高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol.01―もうひとつの・カーニバル―
高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol.01―もうひとつの・カーニバル―開幕しました!
今年7月に始まり国内外から注目されている瀬戸内国際芸術祭は、なかなかおさまらない今年の暑さのように、芸術祭を取り巻く熱気が島から海からここ高松にも伝わってくるようです。
そんななか、高松市美術館が開催する“もうひとつの・カーニバル”が9月18日に開幕しました。
コンテンポラリー=「現代の」 アニュアル=「年一回」という意味を含むこの展覧会。
去年開催された高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol.00に続く、第二弾です。
いま(2010年9月、10月)ここ(地球の日本の四国の香川、高松)にいる、アナタ、ワタシがこれを見なくて何を見る!?
vol.01の特徴は、作品そのものに「もうひとつ」のしかけが仕組まれていること。
いくつものしかけを見つけてもらうためにも、空間全体で表現された5人の作家の作品を目で見るだけではなく、聴覚をはじめ体全体で感じてもらいたい…のですが、
今回は、特別に展覧会の様子を少しだけお見せしましょう!
●1部屋目 [青木陵子]
ふんわりとした雰囲気の青木さんの空間。
写真は展示をみにきていた紫雲中学校の女の子たちです。
展示室には、小さな紙に描かれたドローイング作品が、軽やかなリズムを見せながら壁に直接貼られています。
蛍光ペンや色鉛筆、マニキュアで描かれた線は見方を変えるたびに形も変化していくようです。
懸命に絵を覗き込む少女たちの姿は作品と重なり合い、一層空間に輝きが感じられました。
●2部屋目 [猪瀬直哉]
これは、ブリューゲル…?それとも印象派?と一見古い西洋絵画のようですが、どれも数年前に描かれた新しい作品なのです。
猪瀬さんの作品もまた、見れば見るほど新しい発見ができる作品です。
古代の風景にもみえる画面に隠されているのは…コンセントの差込口、パソコンのカーソルなどなど。
それらを見つけては喜ぶお客さんの声が展示室に聞こえてきました。
●3部屋目 [山下香里]
はっ、とするほど白くて明るい山下さんの部屋。
展示室の空間全体が作品になっています。
部屋の全部を作品に取り込んでしまう山下さんの作品は、普段は気付かないような美術館の備品、ドア、壁の傷までも違って見えてきます。
しかし奥の小部屋には、表の静まりかえり洗練された世界とは全く別のものが…!
これは展覧会に来てからのお楽しみ。ぜひ、ご自分の目でご覧ください。
●4部屋目 [石田尚志]
石田さんの部屋には5つの映像作品があります。
写真は新作の一つである「夏の絵」。
害虫駆除のときに消毒液を散布する機械を使って、水で線を描く様子が映し出されています。
「描くたびに水が機械から地面に噴出す音」、「線を描く石田さんの動き」その二つの要素から生み出される線が描いた先から蒸発して消えていきます。
そんな映像からは普段は線しか残らないはずの「描く行為」を強く感じられるでしょう。
●5部屋目 [カミイケタクヤ]
子どもたちに一番人気なのが、この最後の部屋にあるカミイケさんの作品。
舞台美術を手がけてきたカミイケさん。
展示室には大胆にも大きな枕木とレールが貫かれています。
普段は緊張の走る美術館の展示室に持ち込まれた古い電信柱や黒電話などの「かつて誰かの生活空間に属していたモノ」たちが子どもたちの心を躍らしたのでしょうか。
このカミイケさんの展示室では10月16日(土曜日)に山下残さんによるダンスパフォーマンスが開催されるので、ぜひ遊びにきてください!
とにかく百聞は一見にしかず!どの作品も美術館の展示室と一体となっているので、いまここでしか見れない作品ばかり。
みなさんそろってお越しください~!