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教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「四月に想う」   永遠ではない日々

 今年も桜の季節になり、高松市立の幼稚園・こども園・保育所、小学校、中学校、高松第一高等学校に新入生を迎える準備が始まります。同時に4月1日付けで、新規採用のやる気に満ちた先生方が赴任して来られました。大学又は大学院を卒業してすぐ教壇に立つ人や、他県で教員をされていた人など様々です。今年は、特に多くの初任者の先生方が高松市立の学校に赴任され、フレッシュなエネルギーに期待が寄せられるところです。近年、教員業務の大変さがクローズアップされる中、それでも教職に魅力を求め「教員になりたい」と、この道を選んでくださった皆さんを、市として、また、それぞれの学校全体で、しっかりと支えていきたいものです。

   

 私自身にも教員1年目の頃がありました。ふり返ると、今でも4月1日の職員会議の時の校長先生の言葉は忘れることができません。

   

 「先生方、ひとたび正門をくぐったら、何よりも子どものことを中心に考え、しっかりと働いてください。いろいろな事があります。困難に直面することもあるでしょう。自分の無力さに『大海の一滴』のような気持になることがあるかもしれません。・・・しかし、たとえ大海の一滴でも、その一滴から少しずつ波紋が広がるでしょ。教育っていうのはそのようなものかもしれない・・・。一日の多くの時間を過ごすこの学校で、一瞬一瞬を生きなければ、自分の人生を生きたとは言えない・・・。」

 当時、生徒指導で困難を極めていた学校に赴任した時の校長先生の言葉でした。初任者の頃に使っていたアイボリーの表紙のお気に入りノートは、今でも大切に持っており、読み返すと、職員会議や全校朝礼等で校長先生が語ってくれた言葉がびっしりと書き留められています。

   
   
 あれから長い年月が過ぎた数年前の夏、当時勤務していた中学校のバレー部の同窓会に招待されました。彼女たちは50歳代になっていたので、久しぶりに会う子がほとんどでした。

 昔話に花を咲かせていた時、ふと、現在は病院で看護師をしているエリちゃんと呼ばれていた子(彼女は担任もしていました)がこんな話をしてくれました。
  
「先生、私、中学校3年の総体の前、先生が練習で指を骨折してるのに、ギブスしたまま、むっちゃ練習に力を入れてくれてて、ある日、『先生、なんでそんなに頑張れるん?』って聞いたことがあるんよ。」   
   
「そしたら、先生が、『エリちゃん・・・、みんなにとって、中学校時代は、一生に、たった1回しかないんよ。3年生の総体も1回だけ。だから悔いのないように、頑張ってもらいたい。』って言うたんよ。」

 そうだったかなーと、はっきりとは思い出せずにいると、彼女は続けました。

    
「私、ずっと病院に勤めてるんやけど、いつも『患者さんにとって、この入院は一生に1回かもしれない。だから、自分のできる限りのことはしたい。』と思って仕事しよるんよー。」

   
   
 不安な患者さんに寄り添いながら笑顔で仕事をしている彼女の姿を容易に想像することができました。

 38年も経ってそのような言葉を聞けるとは、自分自身全く意外でした。この年齢になって振り返ってみると、初任者の頃は、自分を野球のピッチャーに例えると、カーブもシュートも知らず、いつもストレートでしかストライクが取れない、でもどんな時も全力投球だけはしていたかなと思う日々でした。しかし一方で、最も球が走るという若さがあったのかもしれません。

   
   
 さて、学校から家庭の話題になりますが、今年の初め、新聞を読んでいると、ある見出しが、目に飛び込んできました。 「永遠ではないから尊い」 そこには、息子さんと離れて暮らし始めた、歌人の俵万智さんの短歌とエッセイが掲載されていました。

『 最後とは 知らぬ最後が 過ぎてゆく 

その連続と 思う子育て 』

     
 家族そろってご飯を食べるとか、子どもを追いかけて服を着せるとか、日常のささやかな出来事って、知らぬ間に最後の瞬間が過ぎていくんですよね。
 そのことに気が付いたとき、「もし最後だとわかっていたら、もっと瞬間、瞬間を大切に味わっていたんだろうな」という気持ちになりました。・・・何事にも終わりは訪れます。永遠ではないから尊いのだと思います。・・・最後かもしれないという気持ちで日々向き合うことの大切さを感じました。
        

(令和8年1月4日 読売新聞より抜粋)

    
    
 教員という仕事も、親という役割も、いつもいつも順風満帆な時ばかりではありません。でも、そうした毎日も含めて、「自分の人生を生きたと言えるよう、一日一日を大切にしたい」と、遠い日の自分を思い出す今日この頃です。
     

      

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