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ブランチギャラリー 「デコレータークラブ―ショップ」

ブランチギャラリー

2024年6月18日(火曜日)~2024年7月21日(日曜日)

ブランチギャラリー 「デコレータークラブ―ショップ」

 昨年度、高松市美術館では美術家の飯川 雄大(いいかわ たけひろ)による《デコレータークラブ―0人もしくは1人以上の観客に向けて》と《デコレータークラブ―ベリーヘビーバッグ》(以下、《ベリーヘビーバッグ》)を収蔵しました。この度、それを記念して本展示「デコレータークラブ―ショップ」を開催します。
 飯川が展開する作品シリーズ「デコレータークラブ」は擬態する同名の蟹(和名:モクズショイ)に由来します。本シリーズには、他にも大きな猫の彫刻作品や壁を動かすことで新しい道や景色が広がる作品などがあり、どれも鑑賞者が作品に働きかけることで、それまでは気づかなかったことを認識するきっかけを与えてくれます。
 本展示では、《ベリーヘビーバッグ》がこれまでとは異なる新たな方法で鑑賞者にアプローチします。同作品は、ほどよく膨らんだバッグが、ある程度の重さを感じさせる一方、持とうとすると想像を超えて重いことに気づくというものです。これまでの展示では、鑑賞者は忘れ物のように置かれたバッグが作品であることや、重さについて後から知ることで、認識を揺さぶられていましたが、今回の展示において、バッグはブティックのショーウィンドウに飾られた商品のように主役となり、触ることもできません。作品の在り方を逆転させることで、本作は鑑賞者に直接何かを発見させるのではなく、どれくらい重いのか、自分には持てるのか、意外に軽いのではないかなど、あらゆる可能性を考えさせるものとなりました。実際に持って確かめることができないこの場所において、想像はより膨らみます。
 また、本展示と同時開催で東京や鳥取の会場と連携して行うプロジェクト「新しい観客」も作品の可能性を探る試みで、鑑賞者は《ベリーヘビーバッグ》を美術館から持ち出し、鳥取や東京へ運ぶことができます。さらに、飯川は本展示に合わせて独自のオンラインショップで、バッグの販売を行います(※)。
 飯川の作品は鑑賞体験を通して何かを直接発見する面白さが魅力の一つではありますが、実際に持つ・運ぶ・買うという行為を行わなかったとしても、提示された選択肢について思いを巡らせるだけで、鑑賞者の思考は広がり、それまで思いもしなかった意外な発見が重ねられていくことでしょう。

(※)高松市美術館は、オンラインショップのサイト運営及び同サイト内での売買には一切関わっておりません。

photo by Iikawa Takehiro

新しい観客

 《デコレータークラブ―新しい観客》は、キャリーにのせた《ベリーヘビーバッグ》を展示室から運び出し、観客のみなさんの手で、作家の飯川 雄大が別の展覧会を行っているCAPSULE/東京都渋谷公園通りギャラリー/鳥取県立博物館/LAG(LIVE ART GALLERY)の何れかの会場まで運んでいただく作品です。
 本作は2022年、同時期に飯川 雄大の作品展示がされた国立国際美術館と兵庫県立美術館の2つの展覧会会場をつなぐ作品として制作され、その後、同年に彫刻の森美術館とACAO SPA&RESORTの間でも実施されました。
 本作は、参加した鑑賞者たちに作品を運び出すという非日常的な体験の機会をつくりだした一方で、その光景を目撃した人々は、図らずとも作品の「鑑賞者」となる可能性をもつことにもなりました。それは、展示室の外=美術の世界ではなかった場所を、鑑賞体験の場所=美術の世界へと変容させることにもつながります。鑑賞者の行為が展示空間を拡張すると
ともに、「新しい観客」を生み出し続けるのです。

展覧会基本情報

会期:
2024年6月18日(火曜日)~2024年7月21日(日曜日)

主催:
高松市美術館

会場:
ブランチギャラリー(高松丸亀町商店街内「しごとプラザ」ショーウィンドー)

観覧料:
無料

お問い合わせ先:
高松市美術館(087-823-1711)

飯川 雄大(いいかわ たけひろ) 略歴

 1981年兵庫県生まれ。現在、神戸を拠点に活動。成安造形大学情報デザイン学科ビデオクラスを卒業。2007年から「デコレータークラブ」の制作を始める。このシリーズでは、鑑賞者が作品に能動的に関わることで変容していく物や空間が、別の場所で同時に起きる事象と繋がる《0人もしくは1人以上の観客に向けて》(2019~)、全貌を捉えることのできない大きな猫の立体作品《ピンクの猫の小林さん》(2016~)などを制作し、鑑賞者の行為によって起きる偶然をポジティブに捉え、見るものに思考を誘発しながら展開している。
 主な個展に、「デコレータークラブ:未来のための定規と縄」(鹿児島県霧島アートの森、2023年)、「デコレータークラブ:同時に起きる、もしくは遅れて気づく」(彫刻の森美術館、
2022年)、「注目作家紹介プログラム チャンネル12」(兵庫県立美術館、2022年)、主なグループ展に「感覚の領域 今、『経験する』ということ」(国立国際美術館、2022年)、
ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」(PLOT48、2020年)、「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館、2019年)などがある。
 高松では2017年に「高松アーティスト・イン・レジデンス」に参加し、シンボルタワーで成果発表「デコレータークラブ 衝動とその周辺にあるもの」を開催したほか、2020年に高松市美術館で「デコレータークラブ―知覚を拒む」を開催した。昨年令和5年度、高松市美術館が《デコレータークラブ―0人もしくは1人以上の観客に向けて》《デコレータークラブ―ベリーヘビーバッグ》を収蔵。

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