歴史よろず庵   〜 平成13年6月掲載分

   本ページは平成14年6月15日発行の『広報たかまつ』に掲載したものです。


 

       久米池南遺跡出土絵画土器

 私たち、現代人はいろいろな絵に接することができます。
 子どもたちが自由奔放に描いたものから、名だたる画家の描いたものまで、様々なものが私たちを和ませ、心を捉えて離しません。
 今回紹介する絵画土器は、新田町に所在した久米池南遺跡から出土したもので、太古の昔、弥生人の手によって作られたものです。おそらく、高松で最も古い絵の一つでしょう。
 弥生土器の表面に線刻(せんこく)された絵は、完全でなく、二つの土器片に描かれた部分が残っているにすぎません。大きな方には、建物の屋根が大きく描かれ、小さな方には、はしご状のものが描かれています。この絵をあわせると一つの絵の一部分になるものと思われます。
 絵の題材は、有名な静岡県の登呂(とろ)遺跡などで復元されている高床式の建物と考えられます。はしごは建物に入るためのものでしょう。大きな屋根の棟は多くの線刻を立ち並べています。神社建築の千木(ちぎ)に相当するものかもしれません。
 描かれた建物は村にとって神聖なものであったに違いありません。また、絵の描かれた土器はほかの多くの土器とは区別されて大切にされたことでしょう。このようなことから、描き手は、心を込めて描いたことが想像できます。

 
久米池南遺跡出土絵画土器

平成14年6月15日掲載


下記をクリックすれば前月か翌月に移れます。

前月の頁へ       翌月の頁へ