更新日:2025年3月3日
それでは、令和7年第2回高松市議会定例会が開会されるに当たり、提出いたしました諸議案の説明に先立ち、所信の一端を申し述べたいと存じます。
本年1月21日に、トランプ氏が第47代アメリカ大統領に就任し、国際経済においては、関税措置への対応や、その影響が懸念されており、今後の情勢が注視されております。
また、中東においては、イスラエルとハマスが停戦に合意はしたものの、今後の展開は不透明であり、また、ウクライナにおいても、今もなお、ロシアによる侵攻が継続しておりまして、一日も早く、不安定な国際情勢が終結し、安心して暮らせる日が訪れることを、心から願うばかりであります。
我が国においては、去る1月に召集された第217回通常国会の施政方針演説において、石破首相は、「楽しい日本」を実現するため、「地方創生2.0」を「令和の日本列島改造」として強力に進める考えを示されました。
特に、官民が連携して地域の拠点をつくり、ハードだけではないソフトの魅力が新たな人の流れを生み出すこと、また、新技術の活用により、一極集中を是正し、多極分散型の多様な経済社会を構築することとしております。
一方で、本年は、いわゆる「2025年問題」とも言われる年であり、「団塊の世代」と呼ばれる方々が、全員75歳以上になり、医療や介護の需要が更に高まることから、その行政サービスの継続的な提供体制を構築することが課題になるものと存じます。
取り分け、我々地方自治体におきましては、人口減少、少子・超高齢化が、急速に進行しておりまして、本市にとりましても、労働力人口の減少や消費市場の縮小など、地域社会や経済に大きな影響があることを懸念しているところでございます。
また、香川県によりますと、昨年1年間で、香川県の人口は、8,504人の減少となり、本市の人口も、1,966人の減少となっておりまして、依然として、厳しい状況が続いております。
一方で、本市の社会動態は、732人の社会増となっており、2年ぶりに増加に転じ、平成17年度の近隣6町との合併以降、社会増の最も多かった、平成27年の695人を超える増加となりましたものの、本市の出生数は、近年、大幅に減少してきておりまして、強い危機感を抱いているところでございます。
そのため、市民の皆様が安心して子どもを産み育てられる社会づくりや、特に若者から選ばれるまちづくりなど、人口減少対策の取組を、県とも連携をしながら、強化してまいります。
また、今年度、新たに設置した東京事務所からの働き掛けなどによる官民共創や、「瀬戸・高松広域連携中枢都市圏」などを活用した、地域課題の解決に、積極的に取り組み、真の地方創生を実現してまいりたいと存じます。
さて、本市におきましては、今年度から、「第7次高松市総合計画」に基づき、目指すべき都市像「人がつどい 未来に躍動する 世界都市・高松」の実現に向けて、新たなまちづくりを進めております。
このような中、昨年3月の高松駅ビル「高松オルネ」のオープンに続きまして、先月には「香川県立アリーナ」が開館いたしましたほか、来月には、徳島文理大学の「高松駅キャンパス」が開学するなど、本市の玄関であり、顔とも言える、サンポート高松が大きく変わろうとしております。
また、来月からは、「瀬戸内国際芸術祭2025」や「大阪・関西万博」が開催されますことから、多くの人が、本市を訪れることが期待されておりまして、本市が更なる飛躍を遂げるためにも、しっかりと次の一手を打っていかなければならない、重要な時期を迎えているものと存じます。
私は、本年の年頭の挨拶におきまして、活躍の「躍(やく)」という字をキーワードに選ばせていただきましたが、この機会をとらえて「世界都市・高松」の実現に向けて大きく躍進し、本年が、本市にとりまして、飛躍の年になりますよう、取り組んでまいりたいと存じます。
そのためには、この好機をいかしながら、にぎわいや活気を、サンポート高松から玉藻公園、中央商店街や中央公園など、中心市街地全体に波及させるとともに、海・島、そして山間部への誘客につなげるため、国内外の皆様に、積極的に本市の魅力を伝えてまいりたいと存じます。
そして、子どもたちへ、よりよい明るい未来を引き継げるように、人口減少社会にあっても、活力を失わない持続可能なまちづくりに向け、高松の将来を担う若者の考えなどを取り入れながら、本市を誇りに思い、愛着を持つことができる、いわゆるシビックプライドの醸成に資する、シティプロモーションを始めとした、各種施策を戦略的に展開してまいりたいと存じます。
私といたしましては、これまでのまちづくりの成果を土台として、変革意識と新しい発想で、本市が、これからも輝き続け、暮らす人、訪れる人、それぞれが、ウェルビーイングな心地良さを感じるとともに、国内だけでなく、国外からも認知され、注目される「世界都市・高松」となるよう、私が先頭に立ち、職員一丸となって、全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
引き続き、議員各位並びに市民の皆様方の格別の御理解、御協力を賜りますようお願い申しあげる次第でございます。