更新日:2025年5月26日
山の上の水族館として多くの人々に親しまれてきた「新屋島水族館」が去る4月6日(日)で一旦営業を終え、リニューアルのために約2年間の休業に入っています。この水族館は、昭和44年にその名も「屋島山上水族館」として開館し、世界初のアクリルパネル製ドーナツ型大型回遊水槽を導入するなど、先進的な展示で注目を集めました。私は当時10歳。早速連れていってもらい、ウキウキと高揚した気分になったことを覚えています。平成18年には老朽化のため、館の存続が危ぶまれていたところ、水族館用大型アクリルパネルで世界トップシェアを誇る「NIPPURA(株)」に運営が引き継がれました。リニューアルで、大型回遊水槽は無くなってしまいましたが、国内では2カ所でしか見られないアメリカマナティの展示や、「世直し侍」が登場する劇仕立てのイルカライブなど、ユニークな取り組みで多くの来場者を魅了してきました。しかし、施設の更なる老朽化は避けられず、平成26年には一旦閉館の方針が示されましたが、存続を求める声を受け撤回され、以降も年間約20万人の来場者を維持してきました。
この施設は、子どもたちが水生動物と触れ合える市内唯一の施設であり、その存続問題は、高松市の課題でもあります。このような状況の中で、新屋島水族館を、国の「ふるさと融資」という制度を使ってリニューアルすることとし、合わせて本市と運営主体である「屋島水族館(株)」の間で、屋島山上の集客施設の充実や子供達の屋島に接する機会の創出など、4つの連携項目について「屋島活性化に向けた連携協定」を締結しました。
今回のリニューアル工事では、開館時からの目玉であった大型回遊水槽のコンセプトを復活し、親会社である「NIPPURA(株)」の技術を活用することで国内では他には見られない展示方法を導入する予定と聞いています。また、休館期間中も生き物たちとの触れ合いを継続するために、中央卸売市場の旧青果棟の施設を活用して臨時の「市場水族館」が開設されました。ここでは、コツメカワウソやペンギン、瀬戸内海に生息する魚などが展示され、子どもたちに人気の場所となっています。ただし、アメリカマナティやイルカについては、屋島山上でお留守番。人気者との再会は、しばらくお待ちください。
高松をローマ字で書くと「TAKAMATSU」。その母音の頭文字だけを取ると「TKMT」(ティー・ケー・エム・ティー)になります。その「TKMT」の文字列を図案化して、「高松市シティプロモーション推進ビジョン」において新しいロゴマークとして決定しました。そして、幅広く多くの人にご使用いただくために、色や組み合わせでいくつかのバリエーションを用意しています。
このロゴマーク、大きな特徴として、「TKMT」の「T」「K」「M」「T」の文字を使って、例えば
「(T)たのしい(K)けしき(M)みんなで(T)つくる」
のように、その人その人がT(時)、P(場所)、O(機会)に応じてオリジナルのメッセージを作成し、ロゴマークと一緒に発信することができます。ぜひ、いろいろ工夫をして自由に楽しくご活用ください。高松がこうあって欲しい、自分はこんなことを世に訴えたい、とあれこれ考えることで、頭の体操になり、老化予防に役立つかも知れません。そして、皆さんのメッセージが、高松全体のシティプロモーションに結び付き、交流人口や関係人口を増やし、ひいては「高松に対する愛着や誇り」(シビックプライド)を醸成することにつながっていくことを期待したいと思います。
今、世界では、Well-Being(ウエル・ビーイング)という考え方が注目されています。健康や経済的な豊かさだけではなく、心身ともに満たされ、社会と調和しながら生きることが実感できる状態を意味する言葉です。穏やかな瀬戸内海を眺めながらの散歩、屋島の山頂から見る朝日や夕陽、栗林公園の静寂の中で感じる季節の移ろいなど、自然の恵みに加えて、人とのつながり、挑戦できる環境、誰もが自分らしく生きられる社会があることが、ウエル・ビーイングなまちの基盤となります。
(T)多様性を受け入れるまち、(K)暮らしたいまち、(M)また来たいまち、(T)つながるまち
我が高松市は、暮らす人も、訪れる人も皆がこのウエル・ビーイングな心地良さを感じるまちになりたいと思います。そんなこの街の可能性を「TKMT」のロゴマークに載せて、みんなで育てていきませんか。
来たる4月13日(日)、いよいよ「大阪・関西万博」が大阪の夢洲(ゆめしま)で開幕します。そして、4月18日(金)からは「瀬戸内国際芸術祭2025」の春会期が始まります。これら2つの世界的規模のイベントは、現代の日本が世界に誇りうる文化の魅力を発信する絶好の場となるはずです。そして柳田國男が唱えた「ハレ」(非日常)と「ケ」(日常)といった日本文化の根幹をなす独自の視点を映し出すイベントとしての意義を備えているように思えます。
万博がまさに「ハレ」の極致の場であることは言うまでもないでしょう。「人類の進歩と調和」をテーマとした1970年の大阪万博が日本の高度経済成長の象徴であったように、2025年の大阪・関西万博も、わが国と世界の現状を映し出し、新たな未来社会を指し示す場となるはずです。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。先端技術や持続可能な社会への挑戦に関連する展示などが集結し、人の「いのち」に関わる世界中の知恵と文化が交差する「ハレ」の場となることを期待したいと思います。
一方、瀬戸内国際芸術祭は、穏やかな瀬戸内の離島の日常「ケ」の中に「ハレ」を生み出すアートイベントである、と言って良いかもしれません。舞台となるのは、普段は静かな瀬戸内の島々。初回から一貫して「海の復権」と「地域の活性化」をテーマとして、アートが自然や地域の文化、歴史と共鳴し、島民の日常生活と何らかの関わりを持ちながら展開されます。瀬戸芸は「ケ」を豊かにする「ハレ」の場なのです。
万博が非日常の祭典として、人類社会の未来像を描き、社会の発展と持続可能性を示し、瀬戸芸が島の日常に根差したアートの力を見せながら日常を豊かにし、海の復権を図ります。この二つの世界的なイベントが同時期に、しかも「世界の宝石」と言われる瀬戸内海の近接した場所で開催されることで、日本が持つ「ハレ」と「ケ」の文化的バランスが再認識され、多様な価値観を共有する機会となることを心から願っています。2025年、令和7年は日本が再び世界に向けて新しい文化の姿を発信するきっかけの年になるのではないかと今からワクワクしています。
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