追悼 人間国宝 三代徳田八十吉展~煌めく色彩の世界~ 開幕
6月4日(土曜日)高松市美術館特別展「追悼 人間国宝 三代徳田八十吉展 ~煌めく色彩の世界~」が開幕しました。
三代八十吉の色彩
三代徳田八十吉(1933~2009)は、石川県小松市の九谷焼窯元に生まれ、「上絵付(九谷)」で国の無形文化財に指定された祖父・初代八十吉から古九谷釉薬を、父・二代八十吉からは、富本 憲吉直伝の現代陶芸を学びました。
三代八十吉は、伝統的な九谷焼の色絵技法に飽き足らず研究を重ね、徳田家に伝わる古九谷五彩のうち、ガラス成分のない赤を除いた紺、紫、緑、黄の4色の釉薬から200以上もの中間色を創り出し、独自のグラデーション表現による彩釉磁器「耀彩(ようさい)」の焼成に成功しました。
三代八十吉が編み出した色鮮やかな作品は現代陶芸界からも高く評価され、1971年の第18回日本伝統工芸展では初出品作の《彩釉鉢》がNHK総裁賞を受賞。その後も工芸会総裁賞、保持者選賞などの受賞を重ねて確固たる評価を築き、1997年には重要無形文化財「彩釉磁器」保持者(人間国宝)に認定されています。
[写真:《耀彩壺「恒河」》2003 三代徳田八十吉 小松市立博物館蔵]
本展のみどころ
本展では、三代八十吉の代表作を中心に、修行時代に古九谷を模写した作品や、抽象表現の極限に挑んだ作者の代表作72点を展示します。
また、三代八十吉の色やデザインの根源である江戸時代初期の古九谷、後期の吉田屋や、初代、二代八十吉の作品21点を含む計93点を展示いたします。
開展式・記念講演会
6月4日(土曜日)には、展覧会の開展式と記念講演会を開催しました。
開展式には、大西市長や多くのご来賓の方々、そして三代徳田八十吉のご長女で、2010年四代目を襲名された四代徳田八十吉さんにもご出席いただきました。
四代の登場で、その場の雰囲気が華やかになりました。
記念講演会「三代徳田八十吉の陶芸」は、本展の監修者である乾 由明氏(兵庫陶芸美術館館長)にお話いただきました。
オープニングお茶会
6月5日(日曜日)には、オープニングお茶会も開催しました。
当館1階ロビーにて10時~15時、たくさんのお客様にお楽しみいただきました。
いつもは市民の皆様のくつろぎの場となっているロビーですが、この日はおいしいお抹茶でお客様をおもてなししました。
武者小路千家高畠守徹社中による立礼のお手前の美しさにも見とれてしまいます。
エントランス・ミニコンサート
6月11日(土曜日)には、エントランス・ミニコンサートを開催しました。
今回は、箏(こと)・フルート・ピアノの演奏で、三代八十吉の作品の特徴である深い紺色や、紺、緑、黄色のグラデーションをイメージした涼やかな曲目をお送りしました。
ご出演いただいたのは
箏 青木 香璃さん
フルート 佐柄 晴代さん
ピアノ 大山 まゆみさん です。
エントランス・ミニコンサートでは初めて演奏していただいた箏。
凛とした爽やかな音色が初夏の午後にぴったりでした。
当日は朝から雨でしたが、演奏が始まる頃には晴れ間ものぞき、多くのお客様にお集まりいただきました。
ありがとうございました。
今後のご案内
■三代徳田八十吉展
・当館学芸員によるギャラリートーク
日時:7月9日(土曜日)14時~
場所:2階展示室にて
※特別展チケットでご参加いただけます。
・美術館ボランティアciviによるギャラリートーク
日時:6月19日、26日、7月3日、10日(いずれも日曜)
11時~/14時~
場所:2階展示室にて
※特別展チケットでご参加いただけます。
・友の会会員限定スペシャルギャラリートーク
日時:6月26日(日曜日)16時30分~
場所:2階展示室にて
※友の会会員証と観覧料(会員は2割引)が必要
■2011年度第2期常設展 (6月16日(木曜日)~8月21日(日曜日))
・当館学芸員によるギャラリートーク
日時:7月2日(土曜日)14時~
場所:常設展示室
※常設展のチケットでご参加いただけます。
