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高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.12 わたしのりんかく

特別展

高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.12 わたしのりんかく

2025年2月1日(土曜日)~3月16日(日曜日)

 2008年度にvol.00からスタートした展覧会シリーズ「高松コンテンポラリーアート・アニュアル」は、今回で13回目を迎えます。本シリーズは、毎回ひとつのテーマのもと、独自性や将来性のある美術作家を招き、これまで60組の作家を紹介してきました。vol.12となる今回は、身体的あるいは精神的な視点や行為によって自身の存在を作品に映し出す5組の作家たちを紹介します。

横山 翔平《静を孕む_05》 2018年

國久 真有《WIT-WIT BLEU SKY》 2019年
M.Sato@october studios

矢野 恵利子《Happy-Go-Lucky 私たちには時間がない》 2022年

新宅 加奈子《I'm still alive》 2019年

山下 麻衣+小林 直人《世界はどうしてこんなに美しいんだ》 2019年
(瀬戸内国際芸術祭2019での展示風景)Courtesy of the Artists and Takuro Someya Contemporary Art

展覧会基本情報

会期:
2025年2月1日(土曜日)~3月16日(日曜日)

休館日:
月曜日(ただし、2月24日(月曜日・振休)は開館、2月25日(火曜日)は休館)

開館時間:
午前9時30分~午後5時(入室は閉館30分前まで)
(ただし、金曜日・土曜日は午後7時閉館)
主催:
高松市美術館
助成:
一般財団法人自治総合センター、公益財団法人朝日新聞文化財団

観覧料:
【一般】800円(640円)※65歳以上も一般料金
【大学生】500円(400円)
【高校生以下】無料
※( )内は前売り券及び20名以上の団体料金
※前売券は高松市美術館1階、高松市役所生協、ゆめタウン高松サービスカウンター、宮脇書店本店及び南本店にて1月上旬頃から1月31日(金曜日)まで販売予定
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳所持者(または障害者手帳アプリ「ミライロID」提示)は入場無料

お問い合わせ先:
高松市美術館
電話:087-823-1711
 

出品作家プロフィール

横山 翔平(よこやま しょうへい)
 1985年岡山県生まれ。2008年大阪芸術大学工芸学科ガラス工芸コースを卒業し、同大学の非常勤副手となる。2011年金沢卯辰山工芸工房に入所、2014年から富山ガラス造形研究所の助手を、2018年から多摩美術大学工芸学科ガラスプログラムの助手を経て、現在は同大学で非常勤講師を務めている。
 近年の個展に2018年「静を孕む」(リバーリトリート雅樂倶、富山)、2019年「横山翔平展―流動―」(丸八製茶場一笑、石川)など、グループ展に2021年「GO FOR KOGEI」(石川、富山、福井)、2023年「吹きガラス-妙なるかたち、技の妙-」(サントリー美術館、東京)など多数。2014年と2020年に石川県能登島ガラス美術館に作品が収蔵され、2022年には第15回岡山県新進美術家育成「I氏賞」大賞を受賞するなど受賞歴も多数。
 横山が生み出すガラス作品は生命を内包しているような有機的な印象を与える。高温の炉で熱されたガラスを成形できるのはわずかな時間であり、その一瞬のうちに横山は様々な判断を下しながら、柔らかいガラスに息を吹き込んだり、身体を大きく使って練ったりする。横山いわく、そのように生み出された作品には彼自身の思考や身体が映し出されているのだ。

画像:横山 翔平《Amorphous_21-1》 2021年

國久 真有(くにひさ まゆ)
 1983年大阪府生まれ。2003年ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校ファウンデーション・ディプロマ・イン・アート・アンド・デザインコース修了。2015年神戸芸術工科大学大学院芸術工学研究科芸術工学専攻博士後期課程満期退学。
 近年の個展に2022年「國久真有―絵画を生きる」(西脇市岡之山美術館、兵庫)、同年「THE BUTTERFLY DREAM」(SOKYO ATSUMI、東京)、2024年「令和4年度咲くやこの花賞美術部門受賞記念展示『PLATEAM -儚さと無我を愛する、ぐるぐる-』」(クリエイティブセンター大阪、大阪)、グループ展に2019年「六甲ミーツ・アート芸術散歩2019」(六甲、兵庫)、2020年「fの冒険~7人のアーティストによる平面表現の魅力~」(あまらぶアートラボ「A-Lab」、兵庫)など多数、2024年夏に「川崎市市制100周年記念展 芸術は、自由の実験室─夏のアートキャンプ」(川崎市岡本太郎美術館)に参加予定。2019年に第22回岡本太郎現代芸術賞特別賞を受賞、2022年に令和4年度咲くやこの花賞 美術部門(現代美術)を受賞している。
 國久が展開するのは、さまざまな色の弧線を重ねた絵画作品だ。それらの線は國久の動きの軌跡であり、色の選択や画面の構成は制作現場の環境、気分、それまでに見てきたものなどに影響を受けるという。たびたび画面の中央に表れる空白は、小柄な彼女の腕が届かなかった部分であり、彼女の身体の限界を示すとともに、人が侵すことのできない領域のようにも感じられる。

画像:國久 真有《BPM》 2019年
写真提供:川崎市岡本太郎美術館

矢野 恵利子(やの えりこ)
 1987年香川県生まれ。2010年武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科陶磁コース卒業。東京を拠点に活動した後、2018年にはアイルランドへ拠点を移し現地レジデンス等に参加。2020年の帰国後、香川県を拠点に活動している。
 近年の個展に2018年「HOLIDAY MACHINE」(The Guesthouse Project、アイルランド)、2021年「NEVER UNDER CONTROL」(浜松市鴨江アートセンター、静岡)、2023年「コレクトビジター・正しい訪問」(広島芸術センター)、グループ展に2013年「瀬戸内国際芸術祭2013」(香川)、2022年「せとうちの大気 美術の視点」(香川県立ミュージアム)、2023年「あたらしい場所」(アートギャラリーミヤウチ、広島)などがある。
 日常を過ごすなかで生じる感情から立ち上げられる矢野の作品には、イライラやモヤモヤなどネガティブな思いも含まれる。矢野はそれらの感情にあそびの要素を差し込むことでユーモラスに可視化し、解消方法を模索する。表現は陶芸や漫画など多岐に渡り、近年は鑑賞者が参加できるキネティックアートの作品も発表している。

画像:矢野 恵利子《NEVER UNDER CONTROL》 2021年
撮影:Iikawa Takehiro

新宅 加奈子(しんたく かなこ)
 1994年大分県生まれ。2019年京都芸術大学大学院修士課程芸術科芸術専攻総合造形領域修了。
 近年の個展に2019年「embodiment Shintaku kanako solo exhibition 」(Kunstarzt、京都)、同年「indication Shintaku kanako solo exhibition」(京都写真美術館)など、グループ展に2019年「小さいわたしたち」(+art gallery、大阪)、2021年「Up_01」(銀座 蔦屋書店GINZA ATRIUM、東京)、2024年「東 京都 展 The Echoes of EAST KYOTO」(WHAT CAFE、東京)など。パフォーマンスに2019年「ヨコハマトリエンナーレ2020 エピソード00 」(神奈川)、2020年舞台「raw -精神と肉体の展覧会-」(京都芸術センターco-progrem採択企画)など。主な受賞歴に2020年京都府新鋭選抜展NHK京都放送局賞受賞、同年IAG AWARD 2020 奨励賞受賞などがある。
 新宅は自身の身体に絵の具を垂らすパフォーマンスや、写真作品などで知られ、それは自分が「今ここにいる」という感覚を確認する方法だという。絵の具という物質が刻々と変化するのを皮膚の神経を介して感じるとき、彼女はそれを感じ取る自分自身の存在も認めているのだろう。

画像:新宅 加奈子《I'm still alive》 2019年

山下 麻衣+小林 直人(やました まい こばやし なおと)
 山下麻衣(1976千葉県生まれ)と小林直人(1974年千葉県生まれ)によるユニット。ともに東京藝術大学大学院を修了後、2004年に渡独し、ドイツやアメリカなどでアーティスト・イン・レジデンスに参加。2012年の帰国後、千葉県を拠点に活動している。
 近年の個展に2021年「蜃気楼か。」(黒部市美術館、富山)、2023年「もし太陽に名前がなかったら」(千葉県立美術館)などがあり、2024年夏には「他者に対して、また他者と共に」(水戸芸術館、茨城)を開催予定。主なグループ展に2019年「瀬戸内国際芸術祭2019」(香川)、2020年「Under the stars」(ニューサウスウェルズ州立美術館、シドニー)など多数。
 山下麻衣+小林直人は、映像インスタレーションを中心に作品を制作しており、芝生のうえを何日もかけて走り続け踏まれた部分で「∞」を表す、浜辺に寄せる波を数え続けるなど、自然を相手に行う二人の行為は果てしない。無意味にも思われる行為が継続されるとき、羊を数えて眠りにつくように思考は溶け出し、自分と世界との関係をわずかに変化させるかもしれない。

画像:山下 麻衣+小林 直人《1000WAVES》 2007年
Courtesy of the Artists and Takuro Someya Contemporary Art

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