高松の方言  【こ】の項


言葉内容

こいあげる

がまんができない・しんぼうしかねる・もてあます・まいった。「声をあげる」「悲鳴をあげる」ことだろうといわれているが,はっきりしない。東京では,この場合,「音(ね)をあげる」という。

こいさ

今晩・今夜。「今宵(こよい)」のなまり。

こいとさん(人称)

妹さん・小さいお嬢さん。姉娘を「いとさん」と呼び,妹娘を「小(こ)いとさん」と呼ぶのが,讃岐のならわしとなっていた。「いとさん」を見よ。

こいなもの

このようなもの。そのなまりであろう。東京では,少し荒っぽく「こんなもの」という。

こいよに

このように・こんなに。
例 「こいよに,なってしもた(こんなに,なってしまった)。」

こう

来なさい・おいで・いらっしやい。「来(こ)う」であろう。

ごう

ごらん・みよ。「ごろう(御覧)じませ」の「ごろう」が,短縮されたものとみられている。

こうしふ(ぶ)ろ(野菜類)

さやいんげん(莢隠元豆)。江戸初期,日本に帰化した中国僧隠元禅師が,故国江州(こうしゅう)からもたらした豆である。原産地の名から起こったといわれている。なお,「ふろ」は「ふくろまめ」の意で,東京でいう「さやまめ」と同義語。

ごうちゅう

いなか。「郷中(ごうちゅう)」,村のうちという意味であろう。

こうて

買って。「か」と「う」が連音となって,「かう(こう)」になったと解釈されている。関東地方の共通語である。

こうばりつく

粘着して乾く。「強張(こわば)りつく」のなまり。東京では「へばりつく」という。

こうらいきび(穀物)

とうもろこし(玉蜀黍)。原産地が,韓国(高麗),または,中国(唐)という考え方からでた名「高麗黍(こうらいきび)」であろう。別にいう「なんばきび」は,「南蛮黍(なんばんきび)」のなまりである。

こかす

(たお)す。「ころがす」のなまり。

こぎおろす

酷評する。「扱(こ)き下ろす」のなまり。

ごく(穀物)

米の飯。「穀(ごく)」の意味で,利用の例に「ごくつぶし」がある。

ごくとれ

なまけもの・道楽もの。「穀盗(ごくとり)」のなまり。

こくば(植物)

落ち松葉。「こく」は,燃料として燃えごたえがあるという意味。「ば」は,葉の濁音化。
例 「こくばか(掻)き(落ち葉集め)」

こける

(ころ)ぶ。「ころげる」のなまり。

こさげる

(けず)りとる・割きとる。「小割(こさ)く」こと。一説には,関東の「ささくれる」「ささげる」などと同義語であろうという。

ござんせんか

ございませんか。「ありませんか」にも通じる。

こしがええ

辛抱(しんぼう)強い・腰が良い・腰を落ちつけてよく働く。

こじける

かじかむ・凍(こご)える。
例 「寒うて,手が,こじける。」

ごじゃ

じょうだん・無理・あやまり。「誤(ご)じゃ」であろう。

こじゃける

こまる・閉口(へいこう)する。「拗(こじ)ける」のなまり。

こじょう

片棒(かたぼう)をかつぐ・負担する・担(にな)う・背負う。「小脊負(こぜお)う」のなまりらしい。

こしらえ

したく(支度・仕度)・整える。「拵(こしら)える」こと。

こじりとり

ことば尻(じり)をとる。接頭語の「こ」は,「ことば」をつづめたもの。

こずく

(せき)する。「ゴホン,ゴホン,ゴホン」と,小刻みに突きあげてくる咳の動作を指したものであろう。

こずっぱ

小頭(こず)っぱ。関東の小河童と同義。

こそっと

そっと・静かに。「こっそり」のなまり。

ごたい(人体)

(からだ)。五体(ごたい),つまり,頭と両手・両足の意味。

こたえる

当惑する・困る。精神的に影響したという「こたえ」であろう。

ごつい

手強(ごわ)い・きびしい・ひど(非道)い。「強(き)つい」のなまり。

こっさい

くすぐったい。「こそばゆい」がなまったものだろう。なお,「こっさかす」は,くすぐることをいう。

こっさえる

作(造)る。「拵(こしら)える」のなまり。

ごっつおう

「ご馳走(ちそう)」のなまり。

こっとら

私ら・わたしたち。「こちの人ら」をつづめて,「こちとら」となり,さらに,それがなまったものであろう。

こっちゃ

こちら。「こっちや」と教えること。大阪では「こっちゃ」,東京では「こっち」という。

こっというし(動物)

耕牛(こうし)。略して「こっとい」ともいう。「耕土追(ことお)いうし」のなまりらしく,「追い」を「負い」と解釈するものもある。
「かりこうし」を見よ。

こっぽり

小さく整っている。「小振(こぶ)り」がなまったものだろうとの説もあるが,うなずけない。なお,同じ意味のことを,東京で「こじんまり」というが,これは「小締(こじま)り」のなまり。

ごてる

もつれる・ごたごたする。「ごて(捏)る」,または,「後手(ごて)つく」こと。

こどくろ

子ども。小さい頭になぞらえてのことばであろう。

ことわりする

あやまる。断(ことわ)りする。

こなな

このような・こんな。そのなまり。

ごねる

しくじる・失敗する。語源不明。

このきり

今度・今回。「きり」の接尾語は,「限(き)り」ではなく「機会」をさし,このチャンスということであろう。

こぶろかえり(病気)

ふくらはぎ(膨腓)の転筋。「こむら(腓)返えり」のなまり。

こべ

かび(黴)。「か」が「こ」に,「び」が「ベ」になまったもの。

ごへだ(燃料)

最初に石炭を発見した人,「五平太(ごへいた)」の名がなまって,伝わったものといわれている。

こぼり

「子守り」のなまり。

こぼさん(人称)

小さい坊(ぼっ)ちゃん。年長の男の子をぼんさん(ぼっちゃん)というのに対し,年少の男の子を呼ぶことば。

こま

普段(ふだん)用事のないとき。仕事の合い間,暇なときをさして,こま(小間,小刻)といったものであろう。

こまごえ(肥料)

厩肥(きゅうひ)。「駒肥(こまごえ)」であろう。

こまこに

小さく。「細(こま)かに」のなまり。

こまざらえ(農具)

先が分かれている鍬(くわ)。「こまごえを浚(さら)う」道具という意味らしい。

こもり

毎月の最終日。「晦(つごもり)」のなまり。

こらえん

がまんできない・許さぬ・承知できない。こらえぬこと。

これ,これ

心安い者を,呼びとめるときに使う言葉。「もし,もし」よりも軽い。

これば

これだけ。「こればかり」のつづまりと,解釈する人もあるが,はっきりしない。

ころも

「子ども」がなまったもの。他府県人には,僧衣(ころも)と聞こえて,おかしい。

こわる(病気)

腹痛のこと。「腹をこわ(害)す」といったような意味ではないかと思われるが,よくわからない。「くわる」ともいう。

こんこ(副食物)

沢庵(たくあん)漬け。全国共通語の「こうこ」がなまったもの。「こうこ」は,漬け物の総称「香の物」から出ている。

こんまい

小さい・わずか。「細(こまか)い」のなまり。なお「小さくなる」ことを,「こんもになる」という。



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第10項
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