍庫で2週間程度保管することが望ましい。それ以外は、保管する場所や期間等を工夫し、可能な範囲で保存すること。
- 配食サービス
(1)配食に際しては、蓋付き容器に入れる等ほこりや異物が入らないよう注意すること。
(2)食事の運搬は、保冷又は保温の設備のあるクーラー容器等を使用して適切な温度管理のもとで短時間に行うこと。
(3)利用者に手渡すときは、次のことを口頭又は書面により伝え、注意喚起すること。
ア 受け取り後、すぐにお召し上がりください。
イ やむを得ず保存する場合は、冷蔵庫で保管してください。また、時間が経過した時は捨ててください。
お問い合わせ
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