2018年度度第2期常設展
〔常設展示室1〕181枚の記憶―高松市美術館特別展の歩み―
〔常設展示室2〕和とモダン―金工家・北原千鹿―
常設展
【常設展示1】 181枚の記憶―高松市美術館特別展の歩み―
高松市美術館は市街地中心部に位置する都市型美術館として1988(昭和63)年8月にオープンし、今年開館30周年を迎えます。これまでに3つの収集方針((1)戦後日本の現代美術(2)20世紀以降の世界の美術(3)香川の美術)に基づいて美術品をコレクションするとともに数多くの展覧会を開催してきました。
これまでの特別展開催数は実に181。このたびの展示では開館30周年を記念し、当館特別展の歩みを振り返ります。たとえば、開館した年に行われた「木村忠太回顧展」(1988年)はフランスを中心に高く評価された木村の画業を紹介しました。その約30年後、木村夫人から御寄贈いただいた新たなコレクションを記念し、「高松市美術館コレクション+ 木村忠太とこぼれる光のなかで」(2017年)を開催しました。また、1年余の改修工事を経てリニューアルオープンした2016(平成28)年には現代アーティスト・ヤノベケンジによる四国初の大規模な個展「ヤノベケンジ シネマタイズ」(2016年)を開催し、展示室全体を映画セットにするというユニークなインスタレーションを行いました。
今回開館30周年記念として、181枚の特別展フライヤーを展示、また、青木陵子のドローイング連作「ワイルドフラワーのたね」は青木氏本人に特別に展示していただきました。高松市美術館コレクションの中核を成す作品20点(17作家)とともに当館特別展のヒストリーをお楽しみください。
【常設展示2】 和とモダン―金工家・北原千鹿―
1920年代以降、ヨーロッパの工芸動向の影響を受け、それまで単なる職工であった金工家は装飾美術家を自負し、伝統的技術の競い合いに留まっていた金工に美術品という価値を付加しようという気運が高まりました。そこから「
上記の工芸団体で活動していた当時の千鹿作品はアール・デコや構成主義などヨーロッパの工芸品の影響が色濃く見受けられますが、千鹿は単にヨーロッパの思想や主義に則って創作したのではなく、その時代の生活や文化に即した新しい工芸品の創出を目指し、和と洋が融合したモダンな意匠を生み出したのでした。
1930年代以降の日本古来の自然や文化に根差したモチーフの作品や優れた図案であることを示す貴重な下図とともに、千鹿のモダニズム金工をお楽しみください。
画像:上 青木陵子 シリーズ「ワイルドフラワーのたね」より《ふもとあたりは雪かも》2010年
画像:下 北原千鹿 《漆 彩色銀 洋酒盃》昭和初期 撮影:青地大輔
展覧会基本情報
会期:
2018年6月30日(土曜日)~9月24日(月曜日・祝日)
会場:
1階常設展示室
休館日:
月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
開館時間:
午前9時30分~午後5時
(但し、特別展開催期間7月27~9月2日、9月15日~9月24日の
火曜日~土曜日・祝日は午後7時まで)
主催:
高松市美術館
観覧料:
【一般】 200円(160円) ※65歳以上無料
【大学生】150円(120円)
【65歳以上・高校生以下】無料
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳所持者は入場無料
※共通定期観覧券についてはこちらから
お問い合わせ先:
高松市美術館
電話:087-823-1711
関連イベント
ギャラリートーク
開催日時:
2018年9月1日(土曜日)午後2時~
会場:
1階常設展示室
入場料:
無料(ただし観覧券は必要です)