タイトル
屋島

見立て娘壇之浦

見立て娘壇之浦
資料データ
初代歌川国貞筆
大判錦絵三枚続
縦35.9 横74.6(cm)
江戸時代
弘化年間(1844〜48)

 初代歌川国貞(三代豊国)(1785〜1864)は,江戸末期の浮世絵師。初代歌川豊国の門人で,弘化元年(1844)三代豊国を襲名した。号は,一雄斎・香蝶桜など。また,文政年間(1818〜30)の末頃英一珪に師事した。作画領域が広く,錦絵の他に合巻本の挿絵,読本挿絵なども手がけた。清新な美人画,生動感ある役者絵で当時大変な人気作家となり,「役者絵の国貞」の異名をとる。歌川画法の完成者とみなされている。
 彼が三代豊国を襲名(当時は二代と主張したため,本図には二代とある)した直後の作品である。
 本図は,屋島合戦で平教経が義経を弓矢で射ようとした話を見立てたものであり,豊国の代表的な見立て絵である。中央の女はかんざしが,笹りんどう(義経の紋)の扇の形をしていることから,義経とわかる。この女は画面右の女の酌をのがれようと身をひいているが,この女の持つ銚子の柄は,矢をつがえた案山子。着ている浴衣は平氏の紋である蝶の絞りであり,つまり右の女は平教経をあらわす。そして,画面左の女は弁慶縞の浴衣姿で,長刀のかんざしを挿し,弁慶を見立てている。美人三人に見立てられた本図は,江戸時代に流行した見立て絵の面白さも知ることができる作品である。



ここをクリックするとリンク先があらわれます