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2007年10月20日 ブールデルまるごと

2007年10月20日 まるごと探偵クラブ・ブールデルのひみつを探せ!

「巨匠ブールデル展」の関連企画「まるごと探偵クラブ・ブールデルのひみつを探せ!」が先日実施されました。
実施主体となったのは、ボランティア・シヴィのみなさん、中・学生さん、学校の先生たち。みなさん忙しい人たちばかりですが、合間をぬって夕方美術館に集まるなどしてクイズ、クロスワードパズル、塗り絵、コラージュ、粘土成形など多彩かつユニークなプログラムの数々を練り上げ、準備を重ねて実現へとこぎつけてくれたのでした。

参加してくれた小中学生は次々と場所を移動し、様々なプログラムを体験していったのでついて行くのが大変だったかもしれません。
でも、次第に生き生きとした顔になっていった彼らを見ていて、きっといい想い出になったと確信しています。
プログラムの内容はユニークなものばかりですべてご紹介したいのですが、ここではその中から2つをご紹介します。

まずは、開会式を飾った「THEヘラクレス・ショー」…参加者の小中生が講堂で待機していると突然照明が暗転、前方のスクリーンにはブールデルの代表作「弓をひくヘラクレス」の映像、そして映像が消えると、そこにはヘラクレスのシルエットが!スクリーンが落とされるとがっしりとした体型の笑顔の男性が弓を引くポーズをとっているではありませんか!ヘラクレスははるか2メートル先の的をめがけ矢を放ち、矢は一発で見事命中!ショーは拍手に包まれ無事終了しました。

一連のショーを小中学生はあ然として眺めていましたが、何年後かに「美術館でおかしなものを見たなあ」と思い出し笑いでもしてもらえば嬉しいものです。
ちなみにショーの成功はひとえに、海パン一丁でヘラクレスを演じてくれた大学生Yさん、弓の制作と調整、射ち方の指導にあたってくれた中学生のM君たちのおかげです。
M君は「まるごと」の数日前に職場体験に来ていて準備を手伝ってくれました。
ちなみに、的の怪鳥ステュムパルデスを描いてくれたのは、同じく職場体験の中学生Mさん。
彼ら、彼女らには感謝!

次は、鑑賞系プログラム「手と目のあいだにあるものをつなごう!」。
これは視覚障害者のT君がブールデル作品を「手」で鑑賞し、参加した小中生は「目」で鑑賞し、たがいに感想を述べ合うというもの。
感覚器官が異なると、感じ方や捉え方が違うということ、そして感覚器官が異なっても、中には同じように感じる部分もあるのだ、ということをわかってもらえたのではないかと思います。
実は、「まるごと・・」とは別のイベントとして、「手による鑑賞」を会期中随時行い、視覚障害者にもブールデル彫刻の迫力を体感していただきました。
そうした取り組みの経験が今回の「手と目のあいだにあるものをつなごう!」のアイディアにつながったといえます。

このプログラムを担当した高松市歴史資料館の毛利直子学芸員によると、子供たちはT君に作品を説明しようとして、「あれが」とか「これが」とか指示語を使うのだけれども、それでは目の不自由なT君には伝わらないため、子供たちが彫刻のポーズをとって、それをT君に触らせてコミュニケーションを図るという一幕があったとのこと。T君と子供たちは体を触れ合わせながら、心も通わせていたのでしょう。
美術作品を媒介に、ふしぎなひとときが生み出されたユニークなプログラムでした。
(高松市美術館学芸員 牧野 裕二)

「まるごと探偵クラブ・ブールデルのひみつを探せ!」に参加してくれたスタッフたち⇒

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