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西ノ丸

更新日:2018年3月1日

 現在の中央通りおよびその西側に位置していた西ノ丸は、絵図によると、生駒期には生駒隼人、松平期初期には肥田和泉といった大身の家臣の屋敷が所在しました。その後、屋敷は廃され、薬園となった場所です。また、古文書によると、一時、藩の学問所が置かれたり、歴史研究機関である考信閣と呼ばれる建物があった場所でもあります。なお、真偽は不明ですが、『小神野筆帖』によると、天守雛形(天守の模型)が捨ててあったそうです。

西ノ丸発掘調査

 西ノ丸の発掘調査では江戸時代の石垣が見つかりました。写真の向かって左側(南)に面をそろえていることから、石組みの右側(北)が当時は高くなっていたと考えられます。ただし、後世に上部が削られており、建物跡などは見つかりませんでした。

写真:江戸期の石列

 井戸・溝・柱穴・土坑(大型の穴)等多数の遺構が確認されており、中世段階において集落が営まれていたことが判明しました。特に、調査区中央部で東西方向に延びる溝(写真では左側に見えるまっすぐな溝)は、最も注目すべき遺構です。溝の幅は約2メートル,深さは約0.6メートルであり、16世紀のものと考えられる土器や瓦などが多量に出土しました。その中には「野原濱村无量壽院」(「无」は「無」の異体文字)と刻まれた瓦が出土し、中世の高松駅付近の地名が「濱村」で、調査地が香川県屈指の古刹である「無量壽院」跡であることが判明しました。

写真:寿町一丁目地区完掘状況

 中世には、今の高松市街地から栗林公園にかけての一帯は「野原」と呼ばれていました。文安2年・3年(1445年・1446年)の『兵庫北関入船納帳(ひょうごきたのせきいりふねのうちょう)』により港町であったことが知られています。近年の発掘調査により、現在の高松駅前付近には古代末から中世の遺跡が存在することが明らかになりつつあり、護岸施設を伴うことから野原の港町と考えられています。また、応永19年(1412年)の『北の天満宮一切経』奥書には、「極楽寺」「無量壽院」「福成寺」などの寺院名が散見でき、これらの寺院を建てられるだけの経済基盤を有する港町であったと考えられます。このため、高松城は中世の港町を壊して築城されたことが判明しました。西ノ丸の発掘調査でも、12世紀から16世紀と考えられる高松城築城前の遺構面を検出しています。

写真:『野原濱村无量壽院』と刻まれた瓦

 出土した遺物も特徴的で、当時としては一般の家には使用しない瓦の出土が多く、梵字を刻んだものもありました。また、墓石である五輪塔の出土や仏具として利用したと考えられる青磁の香炉が出土したことからも、中世後半に当地が寺院であったことが分かります。

写真:青磁香炉

無量壽院について

 現在、高松市御坊町にある寺院で真言宗御室派紫山随願寺(しざんずいがんじ)と言います。寺記によると、天平11年(739年)に行基が坂田郷室山の麓に創建したと伝わる寺院です。その後空海が修造し、七談義所(いわゆる僧徒学門所)の1つとして伽藍は荘厳であったと言われています。天文年間(1532年から1555年)に戦火で寺院が焼失したため、八輪島(現在の高松城がある場所)に移転しました。しかし、天正16年(1588年)の生駒親正による高松城築城の際に浜ノ町付近へ移転しました。その後、松平氏の時にはその地が藩の船蔵を造ることになり天神前へ移転し、さらにその地も藩の長屋を建てることになり、現在の地(御坊町)へ移転したのです。京都仁和寺の末寺で、無量寿院も付近の多門寺・西福寺など6ヶ寺を末寺とし、数多くの寺宝がありましたが、高松空襲によりすべて焼失してしまいました。

写真:無量壽院変遷図

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