高松の方言  【は】の項


言  葉内       容

ばいあい

取り合い。「うばいあい」のなまり。

はいおけ

粗製の棺桶(かんおけ)。「早桶(はやおけ)」のなまり。

ばい

(きた)ない。幼児語。「ばば(屎)」,つまり,大便の俗称からでたものであろう。東京では,「ば,ば」または「ばばっちい」という。

はか

だけ・きり・ほか。
例 「これはかない(これだけしかない)。」

はくしゃん

くさめ。くしゃみのこと。ハックショウという「くさめ」の動作が,言葉になったものであろう。

はくせと

落雁(らくがん)。菓子の名。「白製糖(はくせいとう)」のつづまり。

はこんま(家具)

踏み台。「箱馬(はこうま)」のなまり。

はざな(野菜類)

間引きをした大根(だいこん)菜。「はざま間菜」のつづまり。「はざ」ともいう。

はじかみ(野菜類)

しょうが(生薑)。古語の「はじかみ」を伝承した言葉。

はじかむ

寒さで指先がかじかむこと。前のはじかみからでたもので,指先が凍(こご)えて曲り,しょうがの形に似る,という意味である。

はしゃげる

(なぐ)りつける。「張(は)り上げる」のなまり。別に「はっしゃげる」という。

パス

バス(乗合自動車)。「バス」が「パス(定期乗車券)」になまったもので,昭和初期頃の言葉。

はずむ

調子づく・盛んになる・浮かれる。「弾(はず)む」こと。
例 「あの送別会は,なかなか,はずんどる。」

はたける

(ひろ)げる。はだ(開)くの意味。

はちはん

気がねなく・楽な気持ち・大手をふって。讃岐では,寛保元年(1741)の秋,塩飽の漁師と高松側の漁民の間に漁場争いが起こり,江戸幕府の裁決を受けた。高松領が勝ち,その判決書に11名が署名,うち8名だけが判を押している。この判決書が物をいっていることから,世間で「はちはん」が一般化した。

はっきら

鮮やかに・明確に・明らかに。「はっきり(鮮明)に」のなまり。

はっしゃぐ

乾燥する。「はしゃ(燥)ぐ」のなまり。

ははしゃひと(人称)

母上。「母者人(ははじゃびと)」のなまり。江戸時代の武家言葉。今では使われない。

はっとばり

通行どめ。「法度(はっと)張り」,出入り禁止の縄張りで,江戸時代からの伝承語だが,今は使われない。

はねき

刎ね釣瓶(はねつるべ)。はね木の意味だが,このような井戸は,今では過去のもの。

はぷむく

歯ぐきをむきだす。「はぶ(歯節)剥(む)く」という意味。

ばべ(植物)

うばめがし。「うばめ」が,「ばべ」になったもの。この樹木は関東でいう赤樫(あかがし)で,昔,紀州産の最上木炭備長(びんちょう)の原材に用いられた。

はまぐり(貝類)

讃岐では,あさり貝とはまぐりとをいっしょにして,どちらの場合もはまぐりという者が多く,他県人に,まことに奇異な感じをあたえる。

はまりぐち(住居)

出入り口。高松に限らず関西では,「容れる」「はめる」「はいった」ことを,「はまった」といっている。
例 「○○会社へはまった。」

はみ(爬虫類)

まむし。毒をもつ蛇(へび)のこと。古語の「はみ(蛇)」を受け継いだ言葉。「はみ」は,人に「歯(は)み」ついて害をあたえるという意。

はめる

挿入する・充填(じゅうてん)する。「嵌(は)める」こと。

はよ

はやく。「はよう」のつづまり。
例 「はよ,せんと,いかんでぇ。」

はらしもう

落胆する・気ぬけする・困った。「はら(胆)」は,「こころ(気持ち)」をさし,そのよりどころを失ったということを表現したものらしい。

はりの,みみそ

針のあな。針の溝(みぞ)の意味であろう。関東では,「針めど(穴)」という。

はるいお(農家行事)

麦刈りの前,親族や知り合いを自宅に招いて,鰆(さわら)料理を中心に催す小宴。春魚(はるいお)である。これから,農繁期に入るという,前ぶれの祝いであろう。

ばんげ(食事)

夕食。「晩げ(餉)」の意味だが,それを済ました後,しばらくの時刻を「ばんげ」と呼んでいる。
例 「ばんげに,き(来)まい(今晩,いらっしゃい)。」

はんぼ

すし屋,魚屋などで用いる容器。「飯盆(はんぼん)」のつづまりらしい。浅くて広いだ円型の,ちょうどたらいに似た入れ物で,東京では「盤台(ばんだい)」といっている。



ボタン   ボタン   ボタン

それぞれにリンクを貼っています

第26項
イラスト