歴史よろず庵   〜 平成15年6月掲載分

   本ページは平成15年6月15日発行の『広報たかまつ』に掲載したものです。


 

    くろだりょうざんひつかちょうずびょうぶ
    黒田綾山筆「花鳥図屏風」

 作者の黒田綾山(1755〜1814)は,高松の対岸・玉野に住み画人として名をなした人です。丹波篠山藩主青山氏に仕えていますが,一生の多くを玉野で過ごしたため,多くの作品が岡山県に残されています。
 彼の出生の地はここ高松の田町です。なぜ彼が生まれ故郷の対岸で住まうことになったのか,故郷,高松に対してどのような思いをいだいていたのか,今となってはわかりません。
 紹介する資料は,当資料館に保存されている作品の一つで,落款「発酉」より,彼の晩年・文化10年(1813)の制作とわかります。この時,綾山は59歳で、翌年にはこの世を去っています。
 作品からは、円熟した彩色法、抑制のきいた筆使いを味わえ、本図に登場する鳥や植物から、日本の絵画作品ではなく、中国の作品を手本にしたと推察され、作品全体に異国情緒が漂う仕上がりとなっています。
 なお、同時期に活躍した讃岐高松出身の画人には、長町竹右(1757〜1806)や亀井東渓(1748〜1816)がいます。いずれも高い評価を受けた人々で、彼らの存在は、出身の地である城下町・高松の文化度の高さを端的に示すものといえるでしょう。

「花鳥図屏風」(左隻)
「花鳥図屏風」(右隻)

平成15年6月15日掲載


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