タイトル
屋島

和漢準源氏 よこ笛牛若丸

和漢準源氏
資料データ
歌川国芳筆
大判錦絵揃物
縦37.4 横26.0(cm)
江戸時代
安政2年(1855)12月

 歌川国芳(1797〜1861)は,江戸後期の浮世絵師。初代歌川豊国の門人で,号は一勇斎・朝桜楼。文政(1818〜29)末の《通俗水滸伝豪傑百八人》の錦絵シリーズが好評を博し,「武者絵の国芳」と呼ばれた。武者絵の他にも,風景画では洋風陰影法を取り入れて新境地を開拓し,天保の改革(風俗上よくないとの理由で,役者絵・遊女絵の売買が禁じられた)に対しては,諧謔味あふれる戯画・諷刺画を描いて反骨精神を見せるなど,豊かなアイディアとバイタリティーを持ち合わせた絵師だったといえる。
 本図は,「和漢準源氏」という国芳晩年の揃物(シリーズ)の一枚。「和漢準源氏」とは,和漢(日本・中国・インド等)の武勇の誉高い武者の逸話を,『源氏物語』の各帖と結びつけているということを意味する。本図の場合,描かれている内容から推察すると,牛若丸と武蔵坊弁慶が,京都の五条の橋で初めて出逢った際,牛若丸が笛の音とともに登場した(『義経記』)ことを,国芳は『源氏物語』第36帖の帖名「横笛」から連想して描いたのであろう。『源氏物語』になぞらえているだけあって,表題が源氏香の図のなかに記されるという興味深い趣向が凝らされている。本図の場面は,牛若丸の帯びている太刀を狙って,まさにこれから弁慶が向かっていこうとしている様子である。



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