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平成31年4月

更新日:2018年3月1日

教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「四月に想う」桜も野の花も、どの花、見ても、きれいだな

 春を彩る桜は、始業式や入学式の挨拶には常に登場し、新しい学年を迎える子どもたちを祝うかのように満開になっていました。しかし、少しずつその開花が早まり、子どもたちが登校して来るのを待ってくれないのではと、ひやひやしていましたが、花冷えが続き、何とか桜の下での新年度となりました。花壇を彩るチューリップも、子どもたちのいない静かな学校で、手持ち無沙汰に春の風にその花を揺らしていましたが、子どもたちの歓声に喜んでいるように見えました。
 「さいた さいた チュ-リップの花が ならんだ ならんだ 赤 白 黄色 どの花みても きれいだな」と、だれもが一度は歌ったことがある「チューリップ」の歌という童謡があります。この歌は、当時、東京都にお住まいだった近藤宮子さんが、昭和5年に作詞したものです。「どの花みても きれいだな」という歌詞について近藤さんは、「何ごとにも良いところがあるものです。とくに、弱いものには目を配りたい、という自分の思いを込めました。」と語られています。昭和5年という、日本を取り巻く状況が不安な時代を迎えていたころに、みんなの良いところを見つめ合おう、そして、どの子もきれいな心を持っているという気持ちを、この「チューリップ」の歌に託したのでした。
 先月、引退を表明したイチロー選手には、代名詞ともなっている「振り子打法」誕生の逸話があります。入団したころ、他の選手より体が細身で体重があまりないために、普通のタイミングで球をとらえると負けてしまうことから、早くタイミングを取って、球を迎え撃つ感覚で打とうと生まれたのが振り子打法でしたが、当時の監督からは、人と違った打ち方である振り子打法のフォームを改造するように言われていました。しかし、イチローは、人と違うが、自分の短所を補い自分に合ったこの打法をかたくなに続けました。その後、新たな監督に振り子打法が認められ、1軍の試合にも出られるようになりました。それからの活躍はご存じのとおりであり、前人未到の素晴らしい記録を残し、記憶にも残る不世出の大選手になったのです。
 私には、双子の孫がいます。この春に小学3年生になったのですが、生まれた時から、全く同じ環境の中で育ってきました。同じ物を同じ時刻に食べ、同じ場所で同じ話を聞き、一緒に遊び、一緒に学び、一緒に眠り、ほとんどの時間を互いが互いの視野にある生活をしています。にもかかわらず、不思議なことに性格や好みに違いがあります。どこで、どのようにその違いが生まれてきたのかは全く分かりませんが、明らかに異なる部分があるのです。
 現代は、多様性を尊重しあうことを求められる時代であり、それはとても大切なことです。その多様性とは、国籍やLGBTなどのマイノリティや、性別や年代などを指しますが、その尊重に至る成長段階において、顔も、性格も、価値観も違うという、一人一人の個性は、そもそも多様だからということを、子どもにとって自ずと理解できるようにしたいものです。そのためには、出会いの春を迎えた今こそ、周囲にいる大人たちの多様性に寛容な振る舞いがとても大切になってきます。
 見上げる桜も美しいですが、その下に咲く名も知らない一輪の野の花もまた、美しいと思います。

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