熊野俊一 自選作品展
《朝の港》 1979年
熊野俊一(1908~2005年)は、塩江町出身、東京に在住し、生涯に12回の渡欧・滞在を重ねてヨーロッパの光の下で油彩画を描いた画家です。上京後に師事した二科会の正宗得三郎が日本に初めて紹介したマティスの色使いに感銘を受け、ヨーロッパの色を求めます。太平洋戦争時下の1943年には、画家の荻須高徳や岡田謙三の勧めにより、日本にはない風景を求めて従軍画家として熱河(中国)へ渡りました。その後、戦争による空襲や疎開、転居を経て、熊野は55歳となる1963年に初めての渡欧を果たします。西欧諸国に長期滞在を繰り返し、西欧の光の下で絵画を描きました。
1992年、熊野は塩江町を訪ねて、自らの所有するすべての作品寄贈を希望する旨を伝えました。塩江町では熊野俊一の作品寄贈の申し出を受け、かねてから故郷を離れて活躍する人々の活動を紹介することで過疎に悩む町を活気づけたいと計画していた経緯により、香川県で唯一の町立美術館の建設を決定しました。
現在、塩江美術館では、デッサンなどの習作も合わせると、約350点の熊野俊一作品を収蔵しています。今展では、1994年の開館当時に美術館へ寄贈された熊野俊一の油彩画181点の中から、画家本人が自身の代表作に選定した作品約30点を展示いたします。
《エズ・ビラージュ》 1977年
《ルノアールの庭からシャトーキャニューを望む》 1980年
《サンタ・マリア》 1988年
展覧会名: 平成24年度常設展第2期 熊野俊一 自選作品展
開催期間: 平成24年8月30日(木曜日)~平成25年1月14日(月曜日祝日)
開催場所: 塩江美術館常設展示室
開館時間: 午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)
入館料: 一般300円、大学生150円
(企画展観覧料含む/団体は20名以上2割引)
高校生以下、65才以上の方(長寿手帳等が必要)、
障害者手帳等の保持者は無料
休館日: 月曜日(ただし、休日と重なる場合はその翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)
主催: 高松市塩江美術館
