旅の風景I展
《早春》熊野俊一 1975年、《香東川》比嘉良治 2004年
塩江美術館では、「旅」をテーマとし、塩江町出身の洋画家熊野俊一(1908~2005年)と沖縄県出身の写真家比嘉良治(1938年~)の作品展を開催いたします。
比嘉良治は沖縄県名護市出身。アメリカで写真を学び、ニューヨークを拠点として作家活動をしています。1993年から2002年まで、塩江町立美術館(現高松市塩江美術館)で開催された「しおのえ国際青年芸術祭」において指導に当たり、塩江町をたびたび訪れました。今展では、ピンホールカメラを使用し、塩江町やマンハッタン、京都を撮影した写真作品を展示します。ねじ曲がり、シンメトリーに配置されたビル群、川の流れが浮かび上がる香東川のモノクロ写真は、計算と偶然、バランスとアンバランスの間で不思議な空間を生み出しています。
塩江町出身の熊野俊一は、東京に在住し、生涯に12回の渡欧・滞在を重ねてヨーロッパで制作を重ねた画家です。太平洋戦争時下の1943年には、画家の荻須高徳や岡田謙三の勧めにより、日本にはない風景を求めて従軍画家として満州に渡ります。満州熱河地方で、その透明な空気の中で見る風景に心を奪われ、夢中で筆を走らせました。その後、55歳となる1963年に初めての渡欧を果たし、ヨーロッパの乾いた空気の中に溢れる色彩を発見します。なかでも、ルノワールやマティスなど多くの画家が訪れた南仏のカーニュ=シュル=メールでは、住民の温かさに触れ、その地の光の下に映える鮮やかな色を自らの理想と考え、長く滞在して数多くの作品を遺しました。
《ニューヨークのビルシリーズ5》比嘉良治 2004年
《サン・ポールの春》熊野俊一 1973年
《蘇州の村》熊野俊一 1980年
展覧会名: 平成24年度常設展第3期 旅の風景 展
開催期間: 平成25年1月18日(金曜日)~ 4月21日(日曜日)
開催場所: 塩江美術館常設展示室
開館時間: 午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)
入館料: 一般300円、大学生150円
(企画展観覧料含む/団体は20名以上2割引)
高校生以下、65才以上の方(長寿手帳等が必要)、
障害者手帳等の保持者は無料
休館日: 月曜日(ただし、休日と重なる場合はその翌日
主催: 高松市塩江美術館
