高松の方言  【し】の項


言葉内容

じいも(野菜類)

里芋(さといも)。地(じ)いも。じゃがいもやさつまいもは原産地が国外であったのに対し,「じいも」は国内産であるという意味であろう。

しおる

している。「仕居(しお)る」ということだろう。

しき(衣料)

こしひも。「しごき(扱帯)」のなまりか,「引きひも」のつづまりであろう。

しぎょう

たびたび・ひんぱん・たえまなく。「しぎょ」ともいう。語源はわからない。

しける

はにかみ・しりごみ。子どもの態度をさしていうことば。「ひけ目」のなまりらしい。

ししこま

八朔(はっさく/旧暦8月1日)祝いの贈りもの。昔,近親者の男の子のすこやかな成長を祝って,しんこで作った獅子(しし)や馬(うま)を贈る風習があった。その贈りものの「獅子駒(ししこま)」が,言葉の起こりである。西讃では,今でも行っている地域がある。

しじゅむ

「沈む」のなまり。
例 「日が,しじゅむ。]

しちこい

「しつこ(拗)い」のなまり。あっさりしないことをいう。

しっくいば

漆喰(しっくい)でかためた「流し場」。しっくいは,石灰と粘土を混ぜ合わせ,フノリの液でねりかためたもの。今は使われない。

しつけ(農事)

田植え。苗を「仕付(しつ)ける」,即ち,稲の苗を植えるという意味である。

じっちら

着実(ちゃくじつ)・落ちついている。「実直(じっちょく)」のなまりであろう。

してすんだ

終わった・してしまった。「仕(し)て,済(す)んだ」こと。大阪の,「して,しもた」と同義語。

しとよ(衣服)

「単衣(ひとえ)」のなまり。

しとんでに

自然に。だれの力も借りずに「ひとりでに」ということ。そのなまり。

しのべる

片付ける・しま(納)う。「忍(しの)ばす」のなまりで,かく(匿)すということにも通じている。

しびしび

(しの)び泣きの形容。「しくしく」が変わって表現されたものであろう。

しぼしぼ

そぼ降る雨の形容。東京では「しょぼしょぼ」という。

しまぁすな

してはいけない。「しまぁせ(してごらんなさい)」の対語。

しまえ

しなさい・おやりなさい。命令的な言葉。「してしまえ」の「して」が省かれたものではないだろうか。

しまつ

倹約(けんやく)。「始末(しまつ)」。前後を考えて浪費しないという意味。「しまつやさん」といえば,倹約家をいう。

しもって

しながら。「○○し,以(もっ)て」が変化したものらしい。
例 「仕事をしもって,話しまい(仕事をしながら,話しなさい)。」

しもた

しまった。
例 「えらいこと,してしもた(たいへんなこと,してしまった)。」

しもぶくれ(病気)

凍傷(とうしょう)。「霜膨(しもぶく)れ」,しもやけの意味。

じゃあこべい

田舎者(いなかもの)。「在郷兵衛(ざいごべえ)」のなまり。廃語になっている。

しゃぁけど

そうですけれども。「しゃぁ」は「そうです」,「けど」は「けれども」のなまり。岡山の移入語。大阪の「そやけど」と同意。

じゃきち(植物)

からたち(唐橘)。邪橘(じゃきち),食べられないミカン,刺(とげ)のある危険なミカンという意味だろうといわれているが,同意しがたい。

じゃけに

だから。「じゃけん」ともいう。「じゃ」は「である」,「けに」や「けん」は「から」の接続助動詞である。

しゃしゃき(植物)

「さかき(榊賢木)」のなまり。

しゃしやこ

苦情・干渉・よけいな世話・さしでぐち。「喋々口(しゃしゃこ)」であろう。

しゃしゃぶ(植物)

グミ類の総称の「ささんぼ」の通称。「しゃしゃんぽ」がなまったもの。

しやへん

しない・やらない。「仕(し)はせぬ」のなまり。

じゃらこ

(ため)しにする賭け事(かけごと)。「じゃら」は「戯(ざ)れ」,「こ」は「こと」の略。つまり,「遊びにする」ことの意。対語に「ほん(真)こ」がある。

じゃらじゃら

だらしがない・しまりがない・ばからしい・筋道(すじみち)がたたぬ。「じゃ(戯)ら,じゃ(戯)ら」しているから,「要領をえない」ということであろう。

しゃんしゃん

手ぎわよく・てきぱき。渋帯なく物ごとを処理すること。東京では「じゃんじゃん」という。「じゃんじゃん」は警鐘の音で,急(せ)き立てられる気持ちを表現したもの。

しやん,しゃん

おしまい(終了)。子ども用語。これで終わりというときに,「しゃん,しゃん」と拍手することから起こったという。

じゃんぎり

さんぱつ。「ざんぎり(斬切り)」のなまり。明治時代の言葉。

じゅじゅむ

色などの「にじむ」こと。そのなまり。

しよい

手数がかからない。いちめん,「気楽な」ということにも通じる。「仕良(しよ)い」で,過ごしやすいにもかよう。

しょいのみ(食べ物)

もろみ(諸味)・しょう油粕(かす)。「しょい」はしょう油の略語,「のみ」はその実(み)という意味である。

じょう

沢山(たくさん)・余分・余計。不足なく余(あま)るほどというわけで,「剰(じょう)」,または,「上(じょう))」が当てられたものらしい。
例 「じょうに,いた(たくさんください)。」

しょうがよい

きげんがいい。子どもにいうことば。語源はわからない。

じょうがみ

巻き紙(書簡用の和紙)。状紙(じょうがみ)であろう。

じょうき

いつも・常に・ふだん・まいど。「常時(じょうじ)」のなまり。

じょうづめ

付き切り・詰めきり。「常詰め」,「定詰め」のこと。

しょうじき(食事)

おとき(斎)。お少食(しょうじき)の意味で,祝儀不祝儀にかかわらず,多数の来客に供する三食(朝昼夕)以外の膳部(食事)は,すべて「おしょうじき」という。

しょうたれ

見苦しい・締まりがない・だらしがない。不体裁,不器用,愚純(ぐどん)などにも通じさせることがある。
「しおたれ(潮垂れ)」,全身潮(うしお)にぬれそぼった,だらしのない姿をいうようである。

じょうばり

片意地をはる。「強情張(ごうじょうは)り」の接頭語を略したものであろう。東京でも「ごうじょうぱり」といっている。

しょうねをいれる

(こ)らす・責(せ)める。「性恨(しょうね)を,入れかえる」ということ。

しょうらし

真面目(まじめ)によく働く・精が出る。「しおらしい」のなまり。

じょうり

「草履(ぞうり)」のなまり。

しょうわる

いたずら者。「性悪(しょうわる)」の意。

しょてっぱち

最初。江戸時代の遺語,「初手発(しょてはち)」である。

しょてん

衣裳の着こなし。語源不明。

しよる

している・やっている。「仕居(しお)る」のなまり。

じょんならん

不自由だ・手に負えない。「どうにもならん」か,「自由にならぬ」のなまりらしい。

しらんまに

「知らぬ間(ま)に」のなまり。「いつの間にか」の意味であろう。

しるい

ぬかるみ。「しる(汁)い」という意味らしい。

しろく

退(の)く・引きさがる。「しりぞく」のつづまり。

しわい

強情(ごうじょう)な・くどい・図太い。「しわ(強)い」であろう。東京では,「しぶとい」という。

しわる

たわむ。「しなう」の意味らしい。

しんどい

つかれた・くたびれた。大阪の「しんどい」に同じ。

しんや(親族)

分家。新家(しんや)は,本家から分かれてできた一家である。



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第12項
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