美術の力開催しました!2012年12月15日・16日
高松市美術館友の会イベント「もっと知りたい!美術の力」を開催しました。
一日目 ワークショップ「眼を閉じて、作品をみてみよう」
講師には香川県立盲学校の栗田晃宜先生にお越しいただき、アイマスクを使った作品の鑑賞を行いました。
アイマスクを着用するグループと、作品を言葉で説明するグループの2つに分かれて、対話をしながら進めていきます。
説明する人は、見えているものを言葉に置き換える難しさ、アイマスクの人は想像する難しさを実感したようです。
様々な世代の男女の皆様に集っていただいたおかげで、多くの視点、言葉に触れることができました。
一つの作品について参加者全員で熱く言葉を交わし、充実した鑑賞体験になったのではないでしょうか。
展示室で鑑賞を行った後は、栗田先生の盲学校での体験や実感したことについてのお話を聞きました。
“みる”ということを意識すると同時に視覚障がいの方への理解にも繋がったはずです。
参加者の方からは、普段は当たり前に感じる、色や光について考えた、アイマスクをすることで五感が研ぎ澄まされた、説明を行う時は順を追って体系的に話すべきだ、という具体的な感想や意見などをたくさんいただきました。
二日目 アート・トークショー「美術による再生-病院をアートという名の母性で包む」
二日目は、香川小児病院でホスピタルアートディレクターを勤める、森 合音さんに講師としてお越しいただきました。
アートの力を信じるきっかけとなった森さん自身の体験から、ホスピタルアートを行うに至るまで、過去に病院で行ったプロジェクト、現在進行中の来年度にオープンする新病院(独立行政法人 国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター)のプロジェクトについてのお話を伺いました。
森さんと患者さんとのやりとりのお話を聞くなかで病院という場所でアートがいかに生活の一部となって必要とされているかが分かりました。
香川小児病院には小さな椅子が置かれているのですが、その椅子には背もたれのところに窓が付いています。
そこに、患者さんや通院している子どもが小さなキーホルダーやぬいぐるみなどのプレゼントを「見つけてくれてありがとう」というメッセージカードとともに隠すそうです。
もちろん見つけた人がそのプレゼントをもらえるのですが、もらった人がプレゼントのお礼の手紙を書いて椅子の中に入れても、何と!また別の人が取って帰ってしまうそうです。
しかし、プレゼントを隠す子どもにとって、椅子からプレゼントが無くなることが何よりも嬉しいことだからかまわないのだとか。
そして、参加者の皆様にも同じように椅子に仕込むための小さな鳥のストラップを制作してもらいました。
可愛らしい様々な鳥が出来上がりました。
参加者の皆様の想いが小さな鳥とともに届けばいいですね。