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教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「四月に想う」  新たな教育振興基本計画がスタートします

 今年も桜の季節がやってきました。
 「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」平安時代の歌人である在原業平のこんな和歌が思い浮かびます。温暖化で桜の開花がかなり早い年もありますが、以前は「入学式と言えば桜」というイメージだったような気がします。
 
 4月から幼稚園・保育所・こども園に入園(所)する子どもたち、また、小学校、中学校、高等学校に入学する子どもたち、また、学年が一つ上がって新しいクラス、先生、友だちとの生活が始まる子どもたちは、期待に胸膨らむ日々のことと思います。
 一方では、昨年度学校を休みがちになり、新しい学年に向けて不安な気持ちを抱いている子どもたちも少なからず居ることと思います。高松市では、この度、教職員向け「不登校Q&A」を完全リニューアルし、児童生徒が新しい学年を迎えるに当たっての配慮事項、対応例等を含むマニュアルを各学校に周知したところです。子どもさんの事で心配なことがある保護者の方は、ぜひ学校に御相談ください。
 

 さて、この4月から、高松市の教育行政の基本計画である第3期高松市教育振興基本計画がスタートします。計画期間は、今年度から2031年度までの8年間で、これまで取り組んできた施策を継承するとともに、新たに大きく「3つの柱」を設定しました。
 
 1つ目は、「ふるさとの未来を支える教育の推進」です。私たちが住んでいる高松市には、美しい景観や歴史的遺産、文化など、市民が誇りを持ち、自慢できる資源が数多く存在しています。子どもの頃から、こうした「高松」の魅力に触れること、また、街の将来に積極的に関わっていこうとする態度を育成することで、「シビックプライド」を育んでいく教育を目指しています。     
 
 2つ目は、「多様な教育ニーズに対応した教育機能の充実」です。子どもたちは、一人ひとりが、個性や良さを持っています。全ての子どもが安心して主体的に学べる環境を作り、成長を促していくために、多様なニーズに合わせた教育に取り組みます。
 
 3つ目は、「学校・家庭・地域の連携・協働の推進」です。全国的に、地域のつながりの希薄化が指摘されている中、地域とともにある学校づくりや学校を核として地域づくりを進めていくことで、学校運営の改善や子どもたちに愛される地域づくりに取り組みます。
 

 今回の計画では、基本理念を、「高松を愛し 夢と志を持って 一人ひとりが輝く教育」としました。ふるさと高松への愛着や誇りは、自らの心のよりどころとなり、生涯を通じて生きがいのある人生を送るための礎になります。また、子どもたちは、一人ひとりが それぞれ違う輝きを秘めたかけがえのない存在です。こうした子どもたちが、多くの人と出会い、感動したり、困難を乗り越えたりしながら、夢と志を持って、自分らしく輝いてほしいという願いを込め、この基本理念を掲げました。
 
 そして、「誰一人取り残さず 一人ひとりが輝く教育」、「高松で育ち、高松で学び、高松で暮らして良かったと思える教育」を基本的な考え方として、「生きる力を育む学校教育の充実」、「安全・安心で魅力ある教育環境の充実」、「家庭・地域とともに育む教育力の向上」、「生涯にわたり心豊かに学べる環境づくり」の4つの基本目標のもと、今後の施策を展開していきたいと考えています。
 
 今、教育の在り方は、大きく変わってきています。子どもたちが多様化している中で、これからの教育は、それぞれ個性が異なる子どもたちが、自分の良さや可能性に気付きながら、自分で考え、様々な人々と協働しながら課題を解決し、未来を切り拓いていけるようにする教育を目指しています。最近皆さんもよく耳にする、「ウェルビーイング」という言葉がありますが、子どもたち一人ひとりの幸せ・・・将来、自分の力で歩んでいけるよう願い、教育委員会、学校だけでなく、保護者の方や地域の皆様と一緒に手を携えて、子どもたちを育んでいきたいと思っています。
▼第3期高松市教育振興基本計画について、詳しくはこちらから▼