外で徘徊している猫による問題として次のことがよくあります。
外で徘徊している猫とは、外に自由にさせている飼い猫と野良猫の両方あります。
1 敷地内などに侵入して、フンやオシッコをされる
自宅内や倉庫、駐車場、田畑などにフンやオシッコをされ、毎日その片づけに追われて困っている、倉庫や田畑、庭、鉢植えが荒らされるといった問題があります。
猫は自分が気に入った場所をトイレと決め、そこでいつも排泄する習慣があります。猫が特に気に入る場所はやわらかい砂や土、細かい砂利などです。
猫のフンやオシッコくらい平気なのでは…?と感じる人もいるかと思いますが、被害を受けた側の気持ちになって考えてみましょう。 片づけても、片づけても、毎日フン尿があり、せっかく植えた草花も何度も荒らされ、気持ちがブルーになってしまい、思い悩んでいる人もいます。 |
また、フンやオシッコによって次の影響があります。
①臭いがきつい
干してある洗濯物に臭いがついたり、臭いのため家の窓が開けられない、倉庫内に臭いがついてとれないなどの問題があります。
複数の猫にされた場合、悪臭のため、気分が悪くなることもあります。
②フンの中には人にもうつる寄生虫がいることもある
動物のフンの中には寄生虫の卵がいるときがあり、時には人にもうつってしまう寄生虫がいることもあります。
③衛生害虫の増殖
ハエ類などの衛生害虫がたかって増え、衛生害虫が媒介する感染症の蔓延にもつながります。
2 猫同士が威嚇のため、大きな声で鳴きまくる
猫は発情期がくると、メスや縄張りをめぐってオス同士がケンカをします。
その威嚇として大きな声で夜に鳴くので、その時期になるとうるさくて眠れないといった問題がでてきます。
3 車やバイクの上に乗り、足跡や毛がついたり、爪で傷つける
猫は高いところが好きな動物で、車やバイクの上での日向ぼっこも大好きです。
しかし、足跡や毛がついたり、時には爪で傷がついてしまうこともあります。持ち主にしたら大切にしている財産を傷つけられていることとなります。
4 猫が繁殖し増えている
猫同士で繁殖して子猫が生まれ、さらに増えていくと、上記の1~3の問題も増えていきます。
このように、外で徘徊している猫によって、困っている人はたくさんいます。
猫の問題を放置しておくと、周辺の方の猫への嫌悪感が増幅し、猫の存在そのものを否定する流れになってしまいます。
上記の猫の問題に対する対処策として、次のことが挙げられます。
1 飼い猫は完全室内飼いにし、外には出さない
飼い主は自分が飼っている動物について、周辺に迷惑をかけないよう飼育する責任があります。
また、外飼いは、交通事故や感染症、他の動物からの危害などリスクが高いことから、飼い始めたときから完全室内飼いすることを推奨しています。
しかし、室内飼いのしつけができていないなど、どうしても外に出てしまう場合、なるべく周辺に迷惑がかからないよう次のことに努めていきましょう。
・トイレのしつけをきちんと実施し、家の中以外に、外にもトイレを設置する。 ・猫には必ず首輪をつけ、近所の方には飼い猫が敷地内に入り迷惑をかけることがあるかもしれないことを事前に断りを入れる。 |
2 猫の侵入を防ぐ
猫の侵入を防ぐやり方として次の方法があります。
①家や倉庫などの出入り口を塞ぐ
建物の中によく入ってきてしまう場合は、猫の出入り口となっている所を扉や板などで完全に塞ぎ、入ってこれないようにしましょう。
②猫が好きな環境にしない
猫は雨風が防げるところ、寝るのにちょうどいい箱や布、隠れやすいところなどが大好きです。敷地内にそのような物がある場合は撤去し、整理整頓を心がけましょう。
③飼っている動物のエサを置きっぱなしにしない
ペットのエサに寄ってきてしまっていることがよくあるので、ペットのエサは時間を決めてエサを与え、置きっぱなしにしないようにしましょう。
④猫が嫌がるものを設置する
猫がよく来る(よくフン尿される)ところに、猫が嫌いなものをまいて、猫にここは嫌な場所であると学習させる方法です。
猫が嫌がるものとして次のものがあります。
・ | 漂白剤 | ハイターなど塩素系漂白剤を希釈して散布する |
・ | 食用酢 | 希釈して霧吹きなどで散布する |
・ | お米のとぎ汁 | とぎ始めの濃い汁を散布する |
・ | ニンニク・とうがらし | 細かく切ってまく |
・ | みかんなど柑橘系の皮 | 細かく切ってまく |
・ | 水・大きな石や瓦など | 濡れるのが嫌い、固くゴツゴツしているものが嫌い |
・ | 超音波猫侵入防止装置(ガーデンバリア) | 猫が嫌がる超音波によって侵入を防ぐ |
においによる対策の場合、蒸発するので、こまめにまくのがポイントになります。
猫にいつ来ても嫌なにおいがする場所だと思わせるために、1日に2回以上散布しましょう。
保健所では、超音波猫侵入防止装置(ガーデンバリア)の無料貸出しを行っています。
詳しくはこちら→ 猫侵入防止装置「ガーデンバリア」の貸出しについて
3 猫を増やさない
周辺で猫を増やさないために、次の方法があります。
①飼い猫は繁殖制限措置を行う/飼い猫を捨てない
飼い主は、自分が飼っている動物について、周辺に迷惑をかけないよう飼育する責任と、飼っている動物やそこから生まれてくる新たな命に対しても責任があります。生まれてくる命に責任が持てない場合は、不妊去勢手術などを実施し、不幸な命を増やさないようにしてください。
市では飼い猫の不妊去勢手術費に対して補助があります。詳しくはこちら。
また、飼われていたと思われる猫が捨てられていた、また、猫だけ置き去りにされて飼い主は引っ越したなどで、地域に野良猫が増えたという事例もあります。
ペットを捨てる行為は法律で禁止され、罰則規定があります。
動物の遺棄は犯罪です。
飼い始めたら最後まで飼養(終生飼養)することが飼い主の責務です。
保健所では適正飼養の啓発チラシの無料配布を行っています。詳しくはこちら。
②無責任なエサやりはやめる
飼うことができないけど、かわいそうだからエサを与えてしまい、猫が増えてしまったということがよくあります。
エサを与えるだけで他の管理をしない無責任なエサやりは、不幸な猫を増やすだけとなります。
保健所では無責任なエサやり防止ポスターやチラシの無料配布を行っています。
詳しくはこちら。
エサを与えるのであれば飼い猫として飼う、不妊去勢手術を実施するなど、命に対して責任を持ちましょう。
③TNR活動の実施
野良猫を捕獲(Trap)し、不妊去勢手術(Neuter)をして、元の場所へ戻し(Return)、地域に不幸な猫を増やさない活動を、TNR活動といいます。
手術をすれば、それ以上は猫が増えることはなく、猫による問題を抑えることができます。
保健所では、市内に生息する所有者のいない猫に対する不妊去勢手術の支援として、捕獲器の貸出しを行っています。
詳しくはこちら→ 猫捕獲器の無料貸出しについて
!!保健所は猫の捕獲はしてません!! 猫の問題行動により、猫がほとほと嫌になり、保健所に捕まえて処分して欲しいという声もありますが、保健所は、猫の捕獲はできません。また、処分目的の引き取りはしておりません。 |