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常設展 2016年度第5期 常設展
筆触と身体― 中西夏之を中心に/
讃岐漆芸にみる飛翔するイメージ
2017年1月5日(水)~3月26日(日)
(展示室1は3月15日(水)~3月26日(日)の間は「第34回日本伝統漆芸展」を開催)

【常設展示室1】
筆触と身体― 中西夏之を中心に

このたびの展示では、2016年に逝去した中西夏之を中心に、戦後日本の現代美術の中から、筆触に画家の身体性が直接現れているような絵画及び映像作品28点(9作家)をご紹介します。 1935年東京に生まれた中西夏之は、58年東京藝術大学油画専攻卒業後、翌年《韻》と題された絵画連作でデビューします。60年代に入ると、廃物を用いたオブジェを制作したり、高松次郎、赤瀬川原平と結成した「ハイレッド・センター」として街中で意表を突いたパフォーマンスを行うなどしましたが、60年代半ばからは再び絵画に戻り、68年には《山頂の石蹴り》連作を発表しました。その画面には、絵を描く場所と自身の身体の関係から導き出された様々な謎めいたイメージがひしめき、神秘的な雰囲気が漂います。その後、中西が画布に向かう際に背後に感じるという巨大な円をモチーフにした作品や、その円の一部である弓形を用いた作品、そして紫色を中心に据えた作品などを手がけ、戦後日本の前衛美術を牽引し続けました。 中西の絵画は様々な変遷を遂げましたが、画家の思索が身体の動きとなって現れ、それが画面に筆触として定着する、という一連のプロセスは一貫して彼の絵画の本質であり続けたと言えます。今回は、当館が所蔵する全ての中西作品の展示を通して、彼の絵画に見る筆触と身体の関係性に迫ります。また併せて、津高和一、李禹煥、依田寿久、岡﨑乾二郎らの絵画、石田尚志の映像もご紹介します。
画像(上):中西夏之《山頂の石蹴り No.1》1969年 


【常設展示室2】
讃岐漆芸にみる飛翔するイメージ

鳥や蝶などの文様は古来より日本と中国の美術・工芸において、花鳥風月の文様としての題材として好んで用いられてきました。江戸後期に現れた玉楮象谷(たまかじぞうこく)によってその基礎が築かれた讃岐漆芸においても、鳥や蝶などの飛翔するイメージをあしらった優品が数多く存在します。 玉楮象谷は京都で見た中国や南方から伝来した漆器を模して蒟醤(きんま)、彫漆(ちょうしつ)、存清(ぞんせい)の3技法を確立し、讃岐の地に根付かせました。《印筥(いんばこ)》は象谷の冴えた蒟醤と木彫の技を堪能できる作品で、福寿の象徴である鳳凰と蝙蝠(こうもり)の文様があしらわれています。明治末には讃岐彫の店「百花園」を中心に優れた作品が生まれました。そこで彫りの名手として活躍した石井磬堂の《堆朱蜀葵山鵲圖香盆(ついしゅしょっきさんじゃくずこうぼん)》は、吉兆の象徴、山鵲がタチアオイとともに朱漆の面に精緻に彫られています。大正から昭和にかけては、磯井如真が新しい技法の創案などにより讃岐漆芸の近代化を確立し、1956年蒟醤で人間国宝(重要無形文化財保持者)に指定されました。如真の《彫漆蒟醤(ちょうしつきんま) 色紙筥(しきしばこ)》は彫漆と点彫り蒟醤の併用により、アールデコ風にデザイン化された八哥鳥(はっかちょう)と梅花が箱全体にあしらわれています。如真の三男として生まれた磯井正美は85年、蒟醤の多彩な手法によりその表現領域を広げ、人間国宝に指定されました。《蒟醤 つばき文 箱》は微細な金の斑紋が広がる黒地を背景に一対のジャコウアゲハが飛翔する様子を蒟醤であらわした作品で、幽玄の世界へと私たちをいざないます。 讃岐漆芸の祖・玉楮象谷から現代の人間国宝作家まで、飛翔するイメージがあしらわれた讃岐漆芸41点(20作家)をお楽しみ下さい。
画像(下):明石朴景《春秋麗日》1979年

展覧会基本情報

会期:
2017年1月5日(木)~3月26日(日)
(展示室1は3月15日(水)~3月26日(日)の間は「第34回日本伝統漆芸展」を開催)
会場:
高松市美術館
休館日:
月曜日(月曜日(祝日の場合は翌火曜日/3月14日(火)は常設展示室休室)
開館時間:
9:30~17:00(ただし、特別展開催期間中の火~土・祝は、19:00まで)
主催:
高松市美術館
観覧料:
【一般】200円(160円) ※65歳以上無料
【大学生】150円(120円)
【65歳以上・高校生以下】無料
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳所持者は入場無料
※共通定期観覧券についてはこちらから
お問い合わせ先
高松市美術館
TEL 087-823-1711

関連イベント

ギャラリートーク

開催日時:
2017年2月4日(土)14:00~
会場:
高松市美術館 1階展示室ほか
入場料:
無料(ただし観覧券は必要です)